いきなりですが

林道義

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ご案内:「お、そういうことなら話は解った。前口上はいいから早く本題行ってくれ」という方は、早速こちらへおいで下さい


事の起こりについて。

先日、『父性の復権』(林道義著、中公新書 1996)なる本を買ってきたのである。わはは。何かこの「復権」つうコトバがまがまがしい感じである。噂によると実際、かなりまがまがしい本であるらしい。

いや、こんな本、出来れば読みたくはなかったが、私自身かつてこの本から間接的にメーワクを被っているのである。

職場でもきっとデレデレの育児パパぶりを、体からにじませていたのだろう。ある日、時々飲みに行く間柄の大先輩に、酒の席でこの本の話を持ち出された。案の定、父親は父親らしく、威厳をもって、子供に規範意識を教えねばならない、ときた。

「父親でなければ教えられないってもんじゃないと思いますけど。その著者の人って暗に母子家庭とか差別してません?」と私。

「いやその父性を担うのは必ずしも父親じゃなきゃいけないって訳じゃあないんだよ」と大先輩。

そーゆーものなら何も「父」性って呼ぶ必要ないよなー、と突っ込みたい気持ちを抑えて、「規範意識を教えるとかって、そういうのは夫婦でやるつもりですけど」と私。

「それじゃ子供はどっちの言うことをきけばいいのか、わかんないんじゃないの?」と大先輩。

「いえ、うちは子供に接する方針はよーく話し合って決めてますから」

「いやそういうことじゃなくてさ。オマエ大体なあ、父親が家事なんかで存在感示したら威厳が云々」以下大先輩の朗らかなお説教を受ける。はあ。結局そういう話か。でもさっき父性は父親が担わなくてもいいって言ったじゃん、という私のツブヤキは居酒屋の喧噪と「申し訳ありません手羽ギョー終わりッス〜」と叫ぶ店員の声にかき消されるのみであった。

この一件、私も気まずかったが大先輩も相当気まずかったようである。以降この話は出ないし、一緒に飲む機会も減った。『父性の復権』はかくて、世代間の断絶を深めるのに絶大なる効果を発揮したのである。

困った本である。

まあ、この程度のことなら、私が運悪く当たってしまった、で済むのだが、この林センセイ、『父性の復権』が大反響を呼んだので調子に乗ったか、続いて『父性で育てよ!』(ガハハそんなもんで子供が育つかいな) 『主婦の復権』そしてついには最近『フェミニズムの害毒』(何つーかアナクロな表題ですな)を出版、次第にフェミニズム批判、男女共同参画社会批判を展開してきているらしいのである。

そろそろ叩き時ですな。

いや、そういうことではイケナイんであって、私がやろうとしているのは、あくまでも林センセイの主張に虚心坦懐に耳を傾け、遺憾なく思うところをぶつけて議論しようという、いわば世代間の断絶を埋めんとする高貴な努力である(笑)。あ、だから笑っちゃダメだってば真面目なんだから(笑)。

えー横道にそれましたが、最も過激で夜郎自大先鋭的な主張を展開しているというウワサの近著『フェミニズムの害毒』でさえ、一部のおぢさんメディアが喜んで取り上げているようなので、一面的な議論を避け、より深い認識を得るために、ここで林道義氏関係のリンクをレビューしてみよう。というのが、この特集の趣旨です。

興味のない人には何のことやらでしょうが、子育てリアルタイマーとしては捨て置けないハナシなのであります。

(1999.9.30記)


追記

もたもたしている間に10月も下旬となり、気がついたら何と今度は林氏、『母性の復権』を25日に発売するそうではないですか。いやはや。良いタイミングというか何というか...。緻密な議論により社会に貢献したいとの思いを改めて胸に抱く次第であります。ってダメだってば笑っちゃ。

(1999.10.24)


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