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離婚の基礎知識 3

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養育費・婚姻費用

1 養育費は,離婚成立後,原則として子供が成人する20歳まで支払われるものです。
今は家庭裁判所に便利な「養育費算定早見表」というものがあり,両者の収入に関する資料を裁判所に提出すれば,簡単に養育費が計算できるようになりました。
具体的には表の縦軸が支払い義務者の年収・横軸は受領権利者の年収,その交点で養育費が決まります。子供の人数(1~3人)と年齢(0~14歳・15~19歳)とで9つの表に分かれています。養育費が幾らなのかすぐに調べられますので試してみて下さい。詳しい表の使い方はここをクリックして下さい。
2 相手方が途中で養育費を支払わなくなることはよくあります。
その場合は調停調書等に基づいて相手方の給与等を差し押さえる強制執行の申立ができます。これは1度申立をすれば,あとは毎月裁判所が給与を差し押さえてくれます。しかし相手方が退職すると新しい勤務先がわからない限り差し押さえができなくなり,途中で支払いがとまることもあります。要はどうやって調停中に相手方に自分が父親であるとの自覚をさせられるかです。
3 婚姻費用は,相手方が渡してくれなくなった生活費を,離婚が成立するまでの間,相手方に対して請求できるものです。これについても家庭裁判所に,「婚姻費用算定早見表」というものがあります。養育費の場合と似たような方法で容易に婚姻費用を算定できます。表は子供の人数(0~2人)と年齢(0~14歳・15~19歳)とで10の表に分かれています。
4 養育費についても婚姻費用についても,この表を機械的に適用すると当事者間に著しい不公平をもたらすときは,事案に応じた適切な金額を裁判所が定めてくれます。

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調停手続きのやり方

調停手続きのやり方について説明しましょう。
1 まず家庭裁判所に着いたら,書記官室に行って出頭したことを告げて下さい。
2 次に,書記官の指示に従って,待合室で待ちます。
待合室は申立人側と相手方側と別々になっています。
これは相手と鉢合わせになって顔を合わせないようにするためです。
3 時間が来ると呼び出しが来ます。当事者は別々に入れ替わりに調停室に呼ばれます。
4 夫婦が一緒に調停室に入って相対で話をすることは原則としてありません。希に調停委員が,「相対でやりますか」と聞いてくるときがあります。
しかし夫婦が顔を合わせて議論すると,感情的になって夫婦喧嘩が始まるのがおちですから,やめておいた方がいいです。
5 中に入ると,1回あたり30分から1時間程度調停委員2名から質問を受けたり話をしたりします。これは場合により長引くこともあります。
6 裁判官が立ち会うことは希です。書記官や調査官が立ち会うことはあります。話が一段落すると当事者が交代します。
7 1日の調停時間は計2時間くらいです。大体2~3回交互に調停室に出入りして,その日の調停は終わります。次回までの宿題が言い渡され,次回期日が指定されて,その日の調停は終わりです。次回期日の指定は用紙に記載されて手渡されることもあります。

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面会交流とは

1 面会交流とは,離婚後,親権・監護権を持たない親が,子どもに面会して,一緒に時間を過ごし互いに成長する機会をいいます。離婚により夫婦は他人となっても,親子は一生親子です。子どもは両親双方から色々なことを学び成長していくものです。その意味で面会交流は権利と言うより,子どもの成長のために必要な親の義務と言っても過言ではありません。
2 夫婦間で面会交流について話しがまとまらない場合,「家庭裁判所に面会交流調停」を申立てることができます。そこでは子供の年齢,性格,就学の有無,生活環境等から判断して,面会交流の可否,方法(回数・間隔・日数・泊まりの有無など)が話し合いで決められます。その場合,調査官が各夫婦や子供本人と個別面談をしたり,自宅環境を調査しに行ったりすることがよくあります。
3 監護者が面会交流を拒否するとき、「試験的面会交流」と言って,家庭裁判所構内のマジックミラーのついた部屋で,1時間ほど子供に会わせる面会交流があります。相手方はマジックミラー越しに面会交流している片親の行動を見つめながら,推移を見守れるというものです。これは,母が子供と父親との面会交流を受け入れる気持ちになれない時、よってなかなか当事者間で面会交流の話し合いが着かないときに,「試験的」に一度だけ面会交流をやってみようというものです。この結果を見て,気持ちを切り替える母親もいなくはなく、行き詰まった面会交流交渉を打開させるために、「試験的」に面会交流を行ってみようというものです。
4 もし調停で話し合いがまとまらず調停が不調になった場合には,自動的に「審判が開始」されます。家事審判官(裁判官)がそれまでに集められた一切の事情を考慮して,面会交流を認めるかどうか,認める場合はその条件をどうするか,審判で判断してくれます。家庭裁判所は,親が子供に会いたがっているのにそれを止める理由はないと言うことで,その親に子供を虐待したことがあるという特殊な事情がない限り,面会交流を認めると考えて良いでしょう。ただ、会える期間をどのくらいの間隔にするか(原則は月1回ペース)、時間は、場所は、等々細部で揉めることはよくあります。近時面会交流は家裁での難問テーマになっていると言って良いでしょう。
5 面会交流の条件 よく揉めるのは、どの位のペースで会わせるか、時間、場所、泊まりの可否、子供の受け渡し方法、連絡方法、特に病気や都合がつかない時の連絡方法、費用の負担、学校行事、誕生日、夏冬休みなどの長期休暇等々です。
 札幌には、「札幌おやこ面会交流の会 あやの会」という施設を弁護士会が設営運営していました。比較的低廉な費用(1000円~5000円)で、会わせる場所や子供の受け渡し方法を中立的な第三者が決めてくれて、また中立的な第三者が立ち会うこともできて、好評でした。
6 当事者はとかく感情的になって,その解決は困難を極めることも多いのですが,基本的には,子どもの福祉を踏まえて,前向きに話し合って欲しいものだと思います。私は,子供たちの将来を思うとき,そういう弁護に努めたいといつも思っています。


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