#361 WebページからSNSへ

2014/08/21

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 私がこのページを始めたのは今から16年も前のことである。最初の頃のページにいろいろ経緯を書いたが、Windowsパソコンが手に入り常時接続環境ができて、と言ったことが重なって「いっちょWebサイトを作ってみるか」ということで、所属する劇団のホームページを立ち上げるとともに、こんな駄文を綴ったサイトを勢いで立ち上げてしまった次第である。

 最初の頃の更新頻度を見ると、あれこれ書くのが楽しみで、それこそ数日おきに更新をしていた。最近では月に一回更新するのがやっとであるが、それでもここまで続けると、単にやめてしまうのも惜しい気がして、適当なネタを見つけては、駄文を書き連ねてきた。

 Webサイトを一から作るのは、HTMLの記述など、若干敷居が高いところがある。私も最初のうちは、HTMLを作成してくれるオーサリングソフトに頼っていたのだが、そのうちにHTMLをきちんと勉強して、自分で直接HTMLを書くようになったり、オーサリングツールを作ったりするようになった。

 そのうちにブログが流行るようになり、特に技術的なことに詳しくなくても、簡単に情報をネットに公表できる環境ができた。ブログが通常のWebページよりももてはやされるようになったのは、作成にかかる敷居が低いこともさることながら、トラックバックやコメントなどにより、読者とのコミュニケーションが取りやすいということがあると思う。人間誰しも、自分の書いたものに対して反応があるというのは嬉しいものであるし、そういったフィードバックを得られることが、継続して更新していく原動力になるということもあるだろう。

 こういったコミュニケーションツールという意味では、昔から掲示板とかチャットルームと言った仕組みもあることはあったが、参加者を特に限定しないような仕組みが多く、部外者が入ってきて意思疎通がうまくいかなくなったり、変な宣伝に使われてしまったりということになって、うまく機能しない場合が多かった。

 そのため次に出てきたのが、TwitterやFacebookなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)である。SNSは、全体としては一つのサービスであるが、ある特定のテーマに興味がある人たちどうしで繋がることができる仕掛けを用意することで、共通の話題に関する参加者間のコミュニケーションが容易になるようにしている。

 これらSNSが隆盛になったのは、スマートフォンの発達といったハードウェアの進化が重なったことと無関係ではないだろう。それまでPCの前に座らなければインターネットにアクセスできなかったのが、スマートフォンという常時肌身離さず持ち歩けるデバイスが小額の初期費用で誰でも持てるようになることで、いつでも誰でもインターネットに繋がることができるようになった。

 ともあれ、SNSの時代になったことで、現在ではブログのような仕組みすら自分で用意する必要もなく、誰でも参加でき、誰でも情報発信でき、誰でも意見交換できるようになった。何か事件やイベントがおきれば、その場に居合わせた人間が情報発信者になり、瞬く間に伝達するようになる。それは時として、マスメディア以上の力を発揮することもあるし、特に民主化が進んでいない国々では、為政者の脅威になることすらある。一方で、短文でのコミュニケーションでは内容の真偽を判断することが難しいということもあるため、発信者に悪意や誤解があったりすると、正しくない情報が拡散することもあるわけだが。

 そんな具合で、ネット上の情報発信のツールは、個人が作るWebページから、ブログの時代を経て、いまやSNSが全盛になるなど、次々と新しい形態が生まれてきたわけだが、次回は、人々がなぜネットで情報発信しようとするのかについて考えてみたい。


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