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アカゲラ |
山や林にいる一番普通のきつつきです。もっとも九州や四国にはあまりいないそうですが…。 きつつきの仲間は、丈夫なくちばしで木に穴を掘り(よく脳震盪をおこさないものです)、とても長い舌を差し込んで虫を食べます。 私は、森のなかできつつきのドラミング(木叩き音)を聞くと、なぜかほっとして、にんまりしてしまいます。 |
アオゲラ |
西日本では、こちらの方が普通のきつつきなのでしょうか? 個人的な印象ですが、なんとなく南方系の雰囲気があります。 きつつきの基本ポーズは木の幹に縦にとまる姿ですが、アオゲラは、枝やつるに横向きにとまったりします。 日本特産種だそうです。 |
コゲラ |
スズメくらいの小さなきつつきで、鼻にかかった声でギィーッときしむように鳴きます。 最近、都心部へ生息範囲を広げていて、都会の公園などでもかなり見られます。でもこれが、都会に緑が増えたせいなのか、野山の緑が減ったせいなのかは、 まだよくわかっていません。 |
クマゲラ |
カラス大の大きなきつつき。北海道と東北にすんでいます。 北海道と本州の間にはブラキストン線という生物分布上の隔壁があって…、というのを高校の生物の時間に習いました。クマゲラもその一例と思っていましたが、20年位前に秋田県森吉山での生息が確認されました。どうも昔からいたようです。 鳥は翼があるので、学問上の隔壁など関知せずにひとっ飛びで越えてしまうということでしょう。 |
ここまではサイト開設時の2000年につくったGIFアニメ。
一番初期のものなので、不満(尾羽とか)もありますが、
懐かしいのでそのまま残してあります。
日本には11種類のきつつきがすんでいます。以下にその全種を紹介します。
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♀ ♂ |
アオゲラ Japanese Green Woodpecker 体長29cm 本州以南にすむ日本特産種。アカゲラよりは大きくスマートな感じ。細い枝に横にとまることもあります。メスは頭頂部の赤い部分が小さい。 |
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♀ ♂ |
ヤマゲラ Gray-headed Woodpecker 体長30cm ユーラシアに広く分布し、日本では北海道にすんでいます。アオゲラと違ってお腹に模様がありません。メスは頭部に赤い部分がありません。 |
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♀ ♂ |
クマゲラ Black Woodpecker 体長46cm 日本では北海道と北東北にすんでいます。カラスほどの大きなきつつきです。メスは、頭頂部の赤い部分が小さく丸みがあります。 |
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♀ ♂ |
キタタキ White-bellied Black Woodpecker 体長46cm 朝鮮半島や東南アジアにすみ、日本では対馬にすんでいましたが、残念ながら1920年以来記録がなく、対馬では絶滅してしまったようです。メスは、頭部がすべて黒色です。 |
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アリスイ Wryneck 体長18cm 他のきつつきと違って、枝に横にとまるのが普通です。アリスイは「蟻吸い」で、蟻を食べます。♂・♀同じ。 | |
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♀ ♂ |
オオアカゲラ White-backed Woodpecker 体長28cm 朝鮮半島から沿海州、シベリアなど比較的北方にすんでいるきつつき。日本では北海道から奄美大島まで分布していますが、アカゲラより数は少ない。メスは頭頂部が黒い。 |
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♀ ♂ |
アカゲラ Great Spotted Woodpecker 体長24cm 日本全土にいて、数も多く、一番一般的なきつつきです。オオアカゲラと比べて東南アジアまで比較的南方にも分布しています。オスの頭の赤い部分は後頭部の一部だけ。 |
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♀ ♂ |
ノグチゲラ Pryer's Woodpecker 体長31cm 沖縄本島北部の山原(やんばる)の森にだけすむきつつき。全身茶色で、頭部や腹、背は赤みを帯びています。オスは頭頂部の赤みがつよい。 |
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コゲラ Japanese Pygmy Woodpecker 体長15cm 日本全土と朝鮮半島、沿海州の一部にいる雀ほどの小さなきつつき。冬はカラ類と混群になっています。オスは目の後ろに小さな赤斑があるのですが、ほとんど見えません。 |
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コアカゲラ Lesser Spotted Woodpecker 体長16cm 日本では北海道だけにいます。本州以南では、コゲラを別のきつつきと見間違うことはありませんが、北海道では、このコアカゲラと区別しなければなりません。 |
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♀ ♂ |
ミユビゲラ Three-toed Woodpecker 体長22cm 日本では北海道の中央山地のみにごくわずかな数がすんでいます。きつつきの足指は普通4本で前後2本づつになっているのですが、ミユビゲラは名の通り3本で前2本後1本です。オスは頭頂部が黄色い。 |
きつつきの 頭の構造 ![]() 1.舌 2.舌骨 3.つけ根 ![]() 1.二本に分か れて頸骨を 挟む 2.右の鼻腔を くぐる |
きつつきは木の中にいる虫を食べるため、細い隙間にも差し込めるとても長い舌をもっています。この舌はちょっと驚くべき構造になっています。 舌と舌骨がぐるりと頭蓋骨を1周しているのです。 舌は、喉の奥で舌骨という軟骨状の骨につながり、この舌骨は、首のところで2本に分かれて頸骨をはさんで後頭部にまわり、再び1本になって頭頂部をまわって鼻骨の穴を通って喉に戻り、そこがつけ根となっています。この長い舌骨が伸びたり縮んだりして長い舌を出し入れするわけです。 舌の先はブラシ状で粘着質の唾液がからんで、虫を吸いとれるようになっています。 しかも、この舌骨が頭蓋骨を取り巻いているために、高速で木を突くときの緩衝材となり、衝撃を分散させて脳震盪を防ぐという重要な役割も果たしています。 一石二鳥で、なんとも絶妙な仕組みです。 舌が鼻骨の穴から出て頭を1周して戻るというあまりに奇想天外な構造のため、これが自然淘汰で徐々に進化したとは説明できないとして、神が創造した「証拠」としてアメリカでは議論がまきおこったほどです(そんなこといったら生物の体は不思議だらけで、もちろん進化で説明できますが)。 (参考) Rusty Ryan, Anatomy and Evolution of the Woodpecker's Tongue 石田健, 石田健のページ Home>コゲラの研究>コゲラはキツツキ、キツツキ亜科(Picinae)の特徴 |