QアンドA40
シンハラ語のホームページが二万七千以上もあって、どれを読めば良いのか迷います。


 グーグルでシンハラ語を調べようとしたら27300ものホームページが紹介されています。どれを読めばシンハラ語が分かりますか。


No-40 **


 グーグル日本語版の検索窓に「シンハラ語」と入れてサーチすると26400のサイトが表示されます(7月4日現在)。なんと、2万の半ばを越えるようになりました。信じられない勢いで増殖している、そんな感じです。
 こんなに多くの「シンハラ語」を扱ったサイトがあるのですから、吟味してサイトを選別しましょう。
 キーワードを「シンハラ語」だけではなく、あなたの知りたい項目をキーワードに変えて検索するのが賢い探し方です。
 シンハラ語新聞を読みたいのなら「シンハラ語新聞」で、シンハラ語新聞を読むフォントのことを知りたいなら「シンハラ語 フォント」で。「シンハラ語」を現地で学ぶ方法なら「シンハラ語 現地 学ぶ」などと入れて条件を狭めて行けばいいのです。
ホームページが絞られて表示されますから、ここからはあなたの目利きで、最適な、また、良心的なホームページを探し出すようにすればいいのです。

 それにしても一体どうしてこんなにシンハラ語がウェブに氾濫したのでしょうか。
 「シンハラ語」に関してその内容を分けると、まず、「かしゃぐら通信」のような純然たるシンハラ語ポータル・サイトがあげられます。例えばこの「かしゃぐら通信」の「シンハラ語の世界」に共鳴するような内容をサイトの中に持っているのがフロム・ランカーで、シンハラ語の軽易で含蓄に富んだフレーズをこまやかに紹介しています。クヌハラパ(卑語)も扱うとあるのですが、このサイトはいたって健康にみえます。スリランカの総合サイトという性格も併せ持っているようですが、情報量はそれほど多くありません。津波復興支援ではスリランカ南部の地区に絞って救援を行っている状況を報告しています。ただ、タイガーマスク、タイの毛はえ薬などが宣伝されていたり、画面下にはサイトとはまったく関係のない小額金融の宣伝とリンクがあります。

 シンハラ語サイト検索で件数が多く表示されるジャンルはシンハラ語現地宿泊研修です。シンハラ語現地学習というキャッチフレーズは定番となった感があります。ネゴンボで日本人相手の英語宿泊研修がビジネスとして軌道に乗ったという噂がスリランカ人の間に広まり、日本へ来るシンハラ人もこの語学ビジネスに非常な興味を抱いています。南の島で安くクイーンズイングリッシュが学べるのが売りでした。これにこのところのシンハラ語熱でシンハラ語のお勉強というパターンが加わったようです。シンハラ語のグーグル検索結果にはこうした日本人向けの商業サイトがねじろ押しです。

 昨年暮に起きた未曾有の災害以降、災害復興支援に駆けつけたボランティアの方々のスリランカ発のサイトも殖えました。これはブログや掲示板利用の簡易な情報交換のたぐいなのですが、三輪車がメーター制になったとか、どこの道が通れないとか、携帯の料金はどう発生するかとか、ボランティアがどのように自らの暮らしを確立して復興に取り組んでいるかがウェブサイトから覗けます。
 ボランティア作業の報告には時に「われわれは日本の血税を使って津波被害救援をしているのに、シンハラ人の横柄な態度はけしからん」というようなヒステリックな書きこみが見られますが、現地スリランカの人たちとの行動パターンの違いに躊躇している姿がそこに現れているようです。血税で救援をしているのなら、その血税でそうしたボランティアの方々の苛立ちを解消するようなメンタルケアの機関がシステムとして作れないものか、気になりました。
 ボランティアとは違いフリーな立場にないJAICA、企業派遣の方々はウェブで声を発することはないようですが、熊谷組のように津波被害復興に大きく貢献した企業とウェブの書き込みで評される日本企業の実情などは、もっと報告されていいのではないでしょうか。

 以前は民間非営利組織による貧困地帯の救援という性格を帯びていたスリランカでのボランティア活動ですが、非常時の復興活動で救援規模が大きくなり、旧来のスリランカ事情通の日本人ばかりでなく、スリランカ初体験という若い方々がスリランカから情報を発するようになりました。しかし、日本人はどう言うわけか、南部マータラ辺りに拠点を構える方ばかりが多いのでしょうか、それとも情報の発信地が限定されるからでしょうか、ここからの情報発信が目立ちます。
 今回の津波に関しその被害がスリランカ北部東部に多いことをJAICAの方が指摘しているが、本当のところどうなのか、と問いかけているマータラ発のサイトもあり、ネット社会はすべての人々がすべての情報を共有できるという振れこみとは逆の現象がスリランカ現地で発生していることも知りました。これからはスリランカでの情報収集が困難を極める懸念があります。ともすれば一方に偏る情報操作の中で、懸命に事実を探ろうという日本人のサイト管理者がいることを知り、若い人たちの情報収集能力に期待しています。

 そうした中で、国際医療ボランティアの機関が昨年2月にトリンコマリーへ医療スタッフを派遣し、そのスタッフである日本人看護師が報告を行っています。昨年の津波発生以前の報告ですが、ここには貴重な事例が載っています。
 トリンコはタミル地区とばかり思い込んでいたのですが、この地域にシンハラ人の村があることを、このホームページからあらためて知らされたのです。
 かつて黒い7月と呼ばれる事件が起きた時、スリランカ政府が北部タミル地区とシンハラ地区の境にスリランカ人を入植させたことがあって、そのとき、入植地はすぐにタミル側の攻撃に遭い入植者は死傷しました。多分に政治的意味合いの深いこの事件はジャフナでのシンハラ政府軍兵士銃撃、ペッタでのシンハラ暴動、それにともなうアヌラーダプラ駅襲撃、民間バスの度重なる爆破などを体験した二つの民族が憎しみと恐怖を双方に持ち合う事件が頻発したころに起こされました。

 シンハラ語検索で目に付くことが他にも一つあります。それは日本でのJVPの活動です。日本政府がJVP代表を帝国ホテルで歓迎したぐらいですから日本の市民のウェブサイトにJVPが登場しても何ら不思議はありません。LTTEがその資金源を英国やカナダにおいているという噂が流れるように、JVPの資金源は日本だという噂も流れています。こうしたサイトもシンハラ語検索で表示されています。

 こうしてシンハラ語検索結果のサイトを覗いてみると、シンハラ語をキーワードにして検索したにもかかわらず、シンハラ語を言語して扱うサイトはほとんどない状態です。
 英文でシンハラ語を検索すると言語として取り扱うサイトが多く表示されます。日本語のサイトにシンハラ語を言語として扱うサイトの増えてくれることを願っています。