一回目はアイルランド出身のザ・チーフタンズをご紹介します。結成以来35年は経っているという、メンバ−全員見事なおじさん(すでにおじいさんかも)のグループです。チーフタンというのは族長、首領などという意味。基本的には伝統的なアイリッシュ音楽をやっていますが、さまざまな分野のミュージシャンたちと交流することに非常に意欲的で、アメリカやカナダのケルト(ゲルマン人やノルマン人が入ってくる以前、現在の英国全域にもともと住んでいた民族。アイルランド・スコットランド・ウェ−ルズをはじめヨーロッパ各地にその子孫が広く散らばっている)系の人たちとの共演をはじめ実に幅広い活動を展開しています。ジプシー・キングスやスティングなど日本でも知名度の高い人々とも共演し、国内外の女性歌手たちをゲストに迎えた最新作「ティアーズ・オブ・ストーン(Tears of Stone)」では矢野顕子も一曲参加しています。日本ではまだあまり知られていませんが、本国アイルランドや欧米ではすでに確固とした地位を築いているたいへんなベテラングループで、映画音楽などもよく手掛けています。グラミー賞もこれまでに6回ほど受賞しています。日本にもわりあい頻繁に来日していて、この5月に2年ぶりの公演が実現しました。