IPEN INC6 (2014) ホームページ
INC6 における IPEN の活動紹介

情報源:IPEN INC6 (2014) Website
http://ipen.org/conferences/inc6-2014

紹介:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
Translated by Takeshi Yasuma
Citizens Against Chemicals Pollution (CACP)
掲載日:2014年11月 8日
更新日:2014年11月10日
更新日:2014年11月12日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/mercury/INC6/IPEN/IPEN_INC6_home.html

 国際水銀条約のための政府間交渉委員会第6回会合(INC6)が、2014年11月3日〜7日にタイのバンコクで開催され、世界各国のIPEN メンバーが参加しました。下記に会議でのIPENの活動を紹介します。

11月7日
IPEN プレスリリース 2014年11月7日 (14/11/12)
 アメリカは、バンコクでの水銀条約交渉会議で水銀汚染場所に関する世界的行動をさらに遅らせるための圧力をかけている。水銀に関する水俣条約第6回交渉会合は、世界で最も不名誉な水銀汚染場所である日本の水俣に因んで命名された条約名に適うことができなかった。条約の目的は、水銀及び水銀化合物の人間の活動による排出と放出から人の健康と環境を保護することである。
 条約の第12条は、締約国は、汚染された場所を特定し、評価し、優先順位を決定し、管理し、及び適当な場合には修復し、そして健康リスクを評価するための戦略の策定及び活動の実施において協力することが奨励される”と促している。
(プレスリリース詳細)
spacer2x2.gif(809 byte)U.S. and EU stall progress on toxic sites at mercury treaty negotiations (14/11/12)
spacer2x2.gif(809 byte)・日本語訳:アメリカと EU は水銀条約交渉会議で汚染場所に関する進捗を遅らせている (14/11/12)

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水銀貿易と供給サイドイベントで話すユーユン・イスマワティ
11月6日
水銀貿易と供給に関する IPEN-ZMWG サイドイベント

 このサイドイベントでは、リー・ベル(IPEN 水銀政策顧問)、ユーユン・イスマワティ(バリフォルク、インドネシア)、及びリチャード・グティエルツ(バン・トクシックス、フィリピン)のプレゼンテーションがあった。とりわけ、プレゼンテーションは、小規模金採掘(ASGM)分野における水銀在庫と貿易に関してなされた以前の研究をハイライトし、水銀が合法的及び違法なルートを通じて国内に持ち込まれることを明らかにした。サイドイベントはまた、誰が水銀取引仲介者として働いているのか(歯科医、質屋、金仲買人、薬剤取引者)に目を向け、塩素アルカリ施設やその他の発生源からの余剰水銀が許可されない用途のために再輸出されないよう、監視のため追跡データを改善する;世界的なデータ、ラベル表示及び追跡プロセスを調和させる;通関担当者を教育する;そして中継国を認知し関与させる必要性に焦点を当てた。

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ASGMに関する発言をする IPEN 水銀政策顧問リー・ベル(Photo by Shahriar Hossain)
11月6日
IPEN の人力小規模金採掘(ASGM)に関する発言
  • IPEN INC6 Priority Action: ASGM (Article 7)
  • 日本語訳:2014年11月6日 IPEN INC6 優先行動:ASGM(第7条) 人力小規模金採掘(ASGM)に関する IPEN の発言 (14/11/10)

    11月4日
    記者会見/インタビュー

     IPENとタイの環境NGO(EARTH)は、タイ・ジャーナリスト協会の本部で記者会見を開いた。約20人の新聞及びテレビ記者が参加した。イベントではタイにおける水銀汚染、とりわけ石炭火力発電所及び石油・ガス製造装置及び廃棄物焼却のような産業発生源からの水銀排出に注目した。クラビー及びタ・タムの地域指導者による証言は、タイ政府目録によれば最大の水銀排出源である石炭プラントの操業により水銀汚染が、どのように公衆の健康と環境にに影響を及ぼしているかの目撃談を提供した。昨年、IPEN 及び BRI (米・生物多様性研究所)と共同でタ・タムで人の毛髪と魚をサンプリングし、毛髪についてはアメリカの参照限界を超える水銀レベルを、また魚についてはタイの制限値を越える水銀レベルを検出した。このことがタイ政府機関に調査を行わせ、その結果、第三者監視委員会を創設させることとなった。

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    記者会見における EARTH ディレクター ペンチョム・サエタン(Photo by TCIJ)
     記者会見で、EARTH はタイ政府が水銀に関する水俣条約に署名していないことを叱り、早急に批准するよう当局に求めた。EARTH はまた、ある産業地帯で日本の国際協力機構(JAICA)及び汚染管理委員会が実施中の化学物質排出移動量届出制度(PRTR)のパイロット・プロジェクトに水銀を含めるよう要求した。

     さらに、IPENのメンバーである日本の水俣病協働センターの谷洋一さんが、水俣の一大水銀中毒の悲劇とそのような悲劇が再びどこでも起きないようにするための世界的な行動の必要性を話した。

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    記者会見におけるIPEN共同議長マニー・カロンゾ (Photo by TCIJ)
     IPEN は、タ・タムや他の多くの場所に影響を与えている目に見える及び目に見えない汚染について懸念していると述べ、全ての政府が汚染場所を特定し、家族と地域の環境を水銀汚染から守ることを要求するとともに、影響を受けた集落の健康と福祉のための支援を表明した。

     記者会見とそれに続くPBSテレビ(公共放送サービス)とのインタビューでIPENは、タイ政府はもとより他の政府にとっても重要な行動3点を挙げた。1) 水銀条約を批准すること、2) 水銀汚染源を特定し、行動計画を作り上げること、そして 3) 水俣の悲劇の教訓を適用すること。

    11月4日
    汚染場所に関するIPENの発言と見解
    11月3日
    水銀供給と貿易に関するIPENの発言
    IPEN 開会発言
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    水俣被害者団体からの参加


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