オーロラ探訪フィンランド紀行1234567



なにか?
 
オーロラ探訪フィンランド紀行:5
◇ 雪原疾走編 ◇

サンタクロースが名産?のロヴァニエミから車で3時間。ようやくオーロラの出現率が高いサーリセルカに到着しました。夜のオーロラ探しのためにまずはホテルのレストランで腹ごなし。英語のメニューと格闘しつつ吟味します。

寒いからスープなんていいんじゃない?と話しながらも、とりあえずビールで乾杯。まあいいではないか。



サーモンとジャガイモのクリームスープ。

さすがにサーモンは美味しく、サーモンクリームスープはどこのレストランでもハズレはなかったです。大抵ジャガイモと一緒に入っていて、サラリとした口当たりで飽きのこない美味しさでした。


こちらはキノコのクリームスープ。

このキノコスープはかなりわたし好みの味。今思い出しても喉が鳴るよ。香りの強いキノコの風味と塩味が絶妙であっという間になくなりました。

妹(酒)「付け合わせのこのチーズも美味しいーー」

三人「いや、これマーガリンだよ…」

妹(酒)「なんでもいいけど、おいしー」



前菜。タマネギとなにか肉を和えたのだったか。

次々と運ばれてくる料理に舌鼓をうちながら夢中で食べていくワイルド四人。食事にはそんなに期待していなかったのだけど、日本人にも食べやすい味でドンドン進みます。あまりに夢中になりすぎて、このあとの料理の写真がなかったよ。(確かピザや肉料理を頼んだような…)

さて、お腹もいっぱいになったところで、防寒具を着込みホテルの外へ。さあオーロラ探すぞうー!

「……」

「…寒いね」

「うん…」

「東京での真冬の格好の上にスキーウェア着てるのにね」

「顔が割れそうに痛い」

「オーロラ見えない…」

「あのさ…あと三泊するじゃない?今日のところは体力温存って事でどうかな」

残り三人「賛成(即答)」

いやね、昨日飛行機で9時間半、そのまま夜行列車、そして車に3時間で移動移動で疲れてたんですよ。まだ初日ですしこの判断は賢明だった!絶対に!

という訳でベッドに倒れ込むと一瞬で眠りの世界に旅立ったのでした。

翌朝7時頃に目覚めると、窓の外はまだ真っ暗。サーリセルカの日の出はこの時期9時半頃らしく、朝という感じがまるでしません。朝食を済ませ薄暗い中を本日の目的の場所へ向かいます。集合場所で迎えてくれた彼らとは…




「今日も働くぜ!」「アンタはりきりすぎ」


「ボクらはのんびり行こなー」「そやなー」

「犬ぞり」ですよ!犬ぞり!オーロラが目的の旅だけど、日中のメインイベントはコレ。ガイドさんの説明を聞いて早速二人乗りのそりへ。一人は座り、もう一人はその背後に立ってブレーキ操作をする仕組みになっています。ハスキー犬は一台につき7匹。そりに乗り込むとはやくも走り出す気まんまんです。



いよいよ出発。ドキドキ。

先頭のガイドさんのそりに続き、一列になって走り出しました。おお!なんだか思っていたよりも…








いーー!!

身を切るような冷たい風を感じながら、予想以上のスピードで進む犬ぞり。このスリルを倍増させているのはグレーキングを妹(酒)に任せているからか?

途中でブレーキ係りを交代し、森の中や広々とした雪原などクルクルと変わるラップランドの景色を楽しみながら、犬ぞりタイムを満喫したのでした。本当に楽しかった!!


走っている間に昇ってきた太陽

さてさて、時間は過ぎて夕飯後。今晩は「オーロラ観測小屋」に行ってみることにしました。事前の説明には『小屋の中に薪ストーブがあるので、それで暖を取りながらオーロラ探しができる』とありました。念のため、服装は重装備、みんな体が1.5倍くらいになった上に帽子、手袋、マスクともう誰が誰やらわからない状態です。

ところが、小屋に到着して愕然。本当にただの小さな小さな小屋で(四畳くらいか?)真ん中にこれまた小さな薪ストーブがひとつ。電気もなく、あるのは小さなキャンドルとマッチと新聞紙。薪は外の雪に埋もれています。

「これは…かなりワイルドだよ…」

「懐中電灯持ってくれば良かったね…」

とりあえず火をつけてみようと奮闘するも、手元が暗く作業がままなりません。その間にも足下から冷気がジワジワと上がってきて、じっとしてるのが辛い辛い。作業できるのも二人が限度なので、交代で他の二人は外に出てオーロラを探し、寒さが限界に達すると小屋の中(外よりは多少マシ)に戻って休むという事の繰り返しです。

そうこうしているうちに、小屋のベンチに腰掛けて休んでいたKさん、Iさんがコックリコックリと舟を漕ぎ始めました。寒さと疲労で意識が遠のいていってる!

「(まずい…このままじゃ…死…!!)」

そんな言葉が頭をよぎり、さすがに慌てるわたしと妹(酒)。

わたし「お、起きて!二人とも!死んじゃうから!」

妹(酒)「こんなとこで眠っちゃダメーー!」

Iさん「…え?ここってどこだっけ…?」

Kさん「 夢見てたー…。暖かかったよ…」

さすがにここで四人で凍死したらワイルドすぎてシャレにならないので、今晩のところはこれで引き上げることにしました。

Kさん「夢のなかでオーロラ出てたー…」

夢は部屋に帰ってからにして下さい。

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◇ オーロラ探訪フィンランド紀行 ◇

1: 類友集合 編 旅行メンバー集結。四人の共通事項とは…?
2: 現地調達 編 なにはともあれ、必要なものはアレですよ。
3: 野生覚醒 編 夜行列車で決まった合い言葉は○○○○
4: 文化伝承 編 世界一有名な爺さんに教えたものは…。
5: 雪原疾走 編 北の国の「彼ら」は働き者であったよ。
6: 極光出現 編 ついに現れた!果たしてオーロラはちゃんと撮れたのか?
7: 生活断片 編 サーリセルカでの印象深い一コマをいくつか。

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