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(クラナド) 
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(カルロス・ヌニェス) 
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クラナド (Clannad)

今回はやはりアイルランド出身のグループ、クラナドをご紹介します。柔らかく伸びのある歌声が美しいリード・シンガーのモイア・ブレナン(Maire Brennan)を中心としたこのグループは彼女の兄弟と叔父二人で構成されていて、本国でも欧州でもすでに確固とした名声を築いています。発足当時のメンバーであったポール(Pol Brennan)が90年に脱退して、現在メンバーは4人です。グループ名はアイルランドの言語ゲール語で「家族」の意味。アイルランドではこのようにきょうだいや親族が一緒に音楽活動をするという例がよくありますが、それだけ音楽が子供の頃から日常生活に浸透しているのでしょう。彼らもモイアたちの父親が経営するパブで演奏活動を始め、本国のフォーク・フェスティバルなどで演奏していましたが、1973年に正式にグループとしてデビューして以来伝統的アイルランド音楽を基盤にしながらもそれを巧みにポップスと融合させた幅の広い音作りで、初期のフォーク音楽時代のファンをも失うことなく多くの支持を集め続けています。曲によって英語・ゲール語の歌詞を使い分け、モイアの声を生かした哀愁を帯びた美しい旋律が特徴的です。ちなみに80年代に「オリノコ・フロウ(Orinoco Flow)」の世界的ヒットで日本でも知られるようになったエンヤ(Enya)はモイアの妹でクラナドにも一時在籍していたことがあり、7作目の"Fuaim"では彼女の歌声も聴くことができます。

エンヤやザ・チーフタンズと同様彼らもまた積極的に映画やテレビシリーズなどの音楽を手掛けていて、英国で製作されたロビン・フッドを描いた番組"Robin of Sherwood"のサウンドトラックや日本でも公開された「ザ・ラスト・オブ・モヒカン」などにも曲を提供しています。「パトリオット・ゲーム」の冒頭の部分、アイルランド人男性が薄暗い自宅の居間で観ているテレビで流れていたのは、クラナドの曲(だったと思いますが...もし「違うぞ」と思われたかたはお知らせください)。
内外のミュージシャンとの共演も多く、モイアの高校時代の同級生でもあるU2のボノ(Bono)や米国のブルース・ホーンズビー(Bruce Hornsby)、ジャーニー(Journey)のリードシンガー、スティーヴ・ペリー(Steve Perry)などもゲストに招いています。モイアはグループと平行してソロ活動もしていて、現在までに3枚のソロ・アルバムを発表しています。日本には1996年にグループで初来日しています。


☆ お勧めアルバム ☆

パーストプレゼント Pastpresent (1989) 1982ー87年に発売されたアルバムからの抜粋に新曲2曲を加えたベスト盤。ボノとの共演曲"In a Lifetime"収録。現在聴いてもまったく古さを感じません。クラナドってどういう音楽?と思われているかたの最初の一枚にどうぞ。

ランドマークス Landmarks (1998) 昨年発売された最新作。英語の歌詞・インストゥルメンタル曲ももちろん秀逸ですが個人的にはゲール語の曲が大好きです。訪れたことのない土地の風景が目の前に拡がるような作品。


23/11/'99


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