オーディオ日記 第56章 音楽三昧の日々(その12)2023年11月24日


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I really don't know life at all:

優れたスピーカーユニットはやはりオーディオの命だ、とあらためて思う。達人宅にて「ダイヤ三兄弟」の音を拝聴させていただいた。ツィータであってもかなり高価なAccutonのダイヤモンド振動板ユニットであるが、それをミッドハイ用( 51mm )、ミッドロー用( 90mm )と揃えたマルチアンプ駆動の4wayスピーカーシステムである(低域はオーディオテクノロジー25cmウーファを背面対向で設えたもの)。

Accuton BD90:(尊顔を拝するだけでも幸せになれるかも)
Accuton BD90

当方レベルでその音を云々するのは僭越だと思うが、音の存在感が明確で実に自然。声や楽器の質感はオーディオ的な良い音という尺度ではうまく表現できないものがあって、再生し切れていない音など無い、という程のリアリティで音楽が展開する。(月並みな表現ではあるが)ホールにワープしたのかと錯覚するほどのオーケストラ、、、このような域に自分として到達することができるのか、と嘆息してしまう。

オーディオでここまでの音が再生できるという意味、ならびにこれが自分の限界かも?などと思っていたその認識を改めることが出来た、という点で羨望など通り超えて極めて有意義な体験でもあった。同じ道を行くことは出来ないにしても大きな目標のイメージとはなり得る。

三兄弟という観点ではMyuさんの太鼓三兄弟(Accuton)、楕円三兄弟( Scanspeak Ellipticor )を追いかけるように当方もベリ三兄弟を実現してきた。ひとつのコンセプト、あるいはユニットの特徴や振動板でシステムの方向性を揃える、ということが音に対してどの程度のインパクト、効果が挙げられるのか、まだまだ手探り状態でもあるのだが、何らかの「解」がここにあるようにも思える。

ベリ三兄弟 は熟成というには程遠いんだろうけれど、自分なりに煮詰められてはきており、振動板素材をベリリウムで揃えたことの特徴も感じられるようになった。一般論的に云えば、軽くて剛性の高い振動板による音はキレやスピード感なのかもしれないが、音楽として提示される場合は、それらはむしろ響きの柔らかさ、音の自然さとなって表現されるんだと思える。鈍った高域感ではなくどこまでものびやかに鳴ってくれるので、バイオリンソロなどついつい聴き惚れてしまう程の心地良さ、と云えばよいだろうか。

現在の構成はベリ三兄弟のうち、中高域を Bliesma M74B からSONY SUP-T11に適宜切り替えて聴けるようにもしてあるので、比較も時折りしている。SUP-T11はアルミ振動板なのだが所謂「アルミの甘さ」というものもほのかにあって(この音が長年体に馴染んできたせいか)、ゆったりと安心して聴けると思う。SONYの中高域、低域用の 各ユニット は誕生から30年近く、我が家に来てからも既に20年以上経つ。決して懐古趣味の音ではなく、本当に良いユニットは多少高価でも不滅なんだな~と改めて思う所以でもある。

現状はベリ三兄弟の構成でも低域にはSONY SUP-L11を使用しているのだが、背面対向の低域ユニットを聴くとやはり相応のアドバンテージが感じられる。となると、ベリ三兄弟の場合と中高域をSUP-T11に切り替えた場合には低域も棲み分けてみたくなるのだ。先に 掲載 したSB Acousticsの24㎝級Carbon Textremeユニットなどが候補となろうか。だが、問題は設置スペース、、、こればかりは我が家では如何ともし難い事情がある。

人生には挫折もあれば自分なりにステップアップできた喜びもまたある。そう思って自分の定めた道を尋ね歩いて来た。だが、ここまで来てもなおオーディオの終着駅とは云えず、「I really don't know (audio) life at all」だと痛感してしまう。


                 4way構成の-12dB/oct設定値(2023年11月24日)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
(Experimental)
BeW-16
Bliesma
M74B-6
Scan Speak
D2908
-
能率
能率(90dB基準相対差)
dB 97.0 (+7.0) 87.5 (-2.5) 97.0 (+7.0) 92.0 (+2.0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +1.2 +0.7 +2.1 +4.7
マスターボリューム
アッテネーション
dB -9.0 -2.0 -3.0 -0.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0 0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 89.2 86.2 84.1 84.7
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz

200
200

1000
1000

4000
5000

High Pass

Low Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-12 12-12 12-24 24-flat
DF-65 DELAY
設定
cm -7.0 +22.0 +20.0 +25.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Rev Norm Norm  
DF-65 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-65デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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