2014年11月3日
INC6 における IPEN 開会発言
IPEN共同議長マニー・カロンゾ


情報源:Opening Statement from IPEN for INC6, November 3, 2014
By Manny C. Calonzo, Co-Chair, IPEN
http://ipen.org/sites/default/files/documents/pdf%20Opening%20Statement%20from%20IPEN%20for%20INC6%203%20Nov%202014.pdf

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2014年11月10日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/mercury/INC6/IPEN/141103_IPEN_Opening_Statement.html

 議長、ありがとうございます。優れた各国代表者と友人のみなさん、私は、人の健康と環境を守るための化学物質政策と実施を促進している公益団体のネットワークである IPEN からの連帯と結束のあいさつを申し上げます。

 私たちは、水銀に関する水俣条約に署名した128か国の皆さんと一緒に祝福し、今日までに批准した7か国を讃えます。私たちはまた、他の国もそれぞれの批准手続きを早急に進め、実施行動を遅らせないよう、要請します。

 水俣という名前を条約に命名したということは、同条約が速やかに発効するための道を整えるために全ての政府は条約の批准に向けて速やかに動くべき倫理的および道徳的責任を有するということです。IPEN は、可能な限り最も強く最も意味のある条約を主張するために、水俣を敬い(Honor Minamata)続けるでしょう。私たちは各国政府に対して、条約を批准し、実施することにより水俣を敬うことを求めます。

 私たち全てが、”(水俣病の)苦い教訓から学び”、水銀による人の健康への危害を再び決して起こさないことを確実にするための措置を約束し、”水俣の被害者グループの熱のこもった嘆願の中でなされた呼びかけを、ここバンコクで繰り返します。そのような措置のためには汚染サイトの特定及び管理のための効果的なガイダンスと支援が必要です。汚染サイトは重大な問題をはらんでいます。汚染サイトは、私たちが水俣の悲劇から学んだように、公衆と環境の健康を害するものです。

 この条約は、環境条約というだけでなく、公衆の健康条約でもあります。私たちは、政府とその他の利害関係者が、健康面に関する第16章に十分に注意を払うことを要請します。それは水銀からの人の健康を評価し守るために実施することができる措置と行動の概要を示しています。

 そのような人の健康を守るための必要性の認識は情報交換に関する第17条によって強化されます。それは、”人と環境の健康と安全に関する情報は、機密としてみなされてはならない”と述べ、したがって、水銀の人と生態系の健康への影響について公衆が知る権利を強調しています。

 IPENは、INC6に先立って『IPEN 水銀条約ガイド(IPEN Mercury Treaty Guide)』を発行し、この条約についての意識向上を図ることに専心しており、全ての地域で水俣条約の迅速な批准と早期の実施に向けて貢献し続けるつもりです。現在、同条約は採択されているので、IPENは、この世界的な政策を地域化するための発展途上国の公益団体の取組みを支援するために、いくつかの寄贈者からの支援で最近立ち上げた『国際水銀条約が可能にする行動プログラム(International Mercury (Treaty) Enabling Activities Program)』をもってギアを入れ変えています。

 結論として、人の健康と環境を水銀の排出と放出から守るという未だに終わっていない我々の仕事を継続するためにバンコクに参集している全ての代表者を祝福します。私たちは、この終わっていない仕事を今週中に、そしてそれ以降に完成することにより水俣を敬います。

 ありがとうございました。



化学物質問題市民研究会
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