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2006年に上演した作品


2006年1月例会 

劇団スイセイ・ミュージカル夢があるから!
演出・原案・脚色/西田直木 台本/高橋由美子 音楽/八幡茂
出演/福島桂子吉田要士中村香織八木みのり、吉田潔、相原奈保子佐藤志穂、田代久雄、藤井珠美吉村美喜子金子昌代、ほか

1月26日(木)6時30分・27日(金)1時30分・6時30分 名古屋市民会館中ホール

 「どんなことがあってもあきらめない。私には夢があるから!」

10代で初めてミュージカルの舞台に立ち、現在も女優・振付家として活躍中の中川久美の半生をモデルに、ミュージカルへの夢を追い続ける少女のひたむきな生き方を描いた作品です。

 誕生日に父親からもらった1枚のブロードウェイミュージカルのチケット。久美はその日をきっかけにミュージカルの世界を目指すようになります。しかし父親の反対、売出し中の女優・スザンヌと彼女の取り巻きのよる嫌がらせ・・・。やがて振付家として活躍することになる日本で待っている、大女優・大海原朱里江の執拗なまで続く妨害の数々。どんな時でも明るく前向きに歩き続ける久美でしたが、時にはその歩みも止めなければならない日々もありました。そんな時、久美を支えたのは幼馴染のまゆみ、ニューヨークで知り合ったダンサーのケン、そして久美の心の支えである晃をはじめとする仲間達でした。
 夢をあきらめずに前へ歩き続ける久美。彼女の行く手にはどんな出来事が待ち受けているのでしょうか・・・。


2006年3月例会
こまつ座 兄おとうと
作/井上ひさし 演出/鵜山 仁
出演/辻 萬長、剣幸、大鷹明良、小嶋尚樹、朴 勝哲、神野三鈴、宮地雅子。

3月7日(火)6時30分・8日(水)6時30分・9日(木)1時30分 名古屋市民会館中ホール

 タイトルの兄とは、「民本主義」を唱えた東京帝国大学教授にして政治学者・吉野作造。作造は、明治11年生まれ。中学高校帝大法科を特待生で卒業し、36歳で東京帝大教授に就任。一方、弟とは、作造の十歳年下の実弟・吉野信次。信次は明治20年生まれ。彼も秀才で、帝大法科を首席卒業後官界入りし、その後大臣を歴任した。秀才の兄弟は10才も年が離れているために、作造が31歳に成るまで一度も枕を並べて寝た事が無く、その後も4回のみだったと言う。つまり、実の兄弟なのに、生涯に渡って同じ部屋で寝た経験は、たった5晩だけだった。そんな2人の物語。
 論争の絶えないふたりだが、根底には互いを思う深い兄弟愛があった……。大正デモクラシーの先達となった吉野作造と、その弟・妻達を描いた評伝劇。

 舞台は、明治42年(1909)降誕祭前夜(クリスマス・イヴ)から、昭和7年(1932)12月のと或る夜までの23年間の中の、飛び飛びの五日間が描かれる。


2006年5月例会
加藤健一事務所 木の皿
作/エドマンド・モリス 訳/小田島恒志 演出/久世龍之介
出演/加藤健一大西多摩恵加藤 忍、鈴木一功、平田敦子、44北川、伊藤順、はざまみゆき、大島宇三郎、有福正志。

5月24日(水)6時45分・25日(木)1時30分・6時30分 名古屋市民会館中ホール

加藤健一事務所サイト内『木の皿』解説

 この物語は、人間としての誇りと尊厳を失うことなく、“老い”を生き抜いていく逞しい老人と、その家族の姿を鋭い目で見つめるエドマンド・モリスの傑作ヒューマンドラマです。これは高齢化社会を迎えた21世紀の私たちへの力強いエールです。
 テキサスの田舎町。タバコとビールをこよなく愛する78歳のロンは、次男のグレン一家と一緒に暮らしている。グレンと妻のクララ、娘のスーザンは、長い間ロンの面倒を看てきたが、体力・視力が衰えて少しボケてきたロンのことが負担になってきていた。
 「自分の人生を生きたい」というクララの希望で、グレンはロンを老人施設に入れることを決意する。しかしロンは「施設に入るくらいなら、死んだほうがマシだ」と、施設に入ることを拒否。クララには「ロンを施設に入れないのなら私が出て行く」と言われ、スーザンやロンの友人には、逆に施設に入れることを猛烈に反対される。兄のフロイドは他人事で、きちんと相談に乗ってくれない。
 悩むグレン。バラバラになった家族は疲れ果て、お互いに傷付け合ってしまう。そんな家族の様子を見て、ロンが最後に下した決断とは…………。
 木の皿=この作品には“木の皿”が象徴的な意味を担って登場してきます。肉体的に衰えのきているロンは、すぐ物を壊してしまうため、彼の食事だけ陶器の食器ではなく、木製の食器(木の皿)に盛られて出されるのです。そのことで、ロンのプライドはひどく傷つけられます。陶器の食器は、人間としての尊厳をも象徴しているのです。


2006年6月例会
文学座 アラビアン・ナイト

脚色/ドミニク・クック 訳/鴇澤麻由子 演出/高瀬久男 音楽/芳垣安洋高良久美子
出演/三木敏彦、早坂直家、沢田冬樹、外村史郎、助川嘉隆、木津誠之、亀田佳明、山本道子、香月弥生、名越志保、目黒未奈、太刀川亞希、山田里奈、松角洋平。

6月28日(水)6時30分・29日(木)1時30分・6時30分 名古屋市民会館中ホール

文学座サイト内解説

 むかしむかしの、はるか彼方の遠い国……。きっと誰もが聞いたことのある「アリババと40人の盗賊」や「船乗りシンドバットの冒険」をはじめ、「ある乞食の物語」「アブ・ハサンが屁をした話」「ものを食べない奥さんの話」「妹をねたんだふたりの姉」など、美しい娘シャハラザードが千と一夜を語り紡いだ数々の物語。その摩訶不思議な物語はいつしか王様の冷たい心を溶かし、やがて人々を救う歓喜の輪になってゆく……。
 ヴァイオリンとパーカッションによる素敵な生演奏。そして、12人の俳優達が次々に役を変えて、軽やかな歌と踊りとともに繰り広げーる見事なパフォーマンス。それらすべてが絶妙のアンサンブルを生み出して、文学座ならではのアラビアンナイトの夢の世界。1998年にロンドンのヤングヴィックシアターで初演され、大好評を博し、日本では文学座が2002年に初演、大きな評判をよび、この作品の演出で高瀬久男が毎日芸術賞千田是也賞を受賞しました。


2006年7月例会少年H
関西芸術座 少年H

原作/妹尾河童 脚色/堀江安夫 演出/鈴木完一郎
出演/門田裕、金谷克海、梶山文哉、酒元信行、城土井大智、増田宏之、鴻池央子、梅田千絵、村崎由佳、岩村春花。

7月13日(木)6時45分・14日(金)1時30分・6時30分 
名古屋市民会館中ホール

 舞台美術家として、エッセイストとして活躍中の妹尾河童氏の大ベストセラー「少年H」が舞台になりました。戦争から半世紀以上が経ち、風化していく戦争をきちんと伝えていきたい……と言われる作者の言葉通り、じわじわと戦争の影が忍び込む過程が丹念に描かれた作品です。

 妹尾肇こと少年Hは、海や山で囲まれた神戸の町で毎日忙しく遊びまわっている。
 洋服仕立て職人の父と、熱心なキリスト教徒の母と妹の4人家族。ちょっと風変わりな家庭に育ったHは、自由奔放で好奇心と正義感が人一倍旺盛。持ち前の好奇心で、いろいろ事件を起こしていく。そして時代と共に、周囲でさまざまな出来事が起こっていく。いつもHにレコードを聞かせてくれた、うどん屋のお兄ちゃんが、特高警察に捕まったり、オトコ姉ちゃんが兵役から逃げて首を吊ってしまったり。
 世の中は一気に戦争色が強くなっていく。
 そして神戸も大空襲を受け、焼け野原となる。矛盾だらけの世の中にHは何かおかしい……と怒りをあらわにしていく。
 大人もおかしい、この戦争もおかしい……日本はどうなっていくのだろう。少年の心も揺れ始める。


2006年9月例会
シルバーライニングプロデュース 最後の恋

作/ニール・サイモン 訳/黒田絵美子
演出/竹邑類
出演/鶴田忍、音無美紀子、萩尾みどり、真織由季

*上演時間……2時間30分予定(休憩含む)

9月14日(木)6時30分・15日(金)1時30分・6時30分 
名古屋市民会館中ホール

 平穏無事な生活を送り続けて来た今、新しい人生に挑戦したい。心ときめく、熱く燃える恋をしたい。老いを迎える男のロマンをお楽しみ下さい。

【あらすじ】
 バーニー(鶴田忍)はレストランを経営し、何不自由のない日々を送っている。しかし、50歳になった今、忍び寄る老いと死を意識し、今の自分に充たされない何かを求めて、人生最後の恋に挑戦しようとする。流れ去ろうとする人生に抵抗するかのように熱く燃える恋・深く甘い恋を夢見る。
 最初の出会いはバーニーの店に毎日来るようになった客のエレーン(萩尾みどり)。ロマンチックな恋を求めるバーニーと、ただ一度の浮気のつもりのエレーンとの恋は実らなかった。
 次に出会ったのは公園で20ドル貸したのが縁で知りあったボビー(真織由季)。女優志望の若い彼女は奔放で、バーニーはすっかりボビーのペースにはまってしまった。
 そして最後の相手に選んだのは、バーニーの妻の親友ジャネット(音無美紀子)。ジャネットはバーニーの浮気の申し込みを承諾して、バーニーの待つアパートにやって来たが、その時のジャネットは鬱病状態で、恋を語る状況にはならなかった。
 バーニーにとって初めての恋で、青年のような初々しいロマンチックな恋心は思うに任せず、三度のチャンスはいずれも失敗に終わり、バーニーの青春は瞬く間に過ぎていく。
 そしてバーニーの新しい人生は?  


2006年11月例会きょうの雨、あしたの風
劇団俳優座 きょうの雨、あしたの風 
原作/藤沢周平 脚本/吉永仁郎 演出/安川修一
出演/可知靖之、阿部百合子、川口敦子、荘司肇、青山眉子、岩瀬晃、志村要、島英臣、内田夕夜、河内浩、清水直子、関口晴雄、荒木真有美、生原麻友美、斉藤淳、ほか

11月16日(木)6時30分・17日(金)1時30分・6時30分 
名古屋市民会館中ホール

 江戸深川の裏長屋に住む市井の人々を描いた藤沢周平の名作短編「後ろ姿」「おばさん」「冬の終わり」を中心に、懸命に生き抜こうとする女性たちと彼女たちをとりまく男たちの姿を情緒豊かに描き出しました。脚色の吉永仁郎は、藤沢作品の持つやさしさや温かさをうまく生かしながら、人生の酷薄な面や社会のきびしさにも同時に光をあて、様々な矛盾を抱えながら、助け合いたくましく生きていく人々の姿を見事に描き出しています。
 所は江戸…。寡婦のおときが世の中に隠れるようにただひとりひっそりと暮している深川の裏長屋。同じ長屋に住む左官の六助は酒を飲むと誰彼かまわず連れてきて泊めてしまうという奇妙な癖を持っていた。昨晩も汚らしい老婆のおはなを連れてきては女房のおよねを困らせ、おしゃべりのおもんのかっこうの話題にされる始末である。桶職人の重吉にほのかに想いを寄せている一善めし屋の女中のおしずは博打の借金をかかえた弟の栄次に悩まされていた。ある日、ひょんなことからおときのもとへ若い男の居候・幸太が住みつ<ことになる。そして、博打の借金の取り立てにやくざが長屋のおしずのもとへやってくる。人生の裏道を歩いてきた日雇い人足の作十はなんとかおしずの力になろうと老いた体でやくざに立ち向かうが…。


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最終更新日 2006/11/02