ZOIDS2新発売!?
今回98秋のゲームショーでは、会場の一カ所に各社の物販コーナーが集められていた。
トミーの物販ブースではオフィシャルの告知通り数種類のゾイドが販売された。しかしそれ以上に視察団の目を引いたモノはゾイドのディオラマがここに展開されていたことであった。
前回春のゲームショーと同じ半地下式の基地のディオラマベースに、ディバイソン、ガンブラスター、キングバロン、スネークス
、カノントータス
、ショットイーグル、デッドボーダー
(なぜかバッテリー部分が開いていた)、キングゴジュラス、そして、今回販売されるゾイド2版のモルガ
とアイアンコング
が並んでいた。前回のような暗いスペースの中ではなく、明るい中でのディオラマ展開は、リアルさの面ではかけるが、ゾイド本体のディティールを知るにはちょうど良かった。
(木陰に隠れながら、頭だけを持ち上げようとしているスネークス。ディスプレーの方法も心憎い。)また、前回のゲームショーのような部品の欠損した痛々しいゾイドの展示はなく、その意味では、十分来場者を歓迎しえたゾイド達であったといえる。
(このアングル、アイアンコングが部隊を引き連れて出撃してきたようにも見えなくないので気に入っています。)
物販ブースで販売されたゾイドとその販売価格を以下に並べる。
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5000円 |
6000円 |
3800円 |
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Ultrazaurus(ウルトラザウルス) |
8500円 |
10000円 |
5980円 |
Slither(モルガ) |
1000円 |
1000円 |
580円 |
HellRunner(マーダ) |
1000円 |
1000円 |
580円 |
1000円 |
1000円 |
580円 |
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Aquazoids(アクアドン) |
1000円 |
1000円 |
580円 |
Demonlizard(ヘル・ディガンナー) |
1500円 |
1500円 |
1000円 |
デスザウラー |
8000円 |
8000円 |
4800円 |
マッドサンダー |
9000円 |
9000円 |
5980円 |
合計 |
36000円 |
38500円 |
23880円 |
オフィシャルの話では、デスザウラーは日本国内で発見され、今回のゲームショーのために買い戻されたモノのようである。マッドサンダーは、韓国の業者から買い戻されてきたモノであろうか、いずれにしろ、ゾイド現行当時トミーから出荷したモノをトミーが買い戻したために、当時の価格にかかった手数料と送料の上乗せが、上記のような価格になっているといえる。
ZOIDS2は、もともとイギリスをはじめとする、ヨーロッパで発売されていたゾイドである。ちなみに「2」とあるように、ヨーロッパでヨーロッパ独自のゾイドが発売されるのは2度目である。(1回目のゾイド発売は、「ZOIDS」の名称で行われたことは確認できているが、いつ頃どのような形で行われたのか確認できていない。98/10現在)いずれにしろ、全世界でもっとも最近まで発売されていたゾイドである。これらはいずれも、タイと中国で生産されていた。海外版という事でもあり、なおかつこちらも探して日本に空輸することから、日本版と比較した場合、割高な価格設定となっている。
販売価格の発表はオフィシャルページで10/7に行われた。しかし、ゾイド2版のウルトラザウルスとアイアンコングには価格改定が加えられ、結果的に上記の価格になっている。当初の発表価格は、ウルトラザウルス10000円、アイアンコング6000円であった。各方面から、高すぎるのでは? という反応があったため、価格変更に至ったとのことである。
今回のゾイド限定販売においても、前回のゲームショー同様「STマーク」の問題が絡んだ事は、オフィシャルでもそれとなく触れられている。今回の場合は、各商品一つ一つに「STマーク」を満たす注意書きを貼るのではなく、商品販売時に外装袋と同梱することで対応されていた。何てことのない、一枚の紙切れかも知れないが、ファンとしては、今後手に入る可能性の少ない特異アイテムかも知れない。
物販ブースにおいてゾイドに出迎えられた来場者の中から、やはり「なつかしい」という声が聞こえてきた。来場者の大部分が、新作ゲーム目的である中で、ゾイドを見て懐かしむ事ができると言うことは、かつてのゾイドユーザーが時代の流れとともに、ゲームユーザーに変わっていってしまったことの証であろうか。しかし、ゾイドの認知度の高さは否定できないと確固たる確信を得ることができた。
反面、こんな出来事もあった。ある来場者の「なつかしい」の後に「こんなゴジラ知らない」(「こんなゾイド知らない」の入力ミスではありません)という声とともにその指さされる先に、キングゴジュラスがあったのは、唖然とする事実である。いくらゾイドは知られていても、後期ゾイドの認知度の低さを実感せざるを得ない瞬間であった。
新たな発見もあった。ディオラマ上のキングバロンを指して、熱心に父親の手を引いている少年を見かけた。小学生でも1・2年生であろうか、それとももっと低い年齢か。いずれにしろ、その少年の目を引いたのがキングバロンであったという事実である。キングバロンの手前にはゾイド2版のアイアンコングがあり、隣にはディバイソン
が置いてあった。しかし、彼の指はキングバロンを指しているのである。キングバロンは、従来からのゾイドファンにはメッキ部品を使用した派手すぎるカラーとギミックの少なさから、敬遠されがちな後期ゾイドである。だが、おそらくその派手さが彼の目を引いたのであろう。この一連の出来事から言えることは、新世紀以降の後期ゾイドの派手さを含めたデザイン的な変遷は、もともとのゾイドユーザーよりも低年齢な新しいユーザーをつかむためのモノであったかも知れないのである。つまり、今までのユーザーは学年も上がりゾイドを卒業というよりも玩具を卒業してしまうので、新しい時代のゾイドユーザー獲得のために、時代のキャラクター化の波にあわせた、ミリタリー色の濃い量産機としてのゾイドのイメージからカスタム機のイメージを醸し出すモノを作ろうとした結果であり、同時に子供の視点にたった場合の、光る明るい色のモノの方が彼らの心を引きつけるという事実を含めたモノであったかも知れないのである。
当惑星の入植者はゾイドにおけるパワーユーザーである。そのパワーユーザーの中では、新世紀ゾイドに肯定的な意見を持っているモノは少数派に分類される。上記の出来事はたった一つの例にすぎない。しかし、メーカーとしては貴重な意見には代わりない。いくらパワーユーザーと言えども、新世紀以降のゾイドのデザインが変更されたことに対してデザイナーが変わった改悪であると決めつけたり、自分が好きでないからと言う理由で一切を否定するだけではなく、なぜ変更に至ったのか、そしてその変更方法はなぜ派手な色の方に向いていったのか、もう少し広い視点に立った見解を述べる必要があると思われる。