世界のEDC政策の動向
日本の動き


化学物質問題市民研究会
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更新日:2016年12月7日
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国際的な動き欧州連合(EU)の動きアメリカの動き日本の動きEDCsの低用量曝露当研究会が紹介した世界のEDC 政策関連情報

■日本の動き

(内容)
 ▼EXTEND 2016 (16/12/07)
 ▼EXTEND 2010
 ▼ExTEND 2005

EXTEND 2016 (16/12/07)

   環境省は2016年6月に、化学物質の内分泌かく乱作用に関する今後の対応として EXTEND2016 を発表しました。(「化学物質の内分泌かく乱作用に関する今後の対応−EXTEND2016−」 平成28年6月 環境省)。
 その文書の初めで次のようにのべています。EXTEND2010 の開始から5年が経過したことを受け、環境省では「化学物質の内分泌かく乱作用に関する検討会」及び関係する検討部会による検討を経て、環境省としての対応の方向性を、「化学物質の内分泌かく乱作用に関する対応 -EXTEND2016-」としてとりまとめた。「環境行政の中で化学物質の内分泌かく乱作用に伴う環境リスクを適切に評価し、必要に応じて管理していくことを目標として、化学物質の内分泌かく乱作用の評価手法の確立と評価の実施を加速化することに力点を置く」という EXTEND2010 の基本理念を踏襲し、これをさらに着実に推進させることを通じて、的確に対応を進めていく。

 また信頼性評価の実施状況について、EXTEND2010 では、「5年間で 100 物質程度を目途として検討対象物質の選定を行う」という目標を設定していたが、これまでに 132 物質を信頼性評価の対象物質として選定し、この目標を超過達成した。そのうち、122 物質については信頼性評価を完了させ、うち 85 物質について「内分泌かく乱作用に関する試験対象物質となり得る物質」とし、37 物質について「現時点では試験対象物質としない物質」としたとしている。一方、影響評価の進捗に注力し、試験法開発は大きく進展したが、化学物質の内分泌かく乱作用を含むリスク評価を行うには至らず、それを受けたリスク管理の対象とされる化学物質は特定されていない−としています。

 新たなプログラムの位置付けとねらいとして、 EXTEND2010 の枠組みを整理統合し所要の改善を加えた上で、向こう5年間程度を見据えた新たなプログラムを構築し、内分泌かく乱作用に関する検討を着実に進めていくこととし、化学物質の内分泌かく乱作用に伴う環境リスクを適切に評価し必要に応じ管理していくことを目標として、新たなプログラムを EXTEND(Extended Tasks on Endocrine Disruption)2016 と名付け、以下の構成で進めるとしています。
 @ 作用・影響の評価及び試験法の開発
 A 環境中濃度の実態把握及び、ばく露の評価
 B リスク評価及びリスク管理
 C 化学物質の内分泌かく乱作用に関する知見収集
 D 国際協力及び情報発信の推進

尚、EXTEND 2016におけるリスク評価及びリスク管理を行う化学物質の目標数は提示していません。

EXTEND 2010

 環境省は2010年7月に、化学物質の内分泌かく乱作用に関する今後の対応として EXTEND 2010 を発表しました(化学物質の内分泌かく乱作用に関する環境省の今後の対応方針について −ExTEND2010−平成22年7月 環境省)。その文書の"はじめに"によれば、2005年に策定されたExTEND2005は、野生生物の観察、基礎的研究、影響評価、情報提供とリスクコミュニケーションを推進してきたが、EXTEND 2010では環境行政の中で化学物質の内分泌かく乱作用に伴う環境リスクを適切に評価し、必要に応じて管理していくことを目標として、化学物質の内分泌かく乱作用の手法の確立と評価の実施を加速化することに力点を置くこととしたと、述べています。
 また、基本的な考え方として、環境省としては、化学物質が環境を経由して人の健康や生態系に及ぼす影響を防止する観点から、引き続き生態系への影響について優先的に取り組み、試験評価手法の確立の評価の実施を重点的に進めるとともに、関係省庁における役割分担を踏まえながら環境中の化学物質が人の健康に及ぼすリスクについても視野に入れて検討を進めるとしています。
 また具体的方針の中で、作用・影響評価の実施では、環境リスクが懸念される物質を効果的に抽出できるよう、5年間で100物質程度を目途として検討対象物質の選定を行なうとしています。

ExTEND 2005

 環境省は2005年3月に、SPEED'98(環境ホルモン戦略計画Speed'98「取組の成果 - 環境省)を廃止し、これからはExTEND 2005 を推進するのだと発表しました(化学物質の内分泌かく乱作用に関する環境省の今後の対応方針について −ExTEND2005−2005年3月 環境省)。新聞に環境ホルモン(内分泌かく乱化学物質)について書かれることもなくなりました。”環境ホルモン空騒ぎ、”ダイオキシン神話の終焉” というようなことを主張するする”先生方”がおり、環境省も、”大騒ぎしたけれど環境ホルモンは結局、野生生物にしか害は及ばない” という様な "意見” が述べられた対談を掲載したホームページや小冊子 『チビコト』 を出し、 ”安全と安心のリスク・コミュニケーション” と称して、一方的な情報を国民に流しています(環境ホルモンに関わる小冊子「チビコト」に関する当研究会の公開質問、環境省の回答、及び関連情報)。この様な ”意見” が本当に正しいのでしょうか? 環境ホルモンは野生生物にしか害は及ばないなどという結論を出すほど解明したのでしょうか?



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