
断想1
IT革命だと言うことだ。グーテンベルグ以来のことらしい。商売に時空の制約がなくなり、社会に地縁血縁の幻想がなくなり、ガキどもはデジタルな生死に発作し歯止めを知らない。確かに大きな時代の曲がり角に来ていると思う。あらゆるわけの分からぬ事象は歴史のカーブが弾き出した必然の花のようにも思える。だからあんまりうろたえる必要もないのだ。歴史は言葉と同じで主体という「私」と生成を重ねているのに過ぎない。いままでの「私」で量れないからと言って、これからの「私」が失われるわけではないのだ。時代が曲がれば、曲がってゆくことをする「私」をすればいいのだし、それが嫌なら嫌な「私」として生きてゆけばいい。要は歴史や言葉とべったりな主体など嘘っぱちだいうことだ。それを見極めろ。私はどこへもいかないし、たぶんはじめからここにいたのだろう。
00/05/15
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