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(2003年2月27日発行)



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警察署の個性は


弁護士  佐久間哲雄



 弁護士は、被疑者・被告人との接見のためによく警察署に出向く。私も、神奈川県内のみでなく、東京、埼玉などの警察署に出掛けている。東京の警察署は、都会風でそつがない。刑事課で話し込んでいるとお茶を出してくれるのは東京だけである。神奈川県警の警察署は、率直で偏見がない。適度な洗練、国民からお巡りさんと親しまれていた頃の素朴な気質が残っている。年の瀬が迫った折の夕刻、たまたま赴いた某署刑事課で、一杯やっていた刑事さんたちの仲間に入れてもらったことがある。また先日は、当番弁護士として横浜市内の某警察署に行った。午前8時半前後のことであった。

 どこの警察署でも、1階入口付近は、交通課、総務課など 配置は似たり寄ったりであるが、受ける印象は、署によってかなり違いがある。弁護士が赴く接見室は、例外なく署の2階か3階にあり、1階のカウンターのところで、私は必ず一言声をかける。警察署の応答と、入口を入った時受けた印象とほぼ一致する。雑然とした印象のときは、応答もかんばしくない。きちんとした印象のときは、応答は適格である。

 話は戻るが、朝8時半ころ出向いた警察署では、土曜日にもかかわらず、既に勤務態勢に入っているのが一見して判った。パソコンを打っている署員、電話をしている署員、上司の机の前で指示を受けていると思われる署員、一生懸命仕事に取り組んでいる空気が充ちていた。

 私は例によって、接見に来た旨一声掛けた。若い署員がすぐ立って、「管理係は何処にあるかご存知ですか」と聞いてきた。久しぶりに行った警察署だったので、ちょっと返答が遅れたところ、立ち上がって 「ご案内しましょう」と言い、2階へ案内してくれた。大いに恐縮した。

 警察署ごとに受ける印象が違うのは、多分、署ごとの気風、伝統などの違い、管轄地域の実情の反映などいろいろな要素がもたらすところが大きいのだろうと思う。

 然しながら、平凡な話で申し訳ないが、そこで働く人たちの仕事に対する気構えが、仕事場の雰囲気を作る決め手であろう。やる気に充ちた職場は、傍から見ても気持ちがいい。

 実に気持ちの良い警察署があることは、警察の刷新を願う私にとって大変勇気づけられることである。


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