大口径への道  その2
Obsession 25" F4 Classic

  公開:2022年10月15日〜
更新:2022年12月10日 *鏡筒バランス調整 を追加

  その1であれこれ妄想をしたが、これは皆が知る通り、実行された。私は純粋に趣味の世界に生きてる。でも誤解なら良いけれど、悪意や低次元のやり取りで傷つくことがあったりすると、こういった公開も止めようかと思ったりもする。しかしやはり、何らかの役に立つならば、と数年放置していた本機について書き込みを始めた。最近はデジタル技術を用いた簡便、小型、格安の望遠鏡(というか撮影映像閲覧機)もあるが、宇宙の姿を肉眼で見る、というのは感動の質も別次元なのだ。是非、少しでもこの感動を届けたい。

 選定はその1に書いた通りで、Obsession 25"f/4 Classic となった。何といってもドブソニアンを熟知している同社への信頼が絶大である事、私の自作では到達できない完成度であること、18”UCが素晴らしかったこと、我が家の車庫に入る最大の車種が日産NV-200で、これに収納できる最大の望遠鏡であること、等々での選択だ。注文は2015年11月。直前に完成品が売れてしまったので、納期は約半年後、と言われた。18”UCの時もそうだったけれど、当時はネット決済ができず、毎回銀行に行って超めんどうくさい振り込み手続きをしなければならなかった。三菱UFJ銀行ではいじめのような手続きの劣悪さで、送金に1時間半もかかった(不愉快極まるものだったが、ここで掲載してウサを晴らすようなネットあるある行為は行わない)。

 到着は2016年7月。巨大な箱が6個届いた。箱の高さは1mを越え、1個数10sのものもあり、開梱とこれらの箱の処分は大変な労力を要した。さて、これが稼働する前に、周辺機器を準備したのは言うまでも無い。
 

脚立

 大口径ドブソニアン、というと、そびえ立つ脚立が思い浮かぶ。あんな高い所に登って、ちょっとなあ、と敬遠してしまうが、視点2.5mの位置というと2.5mの高さまで登るのではなく、脚立に1m上ればいいだけなのである。そびえ立つ脚立の上部分は、そこに登るためではなく、体を預けて支えるためのものだ。すなわち、大口径ドブの運用の成功の何割かは脚立にかかっている、といっても過言では無い。

 脚立は、やはりハイロ社の製品が傑出。我が家の3段のものなどデザインもいいし、安定性も抜群だ。同社の5段のもの:XXR 225は耐荷重225s! 実際に乗ってみたら安定性は抜群で、視点2.6mも余裕でクリア。トップには、アイピース等も置くトレイもある。アイピースを差し込んでくれ、とばかりに穴が開いているが、径45mmで入らない。残念! 暗闇でレッド・ライトで見ると、ステップの横の赤色がきちんと見え、しっかりステップが認識できる。このあたりの配慮もさすがだ。他社と比べると価格も高いが、ここは望遠鏡と一心同体なのでけちる所では無い 。

 

    

 さらに、3M黒色反射テープ680-85T をステップに貼った。暗闇での安心度がさらに上がり、実際の運用でも文句無しの足台となった。
 

 エンジン付き望遠鏡ケースで、我が家の車庫に入る最大のものは日産NV-200だ。荷物もたくさん積めるのに、車長が4.4mしかない。地面から荷室までの高さはわずか520mm。NYのタクシーにも採用された世界戦略車で 、ベースとなっている部分が共通なので価格は軽自動車のVAMOS より安い。 しかも、営業用の一番簡素なタイプを選んだので、最も安くてカッコいい。実際に運用してみると、高速道路の繋ぎ目の段差のショックや取り回し等々で、カーゴ・トレーラーは選択しなくて正解だった。日産は昔、欧州、アメリカの車のメーカーのエンブレムを模倣して各車種に付けるなど、中国がやっている露骨なコピーと同じような破廉恥な事をやっていて大嫌いなメーカーだったが、初オーナーとなった。アメリカには、Obsessionのデカールを作ってくれる所があってこれを付け、まるでObsession社の営業車のような出で立ちとなった。 バレバレなのでナンバー・プレートも表示したが、254。 25”F4なので。


 

スロープ

 出し入れのスロープは、大口径先達のやおきさんのアドバイスに従ってGuldman 社のStepless 3m にした。3回買い換えて行き着いた、という。価格も恐ろしく高いが、あれこれ検索して介護用品のお店で格安で売っているところを探し当てた。
 

出し入れ

 さんざん考えたが、望遠鏡を低床キャスターを装着した板の上に載せ、電動ウインチで出し入れするスタイルを採用した。望遠鏡の高さが10cm上がってしまうが、運用の便利さには代えられない。ハンマー・キャスターの545S シリーズのストッパーの付いているものを四隅に、左右の間にストッパーの無いものを2個入れて、計6個装着した。また、スロープで安定させるために近所の鉄工所で半自動溶接というもので固定してもらった。この程度の仕事ではお金は取れない、との事だったが、職人さんにお礼を渡したのは言うまでもない。以前、支柱を切ってもらった時も別な鉄工所だったけれど、対応は同じだった。皆、良心的で、訪問した後 、何年経っても未だに感謝しているし、思い出す度に心が温まる。

 

    

 実際に運用してみると溶接した個所は剥がれてしまった所もあり、必要なかったかな、と思う。
 

電動ウインチ

 12Vの電動ウインチは、数千円からある。しかし、すぐ壊れた、等という書き込みを見ると、やはりここは慎重に選定したい。日本製ならRYOBI からいろいろ出ているが、WI-62RC ならリモコンで操作できて便利だ。ミラーボックス総重量は68sで、WI-62RC の最大吊揚荷重は60s。しかし牽引引き上げだし、計算しても(というより、計算するまでもなく)これで十分なことが判った。価格は恐ろしく高い。 しかし、これが壊れたら望遠鏡を収納して帰宅が困難になるので、信頼度を優先し選択した。また、AC 100Vなので、インバーター(しかも正弦波)が必要だ。電流は6Aとあるが、付加がかかると瞬間では3倍程かかることが想定されるので、20Aの供給能力は見ておきたいところだ。 で、ヤマハの発動機 EF1600iS を求めることなった。これなら、結露、曇り除去のための普通のドライヤーが使える。今なら、リン酸鉄リチウムイオン電池の大型バッテリーが使えるかもしれない。

 

 NV200 には、保安基準上、前の座席の後ろにバーを装着する事になっている。バーは、床面から約60cmの高さで太さは3cm位。強度はある、との事だったが、ここに引っ掛けて牽引したら一発で折れ曲がった。そこで座席装着レールに鉄製のアングルをボルト固定し、これに装着しOKとなった。

 天文に発動機、というと怒りしかない。短時間使用ならいざ知らず、個人の撮影のために一晩中騒音をまき散らし、富士山はアイドリング禁止と言うのに、車のエンジンかけっ放し、発動機かけっ放しで迷惑この上ない。最近はバッテリーが優秀になったので激減したが、HONDAの発動機の広告には 「天体撮影には便利で欠かせない」 と出ている人もいて、馬鹿野郎炸裂だ。迷惑をかけて撮った写真など糞くらえ! 私の場合は出し入れの時の2分、曇り除去の時の2分程度なので問題無いと判断している。また、隣に人がいたら、必ず 「2分ほど音を出します」 と断るようにしている。
 

車の改装

 望遠鏡を収納するために、あれこれ改装を行った。最も簡素な営業車なので、内装は何も無くて全部むき出し、これが良い。 また、いろいろな所にフック等が装着できる。まずは全景から。奥にトップリング、機材収納のためのラック、手前はミラーボックスの収納スペースだ。ミラーボックスの防振は、結局、枚方技研のノンブレン・シートを床の溝の凸部分に適当数敷き詰めてベニヤ板で床を作った。

 トップリングは、ご覧のようなエアークッション+防振ジェルの所に収まる。ラック手前のオレンジ色の帯に付いているのは、ローラー。当初、帯に固定されていたが、すぐに外れてしまって、今はそのままとなっている。

 出し入れは、ご覧の通り。サンダーバードのテーマソングを流したいところだ。”タンタカターン、タン、タン、タン、タンタカタンタンターン〜~



 

望遠鏡の組み立て

 キャスターのストッパーをロックし、ミラーボックスにトラス棒を差し込んでノブで固定する。ミラーボックスは仕上げが美しい木製。温度変化に優しく対応できるもので、結露は7年間で一度のみだ。トラス棒はアルミ製のパイプで驚く程軽い。トラス棒は木製のボックス状の所に差し込み、確実にピタッと固定できる。この辺りは流石としか言いようがない。アメリカ製、というと大雑把で作りが雑、という印象もあるかもしれない。大型バイクではハーレーが大人気だけれど、最初乗った時、あまりの大雑把な作りに驚いてしまった。日本がmm単位で作っているとすると(もちろん実際はコンマmm以下だけれど)、これはインチ単位の誤差で作られているのでは、と思ってしまった位だった。私には魅力の無いバイクで縁が無い。しかし、Obsessionのように見事な作品とも言うべき逸品もあるのだ。


 トップリングの固定はご覧の通り。これを持って脚立を登るのは、ちょっとコツが要る。固定は確実で、遠征の度に組み上げても光軸は大きく狂わない。 アメリカ人のオーナーが組み立て動画をYouTubeに載せているが、トップリングの固定をする際、いちいち脚立をクランプの位置に置き直していた。これは鏡筒を回転させれば脚立を移動することなくトップリングを組み立てられるので、失礼だけど、ちょっと笑ってしまった。風がそこそこある時は、シュラウド無しで観望する時もある。

 斜鏡の保護は、18”UC と同じ手法。ただし大きいので植木鉢を利用した。

 ファインダーは、いつものBaader ドットタイプとTNN-883スコープ。これは18”UC を踏襲。大口径、高倍率は本機で、低倍、広視野は883で見て、このシステム一式で完結する。TeleVue Paracorr 2 は必ず入れるが、それでもまたトップが軽い。そこで、RD-400Xでも使用している錘1sをカラピナで付けた。下に続く紐は、望遠鏡を下に向ける時のためのもの。右の白い紐は、シュラウドのトップリング固定締め上げのもので、これを引っ張ることはない。

 視点が高い大口径ドブの場合、「はい、○○入りました。どうぞ。」と脚立から降りて家内が登って見る頃には、視野から外れている公算が強い。そこでServo CAT を載せた。標準ではArgo Navisが付いてくるが、こんな時代遅れのもは使用に耐えず、即売り払った。ところが私の場合、フリー・ストップでないと、何だか体中ロープで拘束されたみたいで息が詰まりそうになる。ちょっとだけ視野を右に動かしたいなら手でくいっと動かせば済むのに、これを電動でボタンで動かすのが耐えられないのだ。導入だってメジャー天体なら等倍ファインダーがあれば即導入できるし、今やSkySafari がメインなので、結局全然使用していない。

 バッテリーは、ミラー・ボックスのファン用。昔ながらの鉛バッテリーが健在なので、未だ使用中。

 SkySafari 用のiPad は、結局スタンド等ではなくベルトで首から下げるタイプが一番便利だ。普段は画面をお腹側にしてぶら下げておくと光も漏れず、周囲に迷惑をかけない。SkySafari 7 pro になって、ナイト・モードも使えるようになった。また、最近のiPad はペンシルが横にマグネットで付けられ充電もできるので、冬、手袋を付けての操作が楽になった。
 

運用

 何事も慣れだ。年数回の遠征だけど、程なくして出すのも入れるのも30分もあれば出来るようになった。個人天文台があればこの手間は省けるけれど、手が届く適切な所が見つからないし、遠征できる新月期にそこが晴れるとは限らない。また、楓林舎のような最高の所の定期訪問は外せない。

  口径 f 焦点距離 倍率 実視界 見掛視界 アイ・レリーフ 射出瞳径 備考
Obsession 25"f/4 635mm 4 2540mm            
Paraccor 2 (1.15×) 635mm 4.6 2921mm            
Nagler 5     31mm 94 0.87° 82° 19mm 6.7mm パラコア位置:A
Brandon EFL     24mm 122 0.44° 53°   5.2mm 馬頭用。2群4枚、ORに近いPL
                  パラコア位置:B
Ethos     21mm 139 0.7° 100° 15mm 4.6mm パラコア位置:A
NAV-HW     17mm 172 0.6° 102° 16mm 3.7mm パラコア位置:Aの前 (奥まで挿せない)
NAV-HW     12.5mm 234 0.44° 102° 16mm 2.7mm パラコア位置:DとEの間
Apollo 11     11mm 266 0.32° 85° 18mm 2.2mm パラコア位置:C
Ethos     8mm 365 0.27° 100° 15mm 1.7mm パラコア位置:B
Ethos     6mm 487 0.21° 100° 15mm 1.3mm パラコア位置:B
Pentax XO     5mm 584 0.08° 44° 3.6mm 1.1mm  
Ethos SX     4.7mm 621 0.18° 110° 15mm 1mm パラコア位置:H
Zeiss ABBE II     4mm 730 0.06° 43°   0.9mm  
Ethos SX     3.7mm 789 0.14° 110° 15mm 0.8mm パラコア位置:H
Pentax XW     3.5mm 835 0.08° 70° 20mm 0.8mm  

 アイピースは太字のものを多用するが、圧倒的にApollo 11が多い。これで訪れる銀河は、屈折等で光のシミのようなものでも、特徴的な形、そして腕までもが見える。球状星団は、言うまでも無く暴力的な大迫力でぐうの音も出ない。惑星状星雲は数百倍で内部構造も見え、惑星も別次元。網状、絹状はOIIIで捩れた骨のような圧倒的な像が展開される。OIIIを入れても光量が落ちないのだ。大変だけれど、 やはりそれだけの価値がある。皆が持てるものではないが、持っている人に見せてもらって、是非、この世界を知ってもらいたいと思う。もし、私を見かけたら遠慮なく声を掛けてください。喜んでお見せします。


2019年4月6日、天城
 

主鏡洗浄

 運用して4年。汚れが少し目立ってきたので洗浄した(2020年6月)。ミラーは32.8sあるが箱の底にあるので、これを中腰で取り出すのはなかなか大変だ。息を吐きながら気合一発!まもなく1人では無理だろうなあ。

 きれいになると、明るさが全く違う。これが星像に貢献しない筈は無い。
 

Zambutoミラー

 RD-400X のZambutoミラーはあまりにも凄い。これぞお宝だ。25”ミラーがZambuto 製だったら、とは思ったが価格は高いし、今の25”だってこんなに見えるし、そこから思考が進むことは無かった。ところが! 双望会でNikon WX を開発した西岡さんが自宅で惑星を見るためにZambuto 24”ミラーを注文した、という。彼は私より4〜5歳年上でミラーが届く頃は60歳後半になっているはずだ。攻めているなあ、と衝撃を受けた。限界と言うものは、自分次第だ。競う、というスタンスではなく、彼がそこまで攻めているなら、とその姿勢を見習って2019年秋に注文してしまった。私も65歳、いつ死ぬかわからない。就活といって縮小する人もいるが、私の場合、縮小してもそれなりのものが残ってしまうので、オーディオもそうだけど、死ぬまで突き進んでい こうと思っている。私の死後、貴重な機材は二束三文で処分されるかもしれないが、有効利用されればそれで良い。かわいがってね。

 
月で焦点距離を確認。最近はレーザー計測器が安くて便利だ。右は、蒸着中の私のミラー。

 注文はクオーツにした。大口径だし、温度順応が早い方が良いから。ミラーの厚みは54mmから44.7mmへ、重さは32.8sから27.5sになった。焦点距離は自在にオーダーでき、ミラーが薄くなった分だけ伸ばすようリクエストした。納期は約2年との事だったが順調に遅れ、2022年8月に届いた。届く1ヶ月位前に、焦点距離が2541mmとなった。しかしミラーの厚みが減った分の焦点距離を延ばすのを忘れた、とメールが届いた。ミラーは9.3mm薄くなったので 、フォーカサー面が鏡に8.3mm近くなったことになる。その位はフォーカサーに余裕があったしミラーも良く磨けたとの事だったので、そのままでOK、と返事した。

 届いたミラーは、例によってマスクと手袋が入っていて、唾液に注意せよ、と。コーティングが安定するまで半年は要注意だ。そっとミラーボックスへ収めた。ファースト・ライトは2022年9月21日、楓林舎。ワクワク、ドキドキ。

 元々が良く見えていたので、劇的な差はない。しかし、球状星団の分離は一枚上手で、M57はリングが青いだけでなく、両端は少し赤みがかっている。 先入観を植え付けるといけないので黙って友人に見せたら、同じ感想が同時に得られて、お互いにちょっと驚いた。元ミラーは買い手が見つからないので、家に保管している。欲しい人がいたら、連絡ください。その後もコンスタントに運用、活躍。 望遠鏡本体が届いて、早7年も経ってしまった。宮古島やハワイ、オーストラリアで見たら、いったいどうなるんだろう、と夢は膨らむ。
 

ファインダーはTSN-99Aに

 TSN-883は99Aにグレードアップした。これで見ていると、これだけでもいいか、と思わせる位素晴らしい。10cm高品位望遠鏡達に全く引けを取らない。


朝まで観望し、後片付け。今まで見えなかった銀河、散光星雲、惑星状星雲が見えると、心地よい疲労の中で片付けも苦にならない(2023年10月)。
 

大型バッテリー(2023年10月21日)

 以前から大型バッテリーをチェックしていた。山ほど出ているが、信頼のあるメーカー、容量等で、やっとこれは、というものを見つけた。もとろん災害対策用でもあり、これなら停電になっても冷蔵庫を保持できる。購入したものは、Jackery 1000 Plus。新機種で、一気に容量が増えた。何と定格2000Wで瞬間4000W! Amazonのセールで3割引の時に購入した。また、充電用パネルは200Wのものが、同じくセールになっていたので購入した。200W位無いと、実用にはならないと思う。

 実際にウインチは難なく動作。また、1200Wのドライヤーも動くので、結露したアイピース、スコープ、ドット・ファインダー等も飛ばせる。斜鏡はヒーター付きにしたのだが、これがよろしくなくて、それについては間もなく掲載予定。ソーラー充電パネルも良好。70%台だったのが昼に2〜3時間出して満充電になっていた。これ、高価だけれど、災害対策用として一家に1台あって良いと思う。割引セール時が狙い目だ。

 *掲載にあたってチェックしてみたら、割引セールで余程売れたのか、Amazonでは取り扱い中止、他では本体だけでも4万円ほど高くなっている。タイミングって大事だ!
 

斜鏡ヒーター(2023年10月21日)

 望遠鏡のオプションで、斜鏡ヒーターが用意されている。もちろんオーダーした。バッテリーは006P 9V。006Pは容量が小さく高価なので、最初充電式006Pを用意した。ところがこれはニッケル水素なので、1セル1.2Vの6個シリーズ、7.2Vなのであって、表示の9Vはインチキだった。結果、全く役に立たなかった。黒色の部分は、斜鏡スパイダーに装着するためのベルクロ。

 次に、標準006P電池で動作。これが一晩も持たない。気が付けばバッテリー切れで盛大に曇っている。これではコスト対価も全く見合わない。そこで、以前SkySafari(旧型)で使用していたEnegizerが9V出力もあったのを思い出し、これを006Pスナップで接続して使用することにした。実際に富士山で試したが、ここは結露皆無なので結果はわからず。空は最高だが結露も最高な楓林舎で試してみよう。11月は行くチャンスがあるだろうか。
 

iPad用ベルト(2023年10月24日)

 iPadは、スタンド等ではなく、首から吊り下げるのが一番便利だ。昨年iPad Proを買い足して、ケース、ベルトはこうなった。詳細はSkySafari + Nexus のページへ。
 

ドット・ファインダー結露対策 (2023年10月25日)

 
 

  トップ・リングには、私の定番、Baaderのスタンダード・クランプ2457000Aに同社Sky Surfer III が付いている。クランプは他社から比べると高価だが、何といってもデザインと仕上げが秀逸で、ファインダーを装着する時に触れるだけで達成幸福感が得られるのと、まだ安かった時の買い置きがあったので迷わず装着。

 Sky Surfer III は軽量で使いやすいが、結露にめっぽう弱い。以前はヒーターを仕込んだこともあったが、今、行っているのは、曇ってドライヤーでは面倒くさいので(この機種は結露を飛ばすのにけっこう時間がかかる)、もう一つの無事なものと交換し即時回復させる、というもの。冬場だったらダウンのポケットにホッカイロが入っているので、そこで曇ったファインダーを忍ばせる。トップリング回りはスッキリさせたいのと、このファインダーの手持ちが沢山あったため。何でたくさん手持ちがあるかというと、国際光器の経営者が代わり一旦閉店する時、元社長のグーリーさんが、売れ残っていたSky Surfer III 数個をいきなり 「これ、あげる」 と下さったから。めちゃくちゃ嬉しくて今でも感謝を忘れたことが無い。私の機材には皆これが装着されているのは、そういった事情があった(世間の皆様には悪くて今まで言えなかった)。
 

鏡筒バランス調整(2023年12月10日)

 主鏡がZambuto となり、5.3s軽くなった。しかし、ミラーボックスに取り付けてあった錘がそのままになっていたので、アイピース側にも錘を付けて使用していた。これがやじろべえのようになっていて、鏡筒がスッと収まらない。観望現場に時間の余裕を持って行けないことが多く、自宅の前は斜面なので望遠鏡を広げることもできず、ついそのまま観望を続けていたが、ようやくこれの解消を行った。元々装着していた錘は4.2sで、鉛粒を0.7s減らして3.5sにしたら、ちょうど良かった。また、錘の位置を下に下げた。これは、高い位置に装着すれば錘の重量を減らせるかな、ということで最初はそこに付けたのだが、光軸調整のノブに干渉して良くなかったので。
ちなみに調整は、近くの公園駐車場に朝一番5時半に行って7時半には引き上げた。よって実際には天体は見てはいないけれど、たぶんOK。
 

    続く.....!

    その1: あくまで妄想ですが


2021年4月30日、片倉ダム

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