コラム
トランプ外交を判断する座標軸
第1期トランプ政権の足跡から十分予想がついたことですが、第二次大戦後のアメリカ対外政策の根幹に座ってきた「アメリカのリーダーシップを前提とする国際主義」に対するアンチ・テーゼとしての「アメリカ第一主義」、気候変動をはじめとする環境問題に対する軽視(というより敵視)、中東問題に関するイスラエル偏重(その裏返しとしてのアラブ諸国軽視・イラン敵視)、そして「アメリカ第一主義」を脅かす(とトランプが認識する)中国に対する警戒意識は、第2期トランプ政権においてもいささかも変わることはありません。また、ビジネスにおける成功体験に立脚する、自らの直感的判断力に対する自信・過信及びその裏返しとしてのエスタブリッシュメント・ワシントン官僚機構に対する不信感も、第2期政権になってますます自己主張を強めています。トランプ外交に対する批判的・否定的評価がアメリカ内外を問わず伝統的エスタブリッシュメントの間で主流である所以です。
しかし、トランプ外交に関するアメリカ国内の論調がすべて批判的・否定的というわけではありません。特に、…