「はしがき」から引用する :
いったい虚数とは,数学という閉じ込められた箱の中にだけあるものなのか。それとも現実の「どこか」に存在しているのか。 答えは今後の,おそらく長い時間をかけた研究にまたなければならないだろう。
虚数単位 `i` の取り扱いは、私には難しい。「第1章 ネもハもない数」の p.25 から引用する。
`i = e^(ipi//2)`(1-44)であるから,たとえばこれの自然対数は
`log i = log e^(ipi//2) = i pi/2`(1-45)となる。
この、(1-44)式がいきなりわからなかった。よく考えれば、`e^(itheta) = cos theta + isin theta` なのだから、 `theta = pi//2` とすれば `cos pi//2 = 0` だから(1-44) が出てくる。 オイラーの公式さえ忘れているのだから、もうどうしようもない。なお、本書では 1-44 式以降は主値だけを書くことにすると本文でカッコ書きされている。
第5章は「物質の中で」という表題である。この章の初めは留数を使って実数関数の積分を求める方法に費やされている。具体的な問題は、 複素関数のページを参照してほしい。 その後急に誘電体の話に移る。
このページの数式は MathJax で記述している。
書名 | なっとくする虚数・複素数の物理数学 |
著者 | 都筑卓司 |
発行日 | 2000 年 7 月 30 日 第 1 刷 |
発行元 | 講談社 |
定価 | 2700 円(本体) |
サイズ | A5 版 275 ページ |
ISBN | 4-06-154528-0 |
その他 | 草加市立図書館にて借りて読む |
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