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2001/04/30

 数日前、水に浸かって掃除した為か、風邪気味。

 『グランド・ミステリー』(奥泉光 著/角川書店)を読みはじめる。なかなかすすまない……


2001/04/29

 天皇賞(春)はテイエムオペラオーだった。強いですなあ。よどみのないペースからすると、むしろナリタトップロードに有利に見えたのだが、ねじ伏せるような直線は素晴らしかった。以下メイショウドトウ、ナリタトップロードの順。メイショウドトウはマル外だから距離云々という部分を跳ね返しての2着。
 雨の春天なんて随分久しぶりという気がする。


2001/04/28

 テレビが壊れた。広島巨人戦が中日巨人戦に見える。
 半端な壊れっぷりなので、すぐに買い換えるのもなあと迷いつつ、とりあえずの品定めに電化製品量販店に行ったら、店の中にちょっとした行列が出来ていた。なんだろうとその列の横を歩いてたどっていたら、なかばで警備員に呼び止められた。
 「何かご購入ですか?」
 「あ、いえ。この列どこに続いてるんだろうと思って」
 「レジですよ」
 「何かあったんですか?」(間抜けな質問)
 「今日は、ゲームが発売されたので、それでね」
「GranTurisumo3 A-spec」(PS2/SCE/レース)の発売日だった。
 まあ、並べば買えるというのは、それだけ出荷してるんだろうなあ。
 テレビのカタログを数社分貰ってとりあえず帰宅する。

 「パラッパラッパー」を見る。女の子たちがアイスを食べながら「いけてる?」「うん、いけてる」とやってるのがいい感じ。その後でパラッパが「女の子がおいしいっていうものは大抵まずい」と言っていて、なんだかおかしかった。


2001/04/27

 やったっ!やったよ!すごいすごい! プレステ2でLinux使えるキット SCEが署名に応え発売!(署名については2001年3月7日の日記に書いた)
 次がどうなるかはまだ分からないが、それでも、今はただ嬉しい。今日はろくなことが無かったけど、少しは気分が晴れた。

 ろくでもないこと、その一。
 ……流れない。こんな理由で休むとはねえ。とほほ。風呂場の排水溝を掃除しながら悲しくなった。顛末は全部ここに書いたので、排水溝が詰まった方は参考にしてみてください。今回、検索で「風呂場の排水溝が詰まった」を捜してみたら、そのほとんどが
 「詰まった>掃除した>流れるようになった」 
だーかーらー、その掃除の仕方をもっと詳し……ぐるるるるる。
 「予防が大事だ」
そんなこと、今この場で言われても……む。

 ろくでもないこと、その二。
 不幸は続くらしい。今度はテレビが変だ。色がおかしい。

 「ガンパレード・マーチ」サントラが届いた。おお、ポスターが見事に四つ折りだ。……ま、まあ、一緒に封入されていた絵葉書(原・善行・瀬戸口・東原)が素敵だから、いいか。原さんのウォードレス姿がすごい。瀬戸口がいないとまるで夫婦(善行・原)とその子供(東原)のような絵柄。ののみ可愛いなあ。
 あ、音楽聴いてたら、また遊びたくなってきた。テレビが壊れてなければね。とほほ。


2001/04/26

 昨日も風呂場の掃除。手が掻き傷だらけになった。水の流れはまだあまりよくない。今日も掃除だ……

 「優駿」2001年5月号購入。「合田直弘の愉快に語ろう、明日の競馬を 第2回 淀3200メートルのポイントは3コーナーの下り坂」(pp.156-159)鼎談のゲストが的場さんなので。リアルシャダイは気性がきつかったが、ライスシャワーはそうではないように見えましたね、など天皇賞(春)からその周辺の話。長距離戦はシミュレートがしやすいとか、自分のレースをしてかつ相手に相手のレースをさせないとか。騎手の姿勢で馬の疲労度を見る、というのは興味深かった。
 天皇賞(春)は「ドリーム競馬」、東京優駿は「スーパー競馬」と、フジ系列が的場さんのTV出演を抑えている。NHK……何しとる。このひとほどNHK向きの解説者はいないと思うんだが(フィギュアスケートの五十嵐文男さん級)。前回の皐月賞で、的場さんの話し方が耳で聞いて分かりやすいのには、正直驚いた。自分でやってみるとわかるが、口頭だと思いのほか文の筋がぐらつくのである。的場さんは、喋りなれているのではないから、頭の中でかなりの部分をまとめて、きちんと流れを作って話しているのだろう。決して達者ではないけれど聞きやすかった。

 「ボクと魔王」ようやくクリア。総じていい印象のゲームだった。エンディングの曲が頭の中でループしている。CDにならないかな〜。

 自民党は小泉新総裁ですか。個人的には福田官房長官が変わらなかったので満足。


2001/04/25

 昨日は風呂場の水の流れが悪くなって、延々と排水溝を掃除して3時過ぎに寝たので、眠い。

 食堂のメニューに冷やし中華が加わっていた。今日の最高気温は3月上旬並。でも食べてる人はいた。

 「活字倶楽部」をぱらぱらと立ち読み。ひとつのテーマで本を紹介するページの今回のお題は「眠り」で、そのなかの1冊に『レナードの朝』(オリヴァー・サックス 著/春日井晶子 訳/ハヤカワ文庫)があげられていた。……あれ?L-DORAは間違いだろう……(正しくはL-DOPA)
 邦訳版『レナードの朝』は、晶文社版とハヤカワ文庫版の2種類あり、両者を比較したこのページ(不定期版―物欲の日々、2000年9月28日)によると、ハヤカワ文庫版のほうがおすすめ、だそうだ。原著からの割愛部分が少ないらしい。
 私は晶文社版しか読んでいないので、これは読み直しかなあ。それにしても、他のサックスの本も、晶文社版とハヤカワ版ではこんなに違うのだろうか。


2001/04/24

 『模倣犯』(宮部みゆき 著/小学館)読了。読みはじめたらとまらなくなって、読み終えたのは1時過ぎ。
 事件に関わり、ある日突然人生を破壊された人々の物語(帯より)。被害者の家族、加害者の家族、そして―
 3部構成の第2部までは、読むはやさと物語の進み方がほぼ一致していたのだが、第3部になってから、読むはやさががくりと落ちたような気がした。先を知りたくてたまらない。いっそ後ろを先に読んでしまおうかと思ったほどだ。第3部で読者は、限定された「神の視点」を手に入れる。それを知っているものにとって、第3部がはじまった時の状況は、居心地が悪くて仕方が無い。これは奇麗に解決されるのだろうか、それとも解かれないままだろうか。
 前作『理由』でも感じた違和感をここでも感じる。『火車』ほどには奇麗に解かれない部分。それは現実にはあって当然の部分なのに、推理小説の中に置かれると、読み終えた後にちいさな違和感として残ってしまう。作者の主張というにはあまりにさりげなく、それでいて忘れることの難しい何か。なんだろう?これは。
 面白かった!本の厚さは、いったん読みはじめると全然気にならない。本自体が重くて、通勤のおともにはむかないですが。数日これを持ち歩いたので、肩こりがひどくなってしまった。む。

 蔑称を使っている状態で、しょーもないのは「勘違い」、マシなのは「無知」、心情を把握しやすいのが「罵倒」で、笑えるのが「無恥」。「手抜き」「わるふざけ」というのもあるか。


2001/04/23

 健康診断が実施されるので、本社に出社した。朝寝坊が出来ていい感じだったのだが、11時はじまりの診断が終了したのは14時(その間飲まず食わず)。その後昼食。デザートのブルーベリータルトが美味しかった。仕事場についたのは16時。17時が定時……何しに行ったんだか。
 採血すると眠くなるので、さっさと帰宅する。

 ハードカバーは絶対に持ち歩かないと決めていたが『模倣犯』の前にあっけなく決意は破れる。おかげで肩が痛い。


2001/04/22

 ひきつづき『模倣犯』を読む。BGMは「シルバー事件サントラ」。


2001/04/21

 朝から立て続けに宅配便ラッシュ。
 内訳。「シルバー事件サントラ」(昨日の再配達)、「電撃ガンパレードマーチ」(ゲームの攻略本)、そして実家からいろいろ。
 「シルバー事件」は4月4日に通販を申し込んだのだった。発売日は4月20日。さくっと送っていただいて、なんだか嬉しさが途切れなく続いている感じ。早速聴いている。
 「電撃ガンパレードマーチ」(通販申し込みは3月23日)は、登場人物のプロフィールをざっと読んだ。そしてざっと感想。この世界、B型がいないのか?ほぼ全員A型とは、輸血の時便利だなあ(確認しないで済む)。そしてB型系が迫害されそうだなーと思った。なんとなく。
 きむらじゅんこさんの描きおろし、だんとつのお勧めは石津萌。かわいい。

 「ボクと魔王」は終盤まで。しかしダンジョンでのマップ表示に馴染めず、ぐるぐるとさまよい続け、「あと1時間かけて分からなかったら、攻略サイトをさがそう」と思いつつ遊んでいる。すると1時間ぎりぎりで次へのヒントが見つかるので……これさえなければなー。

 入浴のお供に『模倣犯』(宮部みゆき 著/小学館)を選んだら、左手が痛くなった。重い。浴槽に落としそうになる。


2001/04/20

 『怪笑小説』(東野圭吾 著/集英社文庫)読了。
 無人島にたどりついた船の客たちにとって、唯一の娯楽は、ひとりの男がつぶやく"実況中継"だった(「無人島大相撲中継」)など全9編収録。
 『毒笑小説』より、こちらのほうが笑えて好きだ。「おっかけバアさん」って、半ば実話らしいのだが……確かに身近にいそうだこういう人。トンデモ主張噺「超たぬき理論」が楽しかった。


2001/04/19

 自民党総裁選挙は、亀井氏・小泉氏・橋本氏・とあともう一人――などと言われてしまう麻生さん(福岡)。影が薄い。おじいさんは(故)吉田茂氏。

 『毒笑小説』(東野圭吾 著/集英社文庫)読了。
 こんなの有り?と笑ってしまう『名探偵の掟』に、やや似た味わいの短編集。(天下一大五郎関連の「逸品」が出てくる話もある)
 とは言え、タイトル通りの「笑い」を期待するとやや外れてしまうかな。「つぐない」とか(著者もそう解説していますが)。「エンジェル」は、あの落ちが無いほうが面白いと思う。
 巻末に、著者と京極夏彦氏の対談が収録されている。
 これによると『秘密』は当初お笑いとして考えていたそうだ。

 電車のなかで、ふと視線を感じてふりむくと、後ろに立っていた女性のショルダーバッグからパグが顔だけ出してこちらを見ていた。目が大きくてきらきらとしていたので、思わず見詰めかえした。女性がバッグを肩にかけなおすと、きゅーっと目を閉じて、バッグの中に入ってしまった。


2001/04/18

 『犯人のいない殺人の夜』(東野圭吾 著/光文社文庫)読了。
  友人が屋上から落ちたのは自殺か他殺か(「小さな故意の物語」)、子供が殺された時、窓が開いていたのは何故か(「闇の中の二人」)など、7つの短編が収録されている。
 小説ならではの「犯人のいない殺人の夜」は見事に引っかかった。大仰なトリックではないが、話のすすめ方が面白い。誰かが観察する視点を2つ(男と女、今と事件当夜)に設定して交互に移動する描写が、少しだけ不安定な感じで、頭の中で絵が浮かんだ。(実際のところ、この話を映像にするのは無理だとは思うけど)


2001/04/17

 『しのぶセンセにサヨナラ 浪花少年探偵団・独立編』(東野圭吾 著/講談社文庫)読了。
 『浪花少年探偵団』の続編。しのぶセンセは内地留学中、当時担任を受け持っていた生徒も中学に進んでいるけれど、相変わらずの事件遭遇率……ってまあ事件が起こる話だから当然ではある。でも死体の数多すぎ。(前作よりは減りました)
 とはいえ、からりと乾いた明るさは、読んでいて楽しい。刑事を虚仮にする素人探偵、という話ではないので、いい感じで読める。しのぶセンセや悪ガキどもには、それなりの得意分野があって、その部分を埋める推理を展開するし、刑事は自分の分野で調査をやっている。不自然な感じがしないのはそのせいだろう。珍しくついている作者「あとがき」では、登場人物が共通するシリーズ物についての東野氏の考えが書かれている。「作者も成長していく」のだからいつまでも同じ人物の状況を描いてはいられなくなることもある(大意)のあたり、成る程と思った。

 長期にわたって書かれつづける小説を読むことが、私は苦手なのだが、そういう話を読みつづける人は、話(作者)の変化と自分の変化の間にどう折り合いをつけているのかな。自分が望む方向に変わっていく作者ばかりではないと思うのだけれど。


2001/04/16

 朝、電車内で。学生2人の会話。
 「遺跡……調査でさ……持ち出そうとしたら」
 また遺跡がらみの事件が起きたのかな。
 「とたんにレーザーが……で、警報音がものすごくて」
 ……映画?
 「で、それが民間からの依頼で……重量級のエーシーが……」
 エーシー(AC)?……ああ。ゲーム(ArmoredCoreシリーズ FromSoftware)か。時期からして「ANOTHER AGE」(PS2)かな。
 朝から熱くゲームを語る2人、ゲームタイトルを言わないので、なんだか物騒な内容になっていた。

 『浪花少年探偵団』(東野圭吾 著/講談社文庫)読了。
 大路小学校の「しのぶセンセ」と生徒達が、出遭った事件を元気に解決していく。普通の小学校関係者なのに、殺人事件遭遇率高すぎ。収録されている5編全て、死体付きなのである。大阪下町は物騒なところなのだなと勘違いしそうだ。
 いやまあ推理小説だから当たり前といえばそうなのだが。
 死体が出てきても明るく軽く読めるのがいいなあと思った―としか言えないです。こういう話の感想を書くのは難しい。


2001/04/15

 皐月賞はアグネスタキオン。ゲート入りを嫌ったわりに、レースはきっちりと締めていた。ゴール後しばらく走ってから向きを変える時、鞍上が鞭の柄で「あっち」と指した方を向いたのが可愛らしくて、その時だけ子供っぽく見えた。

 的場さんがフジTV「スーパー競馬」(14:30〜15:55)に出演していた。これがNHKだったらなあ。全国区でないと関西より西の人間は見られないのに……。で、久々に真面目にTV中継を見た。的場さんの声を聞いただけで、なんとなく幸せな気分になってしまうのであった。しかし最初の30分を見逃してしまった。いつもより開始が早くなっていたのである。
 CMの合間にNHK総合の競馬中継もちらりと見たが、相変わらず下手だった。夜のスポーツ番組でチェックしたら直線はアグネスタキオンの名前を連呼して済ませていた。あれはちょっと酷い。

 『怪しい人びと』(東野圭吾 著/光文社文庫)読了。
 「俺」「私」と、一人称で語られる7つの短編が収録されている。(今回は題名列挙は省略)
 娘の死は再婚相手の仕業なのか、と疑問を持つ男の行動を描いた「甘いはずなのに」、旅行先で強盗に遭った夫婦の話「コスタリカの雨は冷たい」が面白かった。


2001/04/14

 TVをつけたらたまたま「パラッパラッパー」をやっていたので少しだけ見た。……おおっ。サニーちゃんがケイティをだっこしてる!とこんなところに喜んでしまい、少々虚しい気持ちになる。それはともかく、女の子ふたりは可愛らしく、喧嘩相手のポーラもいい感じなので、時間があったらまた見ようかな。

 『ブルータスの心臓』(東野圭吾 著/光文社文庫)読了。
 女は子供を産むと言った。もしあなたの子なら、責任を取ってもらうと。それは彼には出来ない事だ。何故なら、その事実自体が、彼の出世の足を引っ張ることになるからだ。女について対処を考えていた時、彼はある男2人に「女を殺さないか」と持ち掛けられる。彼らもまた女に弱みを握られているらしい。アリバイを作るために、3人の間で考え出されたトリックは――。
 発想と途中までの展開は面白く感じたが、締めに少々拍子抜けした。あまりに推理小説的におさまっていて、読んでいる方は「はあそうでしたか」と思ってしまうのが苦しい。

 さて、「ボクと魔王」の続きを。先週は「奈落の底」で遊ぶ時間が切れてしまったのだが、今週もまたしばらくぐるぐるやってしまった。このゲーム、時々変なところで進まなくなってしまう。台詞や雰囲気がとてもいいので、とにかく先を見たくてなんとか頑張っているけれど、確かに方向音痴にはつらいマップ表示だと思う。メニュー画面でマップが見られたらいいのになー。現在位置を確認しようとして立ち止まると、敵が寄ってくる。それが嫌で自分の位置を掴まないまま動き回ってしまい、ますます訳が分からなくなる。
 これさえなければ平日に遊べるんだけどなあ。


2001/04/13

 AC04Web(「エースコンバット4」の公式サイト)から落してきたムービー2つをぼーっと見る。10分と同じ番組を見ていられない自分にはぴったりの長さ(どちらも2分とない)で、映像ごとの切り替わりがはやく、はっきりと見えないのが飽きなくていい感じ。つい、何度も見てしまう。

 ある人が中近東で短期の技術開発をしていた時の話だが、物騒で外に出かけることも出来ず、スケジュールは周囲の状況もあってかかなりきつかった為か、技術者で奇妙な行動をとるひとが出てきた。どんな風に奇妙なのかいろいろ教えてもらったが、憶えているのはこのふたりだけ。

 彼らも仕事はきちんとこなすので、奇妙な行動については誰も何も言わなかったそうだ。
 まあここまで極端なのはともかく、日本国内の開発でも、忙しい時は変な事をする人が増える。


2001/04/12

 ハードカバー3冊+文庫本1冊を買った。読みかけの文庫本1冊が入っているバッグにまとめて入れて、肩にかけて持ち、小1時間ほど歩いたら、寝る前に筋肉痛がきた。これが昨日の夜。起きたらまだ痛い。

 購入本の内訳。1件目で『模倣犯 上・下』(宮部みゆき 著/小学館)を。2件目で『わたしたちはなぜ科学にだまされるのか』(ロバート・L・パーク 著/栗木さつき 訳/主婦の友社)『ブスのくせに!』(姫野カオルコ 著/新潮文庫)、前者は原題を"Voodoo Science"、後者は「まえがき」に、ジュリア・ロバーツをブードゥの呪い人形みたいだと書いてあって、ブードゥ同士で取り合わせがいいかなと思ったのである。

 で『ブスのくせに!』読了。軽く楽しく読めました。


2001/04/11

 ある立場に就いて在任中は何もしないのも、ひとつの才能だと思う。自分が偉くなったと錯覚すると、たいていのひとは何かしら厄介事をおこす。失言とか失言とか失言とか。それをしないのは、それだけで充分素晴らしい。身近に引き寄せて考えると、例えば、Y2K問題の対応をしていた人は、客から見たら何もしていない、ように見えたらしい。何もしていないように見える人はそういうことをやっていたりもする。(違う場合ももちろんあるが)
 でも、世間様から見れば何かしているほうが見栄えもいいし、面白いのだろう。石原東京都知事が受ける所以である。しかしなー。政治家が受けてどうするんだろうか。(必要ないだろう)
 石原東京都知事の受けっぷりを見てふと思った。田中長野県知事は受けないだろうなあ。(根拠はない。ただの印象)

 『魔法飛行』(加納朋子 著/創元推理文庫)読了。
 おはなしなんて書けない、と言ったら、日常のことを書いたら?との返事が。じゃあ書いて、言い出したあなたに送りましょう。さっそくのひとつめは、私が学校で出会った少し変わった女の子の話です―
 『ななつのこ』に続く物語。手紙―日常の出来事―手紙という形式は同じだが、物語中の2人のやりとりに、どこか異質な3人目の手紙が紛れ込む。物語を読む時、自分が読者であること・作られた世界を読んでいることを常に意識しているわけではない。それを自覚させる誰かからの手紙は、章のなかで解かれた謎をさらに深くする、もうひとつの謎になっている。
 面白いのにどこか引っかかる。加納さんの本はこれで5冊めだが、この本の最後の数ページを読んで、何故なのか見当がついた。私は子供時代をいいものだと思ったことは全く無い。だからどこかが引っかかっるのだろう。登場人物が定型的なら物語をもっと楽しめるのに、とつい思ってしまう。
 これは、ただの愚痴。


2001/04/10

 朝、ワイドショーで映画「FinalFantasy」の映像が流れていた。ほお、これが有名なあれね、としばし眺める。アナウンサー、紹介して曰く、
 「実写と全く区別がつきませんね〜」
 映像の精緻さよりも、「全く揺れないまつげ」を見てなおそう言うアナウンサーの強心臓に感心した。

 『片想い』(東野圭吾 著/文藝春秋)読了。
 西脇は、学生時代、部のマネージャーだった日浦に―偶然―出会った。その姿と声は、昔の彼女のものではなかった。驚く彼に、日浦はもうひとつ、自分が関わったある事件について話す。自分の今を守るために、彼女はその事件から逃げなければならないのだが……
 物語の中心となる事件はもちろん、冒頭の「何故西脇がパスを<彼>に投げなかったのか?」の理由まできっちりと解かれる。読者から隠された謎は無い。西脇と高倉、中尾と日浦、そして日浦と高倉、西脇と中尾。彼らが見せる顔は、ただひとつには定まらない。らしさ、は相手がいて成立していくのかなあと思う。そして、どこか『卒業』の加賀に似た主義を持つ早田。彼が最後の最後にとってみせた行動は意外だった。
 ふたりの人間が言う「自分にとってあいつは」の結ぶ像が、話がすすむにつれて、ずれを見せはじめる。それでいて最後にはまた、彼らにとってのひとつになるように感じられた。もどかしい部分をあるがままの姿で描いてみせて、読むほうも多少気構えが必要な話だと思う。


2001/04/09

 『未完成』(古処誠二 著/講談社ノベルス)購入。(と書くのは、今日中に読了予定だった本がいまだ半ばだからである。洗濯しながら読んだのだが、なかなか進まない)
 で、購入本の話。『UNKNOWN』の朝香二尉と野上三曹コンビが登場。となれば自衛隊のお話……というわけで、読む前から楽しみ。

 NHK総合「クローズアップ現在」で「ペットボトル症候群」を扱っていた。
 これは、糖尿病にかかる可能性の高い人、もしくは軽い糖尿の人が、ペットボトル(等)による過剰な糖分摂取で症状を悪化させるというもの。糖分を含む飲料、つまりスポーツ飲料も対象となる。……最盛期には、一日3リットルは飲んでたかなあ。今は1リットルくらいか……。今日は1.5リットル飲んでしまった。この番組を見ながら1リットルを飲んでいて、途中で止めようかなあと思ったものの紙パックだったので、結局飲みきってしまった。明日から減らそう。
 水分はこれ以外更に2リットル程度飲んでいる。なんだか水漬けみたいだ。仕事中にコーヒー6杯、帰宅後は緑茶6〜8杯。これはこれでカフェイン中毒かなと心配になる。
 まあアルコール中毒でもニコチン中毒でもないから、これくらいはいいか。(ちょっと逃避)


2001/04/08

 クラシック第一弾、桜花賞はテイエムオーシャンが勝った。強かった。本田騎手の突き抜けたような表情が眩しかった。

 「ボクと魔王」をたらたらとやる。ダンジョンが辛い。根をつめるゲームじゃないと思うので、しんどいなーと思ったら中断して、ゆっくりとやっている。クリアまでまだまだ時間がかかりそう。

「あまり注目をあびていない間だけ、濃いファンぶりを発揮する人たちが、たまにいるのよ」(ロザリー)

 など面白い台詞をメモする。なんか力抜いて笑えるのが、いいなあ。


2001/04/07

 『ななつのこ』(加納朋子 著/創元推理文庫)読了。
 気に入った本を読んだら、作者にファンレターを出してみたくなったら、そして、作者からもし返事が届いたら、その返事に、自分が書いた「ちょっとした謎」の解決篇が書かれていたら……という話。『ななつのこ』を読んだ駒子が書き送ったファンレター+日常の謎に、作者の佐伯さんから手紙が来る。7つの話が、最後できれいにひとつに繋がる。
 「モヤイの鼠」この解決篇「絵が逆さまにかけられていた」、実際にある場所で起こった話を思い出した。地方版の囲み記事でちらりと読んだのだが確か「福岡市美術館で、加山又造氏の絵が逆さのまま2週間、しかも誰も気付かなかった」だったかな。
 「バス・ストップで」ちょっとひっかかったのが「アマリリスは球根植物なのだが?
 「白いたんぽぽ」北部九州出身者ならすぐに分かる謎、だったりする。というか、どこが謎なのか戸惑う、というところだろうか。珍しくも無いごくありふれた「」だから。


2001/04/06

 野茂選手のノーヒットノーラン達成が、朝のトップを飾っていた。めでたい。

 昼休み、ちょっとした用事で外に出たら、桜の花の匂いがした。染井吉野はほとんど香らないので、どこかに別種の桜が植わっているのだろう。桜餅をうすくしたようなやわらかく暖かい匂いで、春だなあと思う。

 『殺人現場は雲の上』(東野圭吾 著/光文社文庫)読了。
 スチュワーデスのエー子(早瀬英子)とビー子(藤真美子)は、何を比べても対照的な、いわゆるでこぼこコンビ。殺人事件から赤ん坊の忘れ物まで、そんなふたりが遭遇した7つの事件。
 軽口が楽しい。「お見合いシートのシンデレラ」のオチは、それは無いだろうと思った。想像したらちょっと気分が……でも笑えた。


2001/04/05

 『魔球』(東野圭吾 著/講談社文庫)読了。
 選抜大会第一試合は1対0、九回裏二死満塁。打者の狙いははずれ、彼は空振りをした。しかし球は捕手の後方にそれ、2人目の走者がホームを駆け抜けていく……。大会後まもなく、その捕手と愛犬が刺し殺される、という事件が起きた。彼の部屋にあったアルバム、大会出場記念の写真にはこんな一文が添えられていた―「魔球を見た」と。
 何かを待ってただ流される者と、自ら切り開いて行こうとする者とが起こす摩擦。前者のほうが圧倒的に多いなかで、後者はうとまれる。流される者は、自分がそうだと自覚させられるのが嫌いなのだ。その場その場で楽な道を選びながら、状況には目をつぶっている。後悔するような出来事が起きるまで、それは変わらない。

「別に何も変わりゃしないさ。ここの連中はただ待っているだけだ。待っていれば、いつかは点が入ってくれるだろうと思っている。相手投手が甘い球を投げてくれるのを待っている。エラーしてくれるのを待っている。誰かが打つのを待っている。あげくの果てに、自軍の投手が相手打線を完封してくれるのを待っている。そんな連中が何かを変えたりできるものか。変わるのは一つだけだ。もう勝てなくなる」
 田島は顔をしかめて身体を曲げながら、彼の言葉を聞いていた。聞きながら、この男は何かを待つなんてことはないのだろうなと思った。
 (『魔球』p.95)

 「ガンパレード・マーチ」関連記事を読むために、2誌購入。

 「CONTINUE」創刊号(太田出版)
 「ベスト GAME OF THE YEAR」の3位に「ガンパレード・マーチ」が選ばれている。「クソゲーハンターサバイバル座談会」でのこのゲームの語られ方は面白い。

阿部 ひとついえるのは、このゲームを褒めるヤツっていうのは「俺はこのゲームが分かる!」っていう部分がある。(p.34)

 自分「だけ」とか、自分「がいちばん」という印象はあるかなあ。根拠はないが。それほど愛している思いが伝わってくると、やってみようかな?という気にはなる。

多根 (略)これはオフレコになるかも知れないけど、痛いファンだろうが何だろうが、支えてくれるヤツがいればいい。別に、彼らがゲームの進化を分からなくていい。彼らが、その進化の火を消さないことによって、後のもっと分かるヤツらが得をするかもしれない。(p.35)

 で、「CONTINUE」ベストゲームの順位は、次の通り。(4位以下は省略)

  1. 「真・三国無双」(PS2/koei/ACT)
  2. 「ファンタシースターオンライン」(DC/SEGA/RPG)
  3. 「高起動幻想ガンバレード・マーチ」(PS/SCE/RPG)

 同誌掲載の「ゲームのコトバ アルファ・システム 芝村裕吏 遭遇録(その1)」(文 中川大地・仲村明子)……私は紙媒体でカッコ文字が多用されるのは好きじゃないんだが……多いな、これは。(ひきつり笑い)とか、意図的にイタいのを狙っているのかな。まあ、この記事目当てで買って読む人間はそのあたりは割り引いて考えるのだろう。中川大地氏って誰?と思ったので、ネットをうろついて拾ってきた。黒木のなんでも掲示板2ここここ

 「ナイスゲームズ」vol.6(キルタイムコミュニケーション)
 2000年下半期のベストワンとして「ガンパレード・マーチ」の特集を掲載(pp.83-93)。内容は、ゲーム紹介・ゲームの味わい方(段階1「世界を味わう・1」〜13「妄想を味わう」)・キャラクターの萌えポイント(各キャラクターのカット絵ははじめて見るもの)。
 「ゲームの味わい方」の段階12「世界を味わう・2」で、<世界の謎>について「そのわりには、第二次世界大戦の顛末とか政治状況とか、肝心な部分はごっそり抜け落ちていたりもしますけどね。」(p.89)とあって、これと似たような文を読んだ記憶が、とたどっていたら、記事を書いた大澤良貴氏のページで読んでいた(2000年11月から12月にかけて。記憶に残っていたのは2000年12月24日「本当の世界の謎を追え!」)。
 今でも司令はお好きでしょうか。


2001/04/04

 昨夜遅く、東海地方で地震があった。(最大震度5強)

 『十字屋敷のピエロ』(東野圭吾 著/講談社文庫)読了。
 その屋敷でピエロの人形が最初に見たものは、二階から飛び降りる女性の姿だった。竹宮水穂は、彼女の伯母の四十九日に出るために十字屋敷を訪れた。伯母は発作的に飛び降り自殺をしたのだという。四十九日の法要も済んだその夜、もうひとつの事件が起きた。ピエロの人形が見つめる前で……
 謎めいた造りの屋敷、限定される容疑者、入り組んだ人間関係、けれど謎を解く鍵が読者の目から隠されているわけではない。
 たまには登場人物の話でも。本編では既に故人である伯母、頼子が夫を選んだ時の言葉が素晴らしい。
 「あの男性なら妙な野心を抱くことも無い」
 そしてこのエピソードを目を輝かせて語った青江もまた面白い人物である。彼のあつかいかたは少々勿体無いなと思った。まあ、あれがもっとも相応しい方法だとは思うが。人間味の薄い切れる人物という要素は、本格推理小説には必要なのだろうか?ついつい「さっさと謎を解いてくれ」と、おまかせ状態になってぼんやり読みすすめてしまうので、読者的にはあまりよろしくないような気もする。私がぐうたらなだけかもしれないけど。

 さくら+住友=三井住友銀行―SMBC。……えすえむ、か……。


2001/04/03

 朝の所持金440円。バス代で半分消えて、残りはコーヒー2杯飲んで、近所のATMに引き出しに行ったら、入り口に鍵がかかっていた。(30分後に無事おろせた)

 『美しき凶器』(東野圭吾 著/光文社文庫)読了。
 かつて一流選手であった4人は、現役時代の秘密を守るためにある男の家に侵入する。保管されているはずの資料をあさっていると、そこに男が現れる。秘密を記した資料について言い争っているうちに、4人のひとりが過って彼を殺してしまう。彼らは家に火をつけて、殺人と秘密資料をふたつとも消し去った、つもりだった。しかし家の中には殺人の様子を見ている人間がもうひとりいたのである。彼女は4人に対し、復讐を開始する。
 こういう話の場合「全員死ぬのかひとりでも生き残るのか、犯人(判明している)はどうなるのか」が興味の中心なのだが、話の終わりに、めでたしめでたしでは終わらない気持ちの悪さがある。ところでこの復讐犯「女性にはほとんど暴力を振るっていない。(少なくとも怪我はさせていない)最後の数ページからある程度の理由は思いつける。結果的に彼女は女を殺していないのだが、もし殺す順序が変わっていたら……とこの部分の扱いは巧みだと思う。


2001/04/02

 『天使の耳』(東野圭吾 著/講談社文庫)読了。交通事故を題材としたミステリ。

 「捨てないで」は、題名・証拠の扱い方・決着の付き方がそれぞれ二重の意味になっているのが面白い。


2001/04/01

 『いちばん初めにあった海』(加納朋子 著/角川文庫)読了。
 部屋の片づけをしていて、その本を見つけた。『いちばん初めにあった海』―読んだ覚えの無い題名、その間にはさまった封をされたままの封筒。私は封筒を開けた。それは、高校生だった私にあてた<YUKI>からの手紙だった。YUKIがこの本を私に贈ってくれたらしい。けれど私はYUKIが誰なのか思い出せない。(「いちばん初めにあった海」)
 僕はアルバイトで知り合ったある人のお見舞いに行った。すると彼は古い包みを僕に渡してくれた。中には一冊のノートが入っていた。僕は今から、このノートに書かれた手記について話をしようと思う。書き手は保母さん、で、保育園の正午から話は始まるんだ……(「化石の樹」)
 「母」への暖かい視線が、この物語の救いだろう。「父」がやすやすと救われ「母」は厳しく罰せられる、という話にはうんざりしていたので、この展開はいいなと思う。

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