オーディオ日記 第55章 この道はどこへ続くのか(その22)2023年8月29日


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見果てぬ夢の最終コーナー:

単に音楽を聴くツールとしてだけではなく、オーディオ機器そのものにも見果てぬ夢を見続けてきた。選りすぐって集めてきた機材によって、いずれは望む音にたどり着けるだろうと、、、そう思ってはきたものの思うようにはなかなかならず既に半世紀程が経ったことになる。限り在る時の流れの中でこの夢が実現できるのか、あるいは多少なりとも近づけるのか。自分としてはまだまだ決着をつけるような最終解は得られていないけれど、思わぬ僥倖とも相俟って何とか最終コーナーを回れたのではないか、やっとそう思えるようになった。

オーディオも人生の一部としてさまざまな出会いがあり、そこに楽しみがある。また偶然がもたらしてくれる喜びもある。Bliesma M74Bの導入によって、高域、中高域のスピーカーユニットの振動板をベリリウムで揃えることとなり、その結果は期待を超えて自分でも申し分のないほどのものとなっている。人間とはかくも欲深いと思わざるを得ないのだが、これに気を良くしてさらに中低域についてもベリリウム振動板のユニットを、と希求してしまう自分がいる。

現状16cmクラスの入手可能な市販ユニットはない。無いはず、と考えて悶々としてきた。だが、今現実として手元にはベリリウム振動板のミッドウーファーがある。厳密にはこれも市販品のユニットとは云えないのだけれど、そんな事情や経緯は結果論で余り意味がない。天啓のような導き、そして厚意によってこのユニットを譲っていただき、今我が家にやってきたという事実。それだけでとても言葉に表せないほどに幸せである。

これにて我が家の4wayのスピーカー構成において、高域、中高域、中低域の三つのユニットをベリリウム振動板で揃えることができた。このようなある意味お馬鹿?とも思われるようなスピーカーシステムの構築を追求している人はおそらく沢山いるんじゃないだろうか。突き詰めて考えてみればオーディオファイルというものはそもそもが皆お馬鹿であろうし(失礼!)、、、元より素材云々で音を語る愚は承知している。然れども、出てくる音が全てを語る。実際にはここから中低域に関して、Beryllium vs Carbon Textreme のバトルが始まることになるのだけれど、再生される音楽そのものがオーディオ機器としてのポテンシャルと素性を顕にする。そして、何より大事なことはここに「幸せの音楽」が提示されていること。もう、ただそれだけで良い。

左:Beryllium Unit 右: Carbon Textreme Unit(外観は優劣付け難い)
Qrino BEW-16 Bliesma M74B 01 Carbon TextremeとBeryllium構成 の例

見果てぬ夢と嘆息し諦めてしまえば、何も始まらない。何も得られない。だが、ちょっと青臭いような表現で恐縮だが実現しようとする意思があればきっと道が拓ける。じっとしていたら進展など何もなかったかもしれない、、、

自分の機器や音について言葉にして語ることは難しいのだが、今ここで聴ける音は自分なりに求め続けてきたイメージを具現化できているように思う。けれど、これはオーディオファイルが驚嘆、賛美するような類の音では決してない、とも思う。多分拍子抜けするように淡々として楚々と鳴るだけである。だが、それが自分が永らく求めてきたものだし、それで納得ができる。

だから、自分では懸命に冷静になろうとは務めているけれど、やっとやっと最終コーナーを回れたんだと思えるほどに感激がある。自分なりにとても永い時間思い続けてきた幸せの音楽を今ここで、そしてこれからも聴いていけるということ。これをどのように表現すれば良いんだろうか。ストリーミングによって無限と思える音源を手にできている今、最早オーディオ機材に関してあれこれと悩むことはもう卒業して、「聴き専」になってもいいんじゃないか、と思ってしまうくらい。

だが、まだここから先にゴールがある(はず)。残された直線があとどのくらいなのか、それは判然とはしておらず見通せてもいない。けれど、あと少し、もうちょっとだけなら行けるかな、、、


                 4way構成の設定値(2023年8月17日暫定)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
SB Acoustics
MW16TX
Bliesma
M74B-6
Scan Speak
D2908
-
能率
能率(90dB基準相対差)
dB 97.0 (+7.0) 87.5 (-2.5) 97.0 (+7.0) 92.0 (+2.0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +0.0 +0.3/-1.0 +3.0 +3.5
マスターボリューム
アッテネーション
dB -9.0 -2.0 -3.0 -0.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0 0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 88.0 85.8/84.5 85.0 83.5
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz

250
250

900
1000

4000
5000

High Pass

Low Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-24 24-24 24-24 24-flat
DF-65 DELAY
設定
cm -8.0 +19.5 +22.5 +25.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm  
DF-65 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-65デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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