独言 2004年2月〜6月


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2004/06/23(水)

●「光とともに」の最終回、なるほど、そういう終わり方できましたか。 ラストシーンは視聴者から賛否両論ありそうですし、 うがった見方も出てきそうな気はしますが、 この障害を巡る現実は、未来への希望を見つけたところで終わるわけではなく、 未来への不安にもぶつかっていくことを、知ってくださいと訴えかけてくるようで、 僕はよかったと思う。 このドラマの製作者たちが真剣にこの障害の現実に向き合っているからこそ、 爽やかな感動を与え希望の光に満ちさせたままだけで、 このドラマを締めることができなかったのじゃないでしょうか。

2004/06/22(火)

●水曜日の10時から日本テレビ系列で放送していて、 明日で最終回を迎える「光とともに・・・-自閉症児を抱えて-」は、とても良いドラマだ。 製作者達が自閉症という障害に対して真剣に向き合っていることが伝わってくる。 脚本と演出はあざとくなく、素直に感動したり考えさせられ、 初回から引き込まれていき、回を欠かさずに観ていた。 重いテーマのドラマだが、 バランスよく笑わせてくれるシーンが挿入されているのも、 救いがあっていい。 出演者たちの演技も光っていると思う。

このドラマで、自閉症の男の子、光君の周りでは、 自閉症について無知なために、光君の母親らを傷つけてしまう人達が登場する。 実は、僕自身、このドラマを観るまで、自閉症について無知で、 「光とともに・・・」の公式サイトの「自閉症とは?」には、 「脳の機能のかたよりを原因とする、1000人に2〜3人の割合で起こる発達障害。 ほとんどの場合生まれつきの障害であること、症状が発達期に現れること、基本的に生涯にわたる障害であることが特徴です。 」とあるが、そういうことを知らず、ドラマを観るまでは、 何らかの原因で周囲から心を閉じてしまっている精神状態の人たちという認識であった。 まだこのドラマがはじまっていないときに書いた、 4/7の独言の、 ヤン・シュヴァンクマイエルのアリスについての中で「自閉症気味」という言葉を使っているが、 「暗い目した」というネガティブな言い回しとともに使ってあることを、 不快に思われた方がいたら、申し訳なく思います。

2004/04/11(日)

●昨日の、朝方強い寒気と頭痛に襲われる。 風邪のようだが、鼻水や咳きは特に無く、丸1日高い熱と頭痛に苦しむ。 熱をはかっての最高は38度4分だったが、一番酷いときはもっとあったかもしれない。 今日は、じっくりトールキン本読んだり、 英語の勉強でもしようかなぁと思ってたんだけど、この熱では何にも集中できないので、 あきらめる。寝てテレビ観ているのでさえ、きつかった。 眠ってる間は楽かなと思うも、そうそう簡単に眠気がくるものではないし、 なんとか眠れても、外は陽気な天気で昼間は気温が高かったので、 暑さと頭痛でうなされて目が覚める。同じうなされるなら、 シュヴァンクマイエルのような悪夢でも観て、うなされたかった。 今日は、薬が効いたのか熱が7度台まで下がったので昨日よりは楽だった。 これを書いている時点ではほぼ平熱に近いところまで下がったので、 もう大丈夫だろうが最悪の週末。

2004/04/07(水)

●読売テレビの深夜映画枠で、 ヤン・シュヴァンクマイエル監督の『アリス』が放送されてた。 たまたま夜中に目が覚めたので、深夜リアルタイムで観たんだけど、この映画は、 明るい昼間や賑やかなゴールデンタイムに観るより、深夜に観た方がいいね。 この作品観るの二回目で、初見のときは、何の前知識もなく観たので、 その独特で強烈な世界観と映像は、ショッキングで、 ルイス・キャロルの不思議の国のアリスとは全く違うものって印象だったのですが、 落ち着いて観ると、意外と原作にも沿ってるって感じ (前回のときは、原作を正確に知らなかったというのもあるのですが、 知っていても印象は変わらない気がします)。 ちゃんと本を読んでいるおねぇさんとアリスが並んで座っているいるシーンからはじまるし・・・ ただ、暗い目した自閉症気味のアリスは執拗に川に石を投げつづけ、おねぇさんは、 やさしく話しかけたりはせずに、 本の頁をかってにめくろうとしたアリスの手を邪険にぶつのですが・・・ 兎を追いかけた後も、涙の海で船を漕ぐねずみや、兎の家でアリスを追い出しにくる蜥蜴のビルや、 いもむしや、三月兎と帽子屋、トランプ達など、 ルイス・キャロルの不思議の国のアリスのお馴染みの住人達たちも出てくるし、 彼らの行動もベースは抑えてある・・・ ただ、病的さの表現は独特で強烈で、シュヴァンクマイエルの悪夢世界の住人となる・・・ この映画、生理的に受け付けない人もいるでしょうが、一見の価値あり。 僕は二見目にも価値ありで、深夜に観終えて、作品の余韻が残ったまま朝まで眠ることにしました。 このとき、シュヴァンクマイエルのアリスのような、 悪夢でも見ないかとひそかに期待したんだけど、残念ながらそれは叶わず。

2004/02/26(木)

●王の帰還、字幕版で見てきました。 体を壊して以来、人ごみが苦手なんで、人の密集が比較的避けやすそうな、 平日午前の回に行けるタイミング見計らってた為出遅れましたが、 これで、やっとネタバレに気をつけないで指輪サイト巡りしたり映画関係の本を読める!

3時間23分の上映時間が、長く感じず(むしろ時間的に物足りない!)観れました。 あれやこれやそれやどれやがばば〜んと映像化されるのはやはり楽しめます。 映画としては評判どおりクオリティの高いものだと思います。 特に、ミナス・ティリスの映像化には大感動でした。 とはいえ、原作愛好者の一個人としては、 それがどんなにクオリティの高いものであっても、 突っ込みたいところや違和感を感じる点も、 どうしてもいろいろ出てきはします。 例えば、指輪サイトや掲示板の映画感想を心置きなく読んでると、 或る人の扱いが突っ込まれまくりですが、同感です。

個人的には戦闘シーンもうちょっと減らして、人間描写のシーンとか増やして欲しかったとも 思ったりしてるんですが、そんな私も、じゅう(Oliphaunts)が出てくるあたりの、 合戦シーンの迫力とスピード感にはおおーーーっと手に汗握りました。 でも、同時に、じゅう、好きなんで、黒側に戦いに連れ出されて、最後には倒されていく、 じゅう達が、とってもかわいそうに思えたのですが、そういう人は私だけでしょうか。 そんな感情移入できちゃうのも、それだけ真に迫った合戦シーンだったからでしょう。

王の帰還のパンフレット、田中明子さんが寄稿していたのがポイント高いです (その他の寄稿者の中には?がつくようなこと書いている人もいましたが・・・)。 田中明子さんの寄稿、 映画だけ観た人が原作読みたくなる、良いきっかけになりそうな、流石の良文です。

映画観た帰り、 『ロード・オブ・ザ・リング 最終章』という書籍も購入しました。 この本、『The Art of the Return of the King』が原書で、 そうだと判りにくい妙な邦題はなんだかなぁですが、 内容は凄く面白い本です。

2004/02/24(火)

●トールキンに嵌ってから、洋書をいろいろ買い込んでいるにも関わらず、 英語の勉強が足りなくて、英語力がなかなかあがらないのが困り物です。 学生時代、英語は、早くも中学1年でつまずき授業も真面目に聞いていなかっただけあって、 僕の英語力は、土台が豆腐みたいで、基礎がなっていないです。 例えば、 正しい発音というものを学んだことがなく基本的に判ってませんし、 最近もリーディング中心で英語に触れているだけで土台に進歩がないので、 単語を読むときの頭の中での発音ですら自信が全くありません。 そこをなんとかしたいなと(もちろん、 他にもなんとかしたい英語弱点はいっぱいありますが、それはさておき)、 発音について僕のような土台豆腐でも理解しやすく解説してある、 参考書がないかと本屋で探してみたところ、初学者向けの、 結構良さそうな本を見つけました。

英語の発音が正しくなる本』という、 発音のみに特化した本で、 発音記号ごとに発音方法が図と写真で示されていて判りやすく、 つづりのルールの説明などもあります。 付属する2枚のCDには、書籍内で例示された単語や文章の発音が収録されていて、 実際の発音を耳で確認できるようになっています。

2004/02/14(土)

02/05の独言に、 『Beatrix Potter The Complete Tales: Limited Edition』を、 税込み3300円程度で買えましたと書いたんですが、 昨日、梅田の紀伊国屋の洋書コーナーでこの本を見かけたところ、 確か税別6千数百円程度していました。 やっぱり、ネット書店だと全然安いなぁと改めて感じさせられたのですが、 今日、amazon.co.jp の同商品頁を見たら、税別価格が¥4,985と大きく上がっていて驚きました (それでも日本の書店の洋書コーナーで買うよりは安いといえるのですが)。 よく見るとその理由はすぐに判ったのですが、 僕がamazon.co.jpで購入したときは、定価がUSでの$価格から換算されていて最近の$安もあって、 前述の値段で購入できたわけなのですが、現時点では、UKでの£価格で換算されている為、 日本円での価格がはね上がったようです。 仕入れ先が米から英に変わったということでしょうか。その理由は判らないのですが、 amazon.com では、現在この商品を扱っていなかったので、 米経由から入荷できなくなってるのかもしれません。 僕はここ最近のamazon.co.jpでは一番安いタイミングで、 『Beatrix Potter The Complete Tales』を購入できたのかも。ラッキーでした。

2004/02/06(金)

●書店に立ち寄ったら、新刊で、 『「中つ国」のうた』(評論社)が売っていました。 これは、指輪物語に載っている歌を掲載順に採録した本で、 詩に併せて解説や、物語の概要が記されており、アラン・リーの美麗な挿絵もついています。 これらの詩は、当然指輪物語を持っていれば、この本がなくても、 全て読めるのですが、詩だけまとめて続けて読むのも味わい深いでしょうし、 ある詩の邦訳を単独で読みたい場合も、指輪物語の邦訳には詩の索引がないこともあり、 特定の詩がどこに載っていたか探すのが面倒だった経験があるので、 利便性を考えても、よいなぁと思い購入。

「中つ国」のうた

2004/02/05(木)

●amazon に注文してあった、 『Beatrix Potter The Complete Tales: Limited Edition』が届いた。 ピーターラビットシリーズ23作品全てと、 諸事情でポターの生前は出版されることがなかった4つの作品が収録された、 一冊本。 このあまりにも有名なピーターラビットシリーズを、 実は僕は、幼い頃、触れた記憶がなく(女の子が読むものだと思ってしまい敬遠したのかもしれません)、 最近までどういった話かすら知らなかったのですが、 トールキンが『妖精物語について − ファンタジーの世界』の中で、 ピーターラビットシリーズ作品について触れていることや、 瀬田貞二氏も著作の中で熱心にポター作品について語っているのを読んだことで、 興味を抱き、以前から読んでみたいと思っていました。

そして先週、図書館に立ち寄ったとき、 『Beatrix Potter The Complete Tales』の原書旧版の邦訳である、 『愛蔵版 ピーターラビット全おはなし集』を、 『ものいうウサギとヒキガエル―評伝 ビアトリクス・ポターとケニス・グレアム』 (猪熊葉子さんが鋭い洞察力と豊富な知識をもってポター及び、 『たのしい川べ』のケニス・グレアムについて書いたとても面白い評伝でした) とともに借りてきて読んだところ、 名訳者石井桃子さんらがつけた素晴らしい日本語訳だけでなく、 ビアトリクス・ポターの原文も読んでみたくなり、 比較的手頃な価格でPeter Rabbit全作品を読むことができる、一冊本、 『Beatrix Potter The Complete Tales』を購入することにしたわけです。

ところで、 ピーターラビットシリーズは本来の小さなサイズの絵本で読むのが一番いいのでしょうし (大判の一冊本は1頁に2〜3枚程度ずつ絵がおかれているのですが、 1頁に1〜2枚程度ずつ絵が置かれている小さなサイズの絵本の方が、 頁をめくる楽しみも増えますし)、 邦訳にしろ原書にしろ、一冊本で読むのはおそらく邪道なのかもしれませんが、 図書館でシリーズ全冊借りるのは一度では普通は無理ですし、 かといって全冊購入するとそこそこのお値段にもなるので、 借りて読んだり、気軽に購入するには一冊本は都合がいいです。 また一冊本には興味深い各作品のモデルや成立過程などが書かれた解説もついてたり、 原書の現行版の方のみですが未出版作品も読めるのも利点です。 ちなみに、全冊セットは、 邦訳なら 『ピーターラビットの絵本 全24巻 贈り物セット』が、 原書なら 『The World of Peter Rabbit Original Presentation Box 1-23 (PETER RABBIT CENTENARY)』等が、 あるようです。

購入した『Beatrix Potter The Complete Tales: Limited Edition』は、 ピーターラビット出版100周年の2002年に出版された版で、 手頃な値段(税込み3300円程度で買えました)が嘘のような、 綺麗な装丁の、本棚に並べがいのある本でした。 ピーターら登場動物達らの絵入りのケースに入ってあり、 ケースから出すと背景の色違いでケースと同じ絵のカバーもついてあります。 紺が基調のケースの背景の色も、淡い水色が基調のカバーの色もとてもいい感じです ケースとカバーの背の部分は金色なのはちょっと派手すぎる気もしましたが)。 下の画像では分からないと思いますが、画像で見えている絵の他にも、 紺と水色の部分に薄い白でキャラクター達がたくさん描かれています。 また、おまけとして、ピーターがマグレガーさんの畑で、 はつかだいこん(ラディッシュ)を食べているおなじみの絵を、 本と同じサイズの紙に印刷したものがついてました。

Beatrix Potter The Complete Tales Beatrix Potter The Complete Tales背

届いてから、真っ先に読んだのは、やはり邦訳一冊本にはなかった、 未出版の4作品です。 そのなかで一番気に入ったのは、The Sly Old Cat で、 未出版作品とはいえ、 ポターの全盛期に書かれただけあって、魅力ある作品でした。 猫がねずみをお茶会に招くお話で、 最後にねずみが猫をやりこめる愉快で痛快な話です。 僕は、ちょっとトムとジェリーを思い出しました。 Three Little Mice は、 英国の伝承童謡にPotterが楽しい絵をつけたわずか6枚の小編で、 特別大きな事件がおきるわけでもないのですが、 にもかかわらず話しに躍動感があり、絵もとても綺麗で、 The Sly Old Catの次に気に入りました。

尚、The Sly Old Catは、 ポターが亡くなられて随分立ってから一冊の本としても出版されています。 邦訳では、ピーターラビットシリーズの一冊に加えられて、 「ずるいねこのおはなし」というタイトルで出ているようです (ちなみに、日本語版ピーターラビットシリーズが24巻と原書より一巻多いのは、 「ずるいねこのおはなし」が入っているからです)。


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