永遠の旅人:Symphonic-MPD V1リリースに寄せて
(2020年5月19日追記)
Symphonic-MPD V1.0.1において以下の追加導入や設定、稼働に問題ないこと確認済。
1.
UPnP化(upmpdcliのインストール)と設定
2.
minim serverのインストールと設定
3.
ffmpegのインストールと設定
(注記)USB3.0にてUSB HDD/SSDを接続する場合の
留意事項について
(追記終わり)
目出度くサラリーマン生活をリタイアした時に念願であった四国八十八札所の遍路をしたことがある。歩いての遍路が本来ではあるけれど体力的な自信も無かったし夫婦での行脚なので車で回ったのだけれど。最初は不慣れであった般若心経などの経読みも徐々にはそれらしく諳んじられるようになったし、何より遍路宿の従来のホテルや旅館とは違う独特な雰囲気に旅愁を感じもし、また自分なりの冒険の旅としての楽しさも堪能できた。そんな遍路の途中で出会った人々の中に「永遠の旅人」と思われる人が幾人かいた。当節風に云えばホームレス?なのかもしれないが、四国の人たちの人情とお接待に支えられて果て無き遍路を続ける人々である。徒歩で一周するのには早くても50~60日程度はかかるものと云われているが、それを風雨と粗食にも耐えつつもう何十周も淡々と。ある意味終わり無き旅路でもある。
常軌を逸したものなのか、信念に支えられたものなのか、はたまた千日回峰にも通じる祈りと修行の道なのか。人にはそれぞれ生きる道があり、その是非は他人が口を挟めるものでもないし、自分とて傍から見ればやっていること(特にオーディオに関して?)は、まぁあんまりまともとは云えないかも知れぬ。
さりとて、人は皆それぞれが「永遠の旅人」でもある。己自身の終着駅に辿り着くまでのほんの一瞬ではあるけれど、、、
さて、そんなことをつらつら回想をしつつ、ついにV1.0を冠したSymphonic-MPDのリリースである。当方がラズパイに染まって丁度一年位経過し、その間本当にいろいろな環境を模索、試してきた。もちろんとても全部と云えるほどのものではなく、限られたディストリビューションに絞ってある種粘着質的に音の追及を目指してきたもの。さらにラズパイ4という新しいプラットフォームの登場もあってこのラズパイオーディオ自体も一段と進化したのではないだろうかと思う。もちろん、当方のやっているようなことが、廉価なラズパイに似つかわしいアプローチなのか定かではない。所詮はデジタル音楽再生そのものが現在のレベルで考えればさほど大きなCPU処理パワーを必要としないので、プラットフォームの進化との相関関係は未だ曖昧のままである。
幾多のLinux系ディストリビューションがあるが、音楽再生アプリとして基本はMPD(Music Player Daemon)を土台としており、そのアドバンテージをベースとしたパッケージングの差異であって、根本としてはほぼ似たようなものと云えるかもしれない。だがオーディオ的に見て面白いのはやはりそれぞれ音のイメージが違うのである。全く違うというほどの事は無いとしても好みを踏まえて考えればいろいろな取捨選択の要素が内在されている。
当方のPCオーディオ(ラズパイ遊び)もまた札所をぐるぐると巡り続け、目的地に辿り着けない永遠の旅人と内心では同じようなものかもしれないと達観している。それは自分自身だけではなく、多くの聴き手、開発者とて(あるいは全てのオーディオファイルが)同じなのかもしれない、と思うこともある。
完璧でありたい、今日より明日はもっと良い音で聴きたい。それが行動の原動力なのかもしれない。このような向上心はまたそもそもが人生を生きる意義でもあって、とても無意味なことと捨て去る事は決してできない。そして今ここで聴けるSymphonic-MPD V1(正確にはV1.0.1)、これはこれでもう充分すぎる幸せの音を奏でてくれる。今更ながらラズパイオーディオにチャレンジして良かったな、とも思える。脳細胞の活性化(老化防止ではない!)も考えてLinuxへのアプローチを再スタートさせたところもあるのだが、勉強することも多く未だあれこれ試行錯誤、ネット検索で情報を仕入れ(誤情報も多い)ては知識の拡充が不可欠な興味の尽きない世界でもある。
オーディオに限らず世の広告宣伝や口コミなど情報は多いけれど、本当に自分にとって必要な情報なのか、不可欠必須なオーディオ機器の導入に繋がるのか吟味が必要なことは変わることがない。だが確かな事は自分で聴いてみてそれを確かめること。優しくてしなやかで、そしてたおやかなモーツアルトがここで奏でられているか。その上で手元に置いておきたい、となればおそらくは正しい道なのだろうと考えるようにもなってきた。しかし、動向のアンテナを張ることや情報自体は必須だと思うし、それを面倒に思わずチャレンジ、試してみることもまた大切なこと。
この先自分のオーディオが何処まで行けるのかは分らないし、まだどのような選択肢が残されているのかも亡として見通せない。機器でできることの限界も感じつつ、素晴らしい音楽ありきで考えていく方が少しは幸せになれるのかもしれない。翻って我が身を鑑みれば自らもまた流浪する旅人であることは間違いない、、、
4way構成の設定備忘録(2020年4月4日更新)設定値
項目 |
帯域 |
備考 |
Low |
Mid |
Mid-High |
High |
使用スピーカー ユニット |
- |
Sony SUP-L11 |
Sony SUP-T11 |
Accuton C51-286 |
Scan Speak D2908 |
- |
スピーカーの 能率(相対差) |
dB |
97 (+4) |
110 (+17) |
93 (+0) |
93 (+0) |
|
DF-65の 出力設定 |
dB |
+1.2 |
-10.0* |
+1.7 |
+4.5 |
|
マスターボリューム アッテネーション |
dB |
-3.0 |
-3.0 |
-6.0 |
-3.0 |
|
パワーアンプでの GAIN調整 |
dB |
-6.0 |
-12.0 |
-6.0 |
-12.0 |
|
スピーカーの 想定出力レベル |
dB |
89.2 |
85.0 |
82.7 |
82.5 |
|
クロスオーバー 周波数 |
Hz |
pass ~ 710 |
710 ~ 1600 |
1600 ~ 2500 |
4000 ~ pass |
Low Pass ~ High Pass |
スロープ特性 設定 |
dB/oct |
flat-48 |
48-48 |
24-24 |
24-flat |
Low Pass High Pass |
DF-55 DELAY 設定 |
cm |
-7.0 |
-36.0 |
+28.5 |
+32.0 |
相対位置と 測定ベース |
極性 |
- |
Norm |
Norm |
Norm |
Norm |
|
DF-55 DELAY COMP (Delay自動補正) |
- |
ON |
自動補正する |
DF-55デジタル出力 (Full Level保護) |
- |
OFF |
保護しない |
|