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名演2006年6月例会 文学座公演 
アラビアン・ナイト

脚色/ドミニク・クック 訳/鴇沢麻由子 演出/高瀬久男

 お馴染みの主人公、アリ・ババ、シンドバッドなどが活躍する「千夜一夜物語」から7つの挿話が繰り広げられる『アラビアンナイト』
 開け〜ゴマ!アリ・ババのとなえるあのお馴染みの呪文に応えて、『アラビアンナイト』の幕が上ります。
 楽しく面白く摩訶不思議な物語、12人の俳優が入れ替わり立ち代り次々と物語を演じ、歌と踊り、素敵な生のライブ演奏などがひとつに溶け合い、アラビアンナイトの果てしない夢の世界にあなたを誘います。
 ぜひ、この機会に親と子、家族、周りの友人を誘い、『アラビアンナイト』を一緒に観て、楽しい一夜を過ごしませんか
6月28日(水)6時30分
  29日(木)1時30分
        6時30分
 
名古屋市民会館中ホール
          地図
あらすじ
解説

キャスト・スタッフ
配役
関連サイトリンク
会費 月額一般 2600円 22歳以下 2000円  
   高校生以下 1300円
入会金  一般  2900円 22歳以下 2300円 
   高校生以下 1600円
新入会の方は、会費と入会金が必要です。それ以外の入場料は必要ありません。  くわしい名演の入会方法はこちら
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あらすじ

 シャハリヤール王は、自分の奥さんの浮気を許せず殺してしまいます。王はそれ以来女性不信に陥り、新妻を迎えては翌朝殺してしまうという、恐ろしい蛮行を繰り返します。
 王の側近であるワジール大臣には、とても賢い娘シャハラザードがおり、彼女は一計を案じ、自ら進んで王様の奥さんになると申し出ます。
 そして、今生の別れにと寝室に妹のディーナザードを呼び寄せます。妹は、姉の得意とするお話しを聞かせて欲しいとせがみ、王様もこれを承知します。毎朝、日の出の1時間前に言葉巧みに語られる物語。その面白さに惹きつけられた王様は、明日も聞きたいという欲求に負け、夜が明けても彼女を死刑にすることが出来ません。
 いよいよお話の泉も尽きたかと思われた最後の夜、シャハラザードは、シャハリヤール王自身を擬した、哀しい王様のお話を語ってみせます。物語という鏡に己自身の姿を認めた王様は、ようやく非を悟り、シャハラザードを愛していること、そして愚かな自分自身に気づき、妻殺しをやめてシャハラザードとの幸福なくらしを選びます。


解説

「イフタフ ヤー シムシム! (開け、ゴマ)」

軽やかな音楽と歌、アラビアンナイトの摩訶不思議、果てしない夢の世界に誘います

「イフタフ ヤー シムシム! (開け、ゴマ)」。アリ・ババの真似をして、舞台に向かって、こう呪文を唱えてみましょう。すると幕が開き、舞台の上に摩訶不思議、楽しく面白い『アラビアンナイト』の物語がはじまります。

お馴染みの主人公、アリ・ババ、シンドバッドなどが活躍する「千夜一夜物語」(元の題は、アラビア語で「エルフ ライラ ワライラ」という)から7つの挿話が繰り広げられます。

 「アラビアンナイト」の原型がつくられたのは、いまから1000年ほど前のバグダードであったといわれています。当時のバグダードは世界最大級の大都市として、空前の繁栄を誇っていた。しかし、生まれ故郷のアラブ世界ではほとんど忘れられていた。今から300年前フランス人東洋学者アントワーヌ・ガランによって、時空を越えて太陽王ルイ14世の宮廷で復活し、一躍世界の大ベストセラーになっていきました。

 今回上演の『アラビアンナイト』はドミニク・クック脚色による七つの物語をちりばめた台本で、1998年にロンドンのヤングビックシアターで初演、絶賛されました。様々な小道具や人形をなどを巧みに駆使し、生楽器を使った効果音とシンプルな音楽を重ねながら、12人の俳優が入れ替わり立ち代り次々と物語を演じられます。

 文学座の初演は2002年、親と子が共に楽しめる舞台「文学座ファミリーシアター」の第1弾として青山円形劇場で上演され、絶賛を浴び、画期的とも言えるほどの大成功を収めました。その評判から翌年新宿のスペースゼロで再演され、その後、九州で49ステージ上演されました。

 「スピーディーな演出に圧倒される。アイデアに満ちた賑やかな舞台で楽しめた」「高瀬演出は観客の想像力を、バンドの演奏を借りてつむぎ出す。ロマンチックな楽しい世界が躍動している」、「舞台空間がキラキラ輝いていた。その空間の粒子がピチピチ新鮮にはじけていた。高瀬久男の演出が深い井戸から地下水をくみ上げるように原作と脚本から魅力をたっぷりくみ上げている」ともいわれる等など、大評判となりました。演出の高瀬久男さんはこの舞台成果が高く評価されて第44回毎日芸術賞(千田是也賞)を受けました。

他の鑑賞会での感想文から一部紹介します

● 私はアラビアンナイトと聞いたとき頭に疑問符が浮かびました。
 「アラビアンナイトといえばアラジンと魔法のランプ!あれアリババとシンドバッドは?」
 そう、私はこれらを別々の話としか認識していなかったのです。周りの人の話を聞いているうちにそれは、全体の中の話の一つ一つであることがわかり、内心恥かしくなると同時に、私の知らない残りの話に興味がわき、劇を観るのが楽しみになりました。

 そして当日、実際に観ると、劇団の方々の素晴らしい演技と劇そのものの話の面白さに心惹かれ、舞台にくぎ付けになりました。笑いあり、感動ありの、実に迫力がある素晴らしい劇でした。

● シンプルな舞台から、どのようにして、いくつもの物語を表現するのだろう…。と思っていると不思議です。「開けゴマ」と唱えると本当に岩の扉が開き、あたかも中にたくさんの財宝があるように見えるのです。そして、盗賊がアリババの家に×印をつける。それを見つけたメイドが他の家すべてにも×印をつける。ああそうだった。次々に出てくるお話に引き込まれていきました。人間の幸福や不幸、正義や悪、信頼、思いやり。
 今、昔では考えられないような事件が毎日のようにテレビ・新聞で報じられています。
 今の子供たちがもっともっといろんな物語を読み、観るといいのではないでしょうか。

● 美しく神秘的で、ロマンに溢れた楽しい舞台でした。物語が次々とテンポよく進む中、全編に通じているのが「正直で知恵と勇気のある者が救われる」という期待通りの展開で、残酷さえも小気味よく感じました。また、シャハラザードの語り口のなめらかさにうっとりしながら、こうやって文字にも頼らず人々の口から耳へと語り継がれてきたのだと、遠い昔の人たちの深い力にも思いをはせました。
 いつも思うことですが、生のお芝居というのはとても儚 (はかな)いものです。それだけに、いいお芝居に出遭えた時は、一期一会の宝物としていつまでも胸に残ります。『アラビアンナイト』でまたひとつ私の宝物が増え、夏のいい思い出ができました。

● 今年の期待する作品の一つでした。どんな舞台なのか、舞台写真を見ただけでしたが、興味を持ちました。
 まずは期待にたがわぬ舞台でした。役者のみなさんの熱演、エネルギーの高さに圧倒されました。九演連五〇数回の例会の長丁場で、舞台の密度も維持されてきた努力と熱意を想像しました。「おとぎ話」の世界ながら、なんと死が満ち溢れているのだろうと、日本の風土に育った人間の感覚では計り知れない、物語の中の寓意を語らずにいられませんでした、ともあれ、「姉が妹に語り聞かせる物語」の3年近い歳月の中で、妻の不実に会い人間不信に落ちた王様の心をよみがえらした愛の奇跡を楽しましてもらいました。

● 二ケ月に一度の観劇を楽しみに待っている私です。
 今回の「アラビアンナイト」は、最愛の妻に裏切られ、女性を信じることができなくなった王様に、シャハラザードという女性が自ら妻になることを申し出、巧みな話術で語られる「世にも不思議で面白い物語」を聞かされ、ついに王様も心を開いていくという物語でした。 
 舞台上では、観るものを美しいフアンタジーの世界に引き込んでいき、歌あり、踊りあり、また効果音は生演奏を奏で、役者さんたちは膨大な役を演じ分け、絶賛された舞台に感動をおぼえました。本当に素晴らしい一夜をありがとうございました。 

● 白のアラビアン衣装がよく似合う王妃様はあっという間にアラビアンナイトの世界に導いてくれたようです。
 「屁をした男の物語」の時はつい笑ってしまいましたが、後から可哀想にも思いました。物語や歌、踊りもさることながら、回る舞台も大変楽しみを与えてくれたようです。床の秘密の扉からは空飛ぶジュータンなど、いろいろ飛び出してきて、童心に戻って楽しみました。
 夢があって温もりが感じられるアラビアンナイト は期待通りでした。終了後、舞台の片付けをするとき、板など重かったけれど、あの舞台の秘密の扉の謎も解けて安心して家路につきました。翌日からさっそく市民劇場の楽しさを職場の人たちに伝えています。


<キャスト> 

三木敏彦早坂直家沢田冬樹外村史郎助川嘉隆木津誠之亀田佳明松角洋平
山本道子香月弥生名越志保目黒未奈太刀川亞希山田里奈

<スタッフ> 

脚色

ドミニク・クック

鴇澤麻由子

演 出

高瀬 久男

音 楽

高良久美子

美 術

島  次郎

照 明

中山 奈美

音響効果

斉藤美佐男

衣 裳

出川 淳子

振 付

新海絵理子

舞台監督

加瀬 幸恵

演出補 雨鶴田 俊哉
宣伝美術 マッチアンドカンパニー
宣伝写真 須藤 秀之
制 作 富田 欣郎


配役

演奏 外村史郎/太刀川亞希
【プロローグ】
シャハラザード 目黒未奈
ディーナザード 山田里奈
ワジール 三木敏彦
シャハリヤール 早坂直家
女 山本道子
若い女 香月弥生
女王 名越志保
奴隷 松角洋平
【アリ・ババと四十人の盗賊】
アリ・ババ 亀田佳明
カシム 助川嘉隆
盗賊の頭 三木敏彦
盗賊 山本道子、香月弥生、沢田冬樹、助川嘉隆、木津誠之、亀田佳明、松角洋平
アリ・ババの妻 香月弥生
カシムの妻 山本道子
モルジアーナ 名越志保
薬屋 山田里奈
ババ・ムスターファ 松角洋平
アリ・ババの息子 木津誠之
アブダーラ 沢田冬樹
【ある乞食の物語】
乞食 木津誠之
仕立て屋 助川嘉隆
仕立て屋の妻 名越志保
通行人 香月弥生
医者 亀田佳明
医者の妻 山本道子
召使い 山田里奈
コック 沢田冬樹
質屋 松角洋平
見張り人 名越志保
警察署長 香月弥生
王 山本道子
執行人 三木敏彦
【船乗りシンドバッドの冒険】
荷かつぎのシンドバッド 沢田冬樹
船乗りのシンドバッド 三木敏彦
小姓 山田里奈
侍女 山本道子、香月弥生
商人1 木津誠之
  2 亀田佳明
  3 松角洋平
ルフ鳥 名越志保、助川嘉隆、木津誠之、亀田佳明、松角洋平
【アブ・ハサンが屈をした話】
アブ・ハサン 松角洋平
結婚斡旋人 名越志保
花嫁 香月弥生
叔父 助川嘉隆
叔母 山本道子
祭司 三木敏彦
友人 亀田佳明
敵 沢田冬樹
偉い人 早坂直家
葬儀屋 木津誠之
王 助川嘉隆
少女 山田里奈
母親 山本道子
【ものを食べない奥さんの話】
シディ1 沢田冬樹
シディ2 亀田佳明
バルン・アル・ラシッド 三木敏彦
アミナ 香月弥生
人食いお化け 木津誠之、松角洋平
パン屋 助川嘉隆、松角洋平
客1 名越志保
 2 山本道子
魔女娘 目黒未奈
近所の人 木津誠之、松角洋平
犬 木津誠之、松角洋平
【妹をねたんだ二人の姉】
長女 名越志保
次女 香月弥生
末っ子 目黒未奈
王 早坂直家
大臣 三木敏彦
庭師 沢田冬樹
庭師の妻 山本道子
バーマン 亀田佳明
ファルーズ 木津誠之
ファリザード 山田里奈
老婆 山本道子
老人 三木敏彦
鳥 目黒未奈
料理人 助川嘉隆、松角洋平
【終わりのない物語】
シャハラザード 目黒未奈
シャハリヤール 早坂直家
仕立屋 助川嘉隆
ディーナザード 山田里奈
ワジール 三木敏彦
アリ・ババ 亀田佳明
荷かつぎのシンドバット 沢田冬樹
乞食 木津誠之
モルジアーナ 名越志保
執行人 松角洋平
【エピローグ】
俳優 山本道子、香月弥生、名越志保、沢田冬樹、助川嘉隆、木津誠之、亀田佳明、松角洋平
シャハリヤール 早坂直家
シャハラザード 目黒未奈
ワジール 三木敏彦
ディーナザード 山田里奈

関連サイト

文学座ウェブサイト http://www.bungakuza.com/

目黒未奈さんサイト miinamiinamiina 
http://members2.jcom.home.ne.jp/miinamiina/

目黒未奈さんブログ(台風のめだま) 
http://blog.livedoor.jp/ssmmn/

山田里奈さんファンサイト http://yamada-rina.sakura.ne.jp/

山田里奈さんブログ(新・里奈歩録) 
http://blog.goo.ne.jp/dreams_rina/

『アラビアン・ナイト」関連

エジィ・ウォーカー http://www003.upp.so-net.ne.jp/fuimei/

アラビア広場 http://home9.highway.ne.jp/arabia/

岡崎市美術博物館 「アラビアンナイト展」(5月28日まで)
http://www.city.okazaki.aichi.jp/MUSEUM/ka321.htm


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最終更新日 2006/04/25