オーロラ探訪フィンランド紀行:3
◇ 野生覚醒編 ◇
ガラゴロとトランクを引き、切符を手に寝台列車の脇を歩くわたしたち。ガラゴロガラゴロガラゴロガラゴロ……っていつまで歩くの…?目的の車両はまだ?
かなり余裕を持ってホームに着いたはずが、列車がおそろしく長いことが判明。もう出発時刻になりそうです。ひー!
なんとか乗り込んで目的の二人部屋に着いたと同時にガコンと列車が走り出し、とにかく落ち着いたら夕飯にしようと決めて二部屋に分かれました。やれやれ。
寝台列車特有の二段ベッドや洗面台を一通り堪能した後、買い込んで来た食料をベッドに並べ、四人では少々狭い部屋で「キッピス!」とフィンランド語で乾杯。

見た目と直感で選んだお総菜。
|
お総菜に多少の当たりはずれはあるものの(ジャガイモとチーズのクリーム焼き、トマトのイタリアンな煮物等美味)、お腹も空いていたのでドンドン進みます。パンにハムやチーズを豪快にはさみ、ビール片手のわたしたち。
「なんていうか、山男って感じ?」
「かなりワイルドだよね…」
この時から『ワイルド』がこの旅行の合い言葉に。
そんな野性味溢れる宴会にキッピスキッピス!と声を上げつつ盛り上がっていると、突然扉が開いて車掌登場。
車掌「…ヘイ…(なんで四人もいるんだココは…?)」
(※ヘイは挨拶。別れる時はヘイヘイ)
四人「ヘ、ヘーイ……(思わずビールを掲げる)」
いや、車掌さんはチケットの確認に来たんだよ、ビールじゃないよ、と各自心のなかでツッコミを入れつつチケットを出すワイルド四人。去り際の車掌さんの温かい眼差しを肴に夜は更けていくのでした。

冷えたビールとアンバサ味(!)のフィズ。
|
夜中、所々列車は止まり、眠りも浅いせいなのかよく眼が覚める。駅ではその都度降りる人がいる様子。通勤なのか里帰りなのか…ぼんやり考えたりしながら外を覗く。

二段ベッドの上から窓を見る。
|
オーロラ、見えないかな…と空を見上げるも、それらしいものは見当たらず、すっかり雪景色になったホームや町並みを眺め、また眠りにつきました。
翌朝。昨晩の残りを少しお腹に入れて終点のロヴァニエミのホームに降り立ちました。さすがに寒い!白い!今日は日本語ガイドの案内でサンタクロースに会いに行くスケジュールが組み込まれています。サンタ…ねえ…。(子ども心を失っている)
ガイドさんとの待ち合わせまで時間があったので少し散策。世界最北端のマクドナルドに行ってみることに。

世界最北マック。
|
「朝マック、どんなメニューかな?」
「最北セットとかあるんじゃない?(多分ない)」
朝マックどころか店が開いてなかった 。しょぼーん。
いかにも外国暮らし長いです!といった感じのガイドさんと合流し、車に乗ってサンタクロース村へ。ここはもう北極圏(北緯66度33分より北の地域)です。お土産を買ったり、ハガキを出したり各々過ごした後、サンタ遭遇の前にお昼ご飯。

中央はサーモン。マッシュポテト、サラダそして…
|
フィンランド、スウェーデン、ノルウェーにまたがる北極圏の辺りはラップランドと呼ばれるエリアで、地方料理の目玉はトナカイ肉です。左端の薄いパンに挟まっているのがトナカイの干し肉。うむ、味わい深くておつまみにピッタリ。
ガイドさん「お飲み物は何になさいます?」
同席のカップル「ジンジャエールか何かを…」
わたし「あ、ビールで」
Kさん「わたしもビール」
Iさん「白ワインあります?」
妹(酒)「ここのオススメのお酒ってなんですか?」
昼からアルコール度数40%近い酒をストレートであおる妹(酒)と、一口頂戴と言って回し飲む三人。すべてワイルドの一言でOKとする。辛口の焼酎にも似た「コスケンコルヴァ」というこのお酒の名前。食事の後、みんな小さな声で復唱して脳に刻みつけていたのは内緒です。
さあここでのメインイベント、サンタクロースに会いに行きますよ。目の前に現れたサンタの家は…

屋根に自分の顔が。
|
うん、一目でサンタの家ってわかるねー。アピール過大なサンタの館に少々不安になりつつも、次回いよいよ遭遇です。(オーロラ?うん、もうちょっと待って)
<4へ> |
|