道義

リンクス

MICHIYOSHI-LYNX

林道義をめぐる言説を考える
リンク集 count

開設 1999.10.24

更新記録、ならびに今後の予定はこちら(2001.06.10)


はじめに/概要

■ 『父性の復権』リンクス

■ 『父性の復権』読書メモ

■ 『主婦の復権』リンクス

■ 『フェミニズムの害毒』リンクス

■ 『フェミニズムの害毒』関連記事の紹介

■ 『フェミニズムの害毒』読書メモ


■ ウェブマスターによるその他の記事

 


興味とお暇があれば。

■ 事の起こり

■ ウェブマスターについて


ご意見・ご感想・リンク紹介などはウェブマスターまで。

Webmaster: "ひょみ"
email: hyomi@post.email.ne.jp

 

 

最近、家庭教育や学校教育に健全な父性を持ち込むことにより、若者の無気力や無秩序、自己中心的な傾向などが改善できるという主張がよく聞かれます。この主張を広めるのに大きな役割を果たしたのが、東京女子大学教授・林道義氏の一連の父性関連の著書です。

しかし、「父性は必ずしも父親だけのものではない」とする氏の主張も、一方では男女の平等な役割分担を批判したり、フェミニズム運動のごく一部の傾向を指してフェミニズム全体を批判してみたりと、当初の表向きの装いとは違った展開を見せてきています。

このサイトでは、彼の主張がどのような反響を呼んでいるのかを概観し、一方で彼のテクストそのものの分析を試みます。これらを通じて、教育や性役割などの問題について考えていきたいと思います。

でも、せっかくですから、楽しくやりたいと思っています。その程度の遊びは大目に見てやって下さい。

・プロジェクトの概要

・新着リンク(2001.06.10)

・リンクス概要

・ご利用にあたって


 

プロジェクトの概要

1 まず手始めに、林道義『父性の復権』(中公新書、1996)を中心に、彼の言説にまつわるサイトを整理し、その主張の反響、影響、波紋などを概観してみます。
現在のところは林氏の議論に直接言及したサイトのみですが、必ずしもそれに限定するつもりはありません。順次拡充していきますので、興味深いサイトがあればウェブマスターにメールでご一報下さい

2 その上で、ウェブマスターは1999年11月中旬迄に、『父性の復権』ならびに『フェミニズムの害毒』(草思社、1999)の2点を読了し、順次読書メモを掲載します(お詫び: 都合により大幅に遅れています。『父性...』のメモのみ掲載済み、『フェミ...』については改めてスケジュールし直します)。これらの著書の反響を辿るだけでも十分議論にはなりそうなのですが、原典にあたっておくのが、やはりサイトを設営した者の最低限の倫理と思うので、取り組んでみます。

3 ウェブマスターは一会社員にして一児の父という暮らしをしながら当サイトを運営していますので、おのずとその力には限界があります。議論にはお応えできない場合が多々あるかと思いますので、予めご了承下さい。また、リンクを追加していく歩調もいきおい遅くなりがちだと予想されますので、関連する内容で興味深いサイトがありましたら、自薦・他薦を問わず、ご紹介いただけると助かります。

 

新着リンク (2001.06.10)

いずれ、過去記事はそれとして残したままでリンク集は再編しようと考えています。ですので、新着リンクについては今後このスペースに追加して行きます。

[父性関連]

「今、父性が求められるのはなぜ?」
育時連シンポ「いま求められる"父性"とは何か?」を受けて2人のメンバーが自発的に対談。林氏の「父性」概念を批判的に読み直す、という点ではほぼ決定版と言っていい内容と思います。私のすることはもうないかな?

田口ランディ「私は父性をもちたい」
ドラえもん批判は同感だがしかし...何か違うような。

「加南の読書生活」
ユング的にみて林氏の主張がどうか、という議論はなかなか見かけないのですが、こういう見方もあるようです。

父性の復権 書評
何かヘンだな、と感じている様子が伝わってくる素直な書評。

「よろずやの復権」
「父性の復権」の「父性」をほかのネタに変えたらどうなるか、という仰天のパスティーシュ。さて私たちはどんな論理のトリックに引っ掛かりがちなのか?

[主婦の復権]

Shapless Garden
「主婦の復権」擁護論を展開した小谷野敦氏の矛盾を鋭く突きます。

「抹茶的主婦論」
以前はあまり見かけなかったのですが、主婦自身が「主婦の復権」的主張を展開するサイトも最近出てきました。私が本当に知りたいのは「主婦叩き」なんてバカをやってる連中そのものの具体像なのですが、それがほとんど見えない主張は、何だか仮想敵に向かって撃ってるようで今一つなじめないです。それに「抹茶的」と自分流を主張されてるにしては構成があまりに林氏そのものでは...。

[フェミニズムの害毒]

松原隆一郎「思考の格闘技」、ならびに林道義氏からの返答
今や花形社会学者の松原氏が、「フェミニズムの害毒」で林氏から批判された点について、実に真摯で紳士的な(あまりに紳士的すぎて誉め殺しじゃないかと思うほどの)返答を書かれています。そして林氏からの再回答...。どうにも噛み合ってないぞ、と思うのですが。

[フェミニズム/ジェンダー/男性学全般]

「男女に統計差があるなら役割分担すべきか」
性差だと漠然と言ってしまっているものの曖昧さを、様々な事例によって指摘する好コラム。さて、これでも「性差だ」と言い切れるかどうか。

沼崎一郎「Men's Festival '98 報告」
男性学会の報告です。「男の性もまた一つではない」がごとく、また男性学も一つではないということが具体的に見て取れる好レポート。

 

リンクス概要

林氏の主張は『父性の復権』で広く知られるようになりました。「キレる」若者や学級崩壊が問題となる社会情況を背景に、この本はちょっとしたブームにもなりました。教育熱心な親たちや教育者のサイトにも、この本からの引用が数多く現れました。また、普段子供の教育に意識的に関わって来なかった父親達が、これを題材に議論した、という例もいくつかあったようです。それはそれで価値のあることだったと思います。

『父性の復権』は、「父性とは必ずしも父親が担うとは限らない」という、今考えてみればどこかアリバイ的な留保が付けられていたため、益々浸透したとも言えそうですが、その後の著作『主婦の復権』ではその留保が外され、林氏の本音が初めて現れている模様です

主婦の価値を見直そう、フェミニズムのいじめに負けるな、と林氏は言うのですが、では男が主婦業に進出するのも歓迎するのかというと、そういう訳ではないらしい。おまけに、70年代ならともかく、2000年を前にした今、一体どこのどんなフェミニズムが主婦の仕事の価値を貶めているのか、疑問に思います。「女性の内輪もめをおこそうともしている」のでは、という疑問が出るのももっともです

それでも『主婦の復権』が一応の支持(誰の...?)を得たのか、つい先日、林氏はその名も『フェミニズムの害毒』という本を出します。週刊文春のようなおぢさんメディアが早速喜んで持ち上げいるようですが、その書評から推察するに、林氏のフェミニズムに対する認識は80年代半ばで止まっているか、さもなくば、その後のフェミニズム/ジェンダー研究の驚くべき多様性と豊かな成果をわざと無視して攻撃しているかの、いずれかに思われます。いずれにしても、これは全てのジェンダー研究に対する重大な侮辱ではないかと私は懸念しています。

彼の議論を、今こそ綿密に検証する必要がある、という意味が少しはおわかり頂けたでしょうか。以上で私の立場は明らかになったとは思いますが、攻撃に走らず、あくまでも冷静で、緻密な議論を積み上げて行きたいと思っています。みなさんのご協力を切にお願いする次第です。

 

ご利用にあたって

当サイト内の記事はすべて著作物に該当しますので、許可なく複製・配布することは禁じます。なお、部分的引用については通常の著作物と同様、引用元を明記の上、改変を加えずにご利用下さる限り、連絡不要です。

リンクはご自由にどうぞ。連絡不要です。ご意見ご要望自己紹介などはメールにてお願いします。近頃は掲示板も盛んなので「メールは敷居が高くて...」と思われるかも知れませんが、お気軽にどうぞ(ただし、当方タイムリーに返事が書けるとは限りませんので、予めご了承のほど)。

 

 

林道義問題を考えるリンク集

(c) 1999-2001 by Hyomi. All Rights Reserved.