QアンドA47
シンハラ語入門を教えて


 シンハラ語は始めての付き合いです。
このホームページのどこにも「シンハラ語入門」がありません。始めての私でも分かるように、シンハラ語のいろはを教えてください。


No-47 2005-09-16 2015-Luly-06


   そういえば「かしゃぐら通信」のどこにもシンハラ語入門のページがありません。ごめんなさい。言い訳をしても始まりませんが、『熱帯語の記憶、スリランカ』の読者の方からのお問合せに答えることからこのホームページを始めたので、ちょっと変則スタートだったのです。始めてシンハラ語に接する方には取っ付きが悪かったと思います。
 
 さて、始めてのシンハラ語、話すシンハラ語、口語シンハラ入門です。
 シンハラ語は難しくありません。
 「かしゃぐら通信」のモットーは「日本語感覚で話すシンハラ語」。だから、日本語を話す人なら誰でも誰でもシンハラ語を話せてしまいます。簡単にシンハラ語を話すコツをこれからお話します。
 この下のメモがそのまま「かしゃぐら通信版・シンハラ語入門」になります。気軽に読み進んでください。

「かしゃぐら通信」のシンハラ語入門(口語シンハラ)
①シンハラ語に文法の堅苦しい決まりはありません。
②シンハラ語の単語は少しだけ覚えてください。覚えるシンハラ語の単語の中で助詞(ニパータ)だけはちゃんと覚えてください。
③シンハラ語を話してください。間違っていいから、とにかく話してください。

-------------------------
①~④を少し解説します。

①シンハラ語に文法の堅苦しい決まりはありません。

 英語では主語S+述語V+目的語O、日本語は主語S+目的語O+述語V、などと文法をやかましく規定しますが、シンハラ語ではそんなことを意識することはありません。単語はどう並べたってシンハラ語として通じます。特にシンハラ語の話し言葉ではその融通無碍の幅が大きいから、文法らしいことは覚える必要がないほどです。覚えておくことと言えば、日本語のように単語が並ぶ、という事ぐらい。

②シンハラ語の単語は少しだけ覚えてください。覚えるシンハラ語の単語の中で助詞(ニパータ)だけはちゃんと覚えてください。

 どんな状況でシンハラ語を話すか、それによって覚える単語の種類も数も異なります。人称や生活に使う基礎動詞は反復使用しますから、いやが上でも覚えてしまうもの。覚えられない単語、使用頻度が少ない単語は無理することありません。分からなければ「あれ、あれ」といって相手に助けを借りれば良い。「あなたの、何だ、んん、それと同じようなやつネ、名前なんて言ったっけ?思い出せないけど…」というようなことをひとり言すれば、必ず相手は助け舟を出してくれます。

何だ、 んん、 それ 同じようなやつ、  あれ、名前 なんて言ったっけ?思い出せない…
モカッダ、 ンン、 エーカ  エカマ・ワゲー・デヤク、 アラカ ナマ モカダ キーウェ?  マタク カランナ・バェー

 ここには「それ=エーカ」、「同じような=エカマ・ワゲー」、「あれ=アラ」、「名前=ナマ」、「言った=キーウェ」、「思い出す=マタク・カラナワ」などの単語があります。これらを結んでいるのが下線の単語、日本語の助詞とシンハラ語のニパータです。例文をご覧になれば分かるのですが、日本語もシンハラ語も助詞(ニパータ)で単語をつなげています。「ね」なんて念押しの接辞も同じ。’てにをは’を使えれば日本語が話せるようにシンハラ流テニヲハを使いこなせばシンハラ語が話せてしまいます。
 日本語例文の後半では助詞を使っていませんが、シンハラ語でもニパータはありませんね。日本語とシンハラ語では同じように助詞(ニパータ)を使うからです。のっけから長い例文だなぁ、などとため息をつかないでください。文の最初から最後まで順に単語が対応しますから、どんなに文が長くなっても大丈夫です。日本語のままですから。

③シンハラ語を話してください。間違っていいから、とにかく話してください。

 この「とにかく話す」ということがなかなか出来ないのです、特に日本人はこれが弱点です。語学習得の一番の壁は、話さないことです。
 シンハラ語を日本語の音の範囲で話し手も、ある程度は相手に通じます。カタカナ英語が英語ネィティーブになかなか通じないのとは違います。シンハラ語はカタカナで結構通じるものです。だから、まず、話してください。間違いを臆せず、話してください。
 シンハラ語の音の基本も「アイウエオ」です。ただ、「アイウエオ」の音の数が日本語よりちょっと多い。シンハラ語の「アイウエオ」は日本語の「あいうえお」より母音も子音も多くて、ここだけの話ですがシンハラ人でさえすべての音を正しく発音できないようです。子供の時に普段から学校で「アイウエオ」を練習させられるのですが、正確な発音をする人は少ない。「熱帯語の記憶」で触れましたが、シンハラ語の「ア」の音は五つあります。タやダの音はそれぞれ四つ。R音の極端な巻き舌、これが一番のネックかなぁ。

 以上のことを頭にしっかり入れておいてください。その上でシンハラ語の学習本など、適当にお読みください。どんな学習本でも良いのですが、「かしゃぐら通信」としましては当社の「かしゃぐら通信」の「シンハラ語の話し方・増補改訂」をお勧めします。
 このホームページで2004年から05年の始めにかけて半年ほど連載していた話し方講座を本にまとめたものが「話し方」の初版2005年版で、これを改訂し増補したのが2011年発行の「シンハラ語の話し方・増補改訂」です。シンハラ会話文がカタカナ、シンハラ文字、ついでに発音記号でも表記されています。シンハラ語の会話テキストとして秀逸の学習本です。