#042 電気が要るのだ

1998/12/19

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 これまで何度か書いて来たように、私は結構いろんな小型電子機器を出先で使用している。これらについて常につきまとう問題が、バッテリによる駆動時間の問題である。

 当たり前の話だが、野外でコードレスで使うこれらの機器は、できるだけバッテリが長持ちしてくれた方がありがたい。しかし闇雲にバッテリの容量を大きくしようとしても、今度は重くなって携帯性が失われてしまう。出先で使用する小型電子機器についてはこのあたりの中庸の度合いが難しい。

 またバッテリについても、一次電池と二次電池とに大きく分けられる。要するに充電できない使い捨てのものが前者で、充電可能である程度の回数再利用が可能なものが後者である。もちろん短期的に見れば一次電池の方が安上がりなのだが、何度も使用することを考えると繰り返し利用可能な二次電池の方がコストパフォーマンスは良くなる。使いきった電池の処理問題についても気を遣う必要がある。

 というような色々難しい状況を踏まえて、以下に、私の持つ小型電子機器おける電池事情について書いてみる。

携帯端末(HP200LX)

 一次電池としてアルカリ単3乾電池2本で駆動の場合、連続使用で約10時間。二次電池としてはNi-Cd単3充電池2本で、約6時間は駆動する。通信などを頻繁に行うと消耗は更に早い。通常の場合は3分間使わないとサスペンド機能が働き電源が切れるので、状況にも依るがだいたい1週間くらいは電池切れのことを気にしなくてすむ。ACアダプタを使って本体に入れた充電池をそのまま充電可能であり、ロシアで別の充電器を壊した時(#024参照)には大変重宝した。

デジタルカメラ(MINOLTA Dimage V)

 単3乾電池4本で駆動するが、アルカリ電池の場合はフラッシュを多用するとすぐに消耗する。Ni-Cd充電池の方が大電流に強いせいか、駆動時間は長いようである。そのため通常はNi-Cd充電池4本と充電器を利用している。充電器はロシアで高電圧を食わせて壊した経験があるので2つ目である。一方フラッシュを焚かない撮影ならばかなり長期間使用することが出来る。オートパワーオフが1分で働くため、知らぬ間に電池を使いきる心配はほとんどない。

ポータブルMDプレーヤー(SONY MZ-E30)

 専用のガム型Ni-MH充電池を採用しており、フル充電で4時間は駆動する。充電時間も比較的短い。その他単3乾電池1本を併用すれば20時間以上は連続再生可能である。電池重量対駆動時間で見れば、当時は他社製品に比べ圧倒的に抜きん出ていた。ただ、使っていない時にもスイッチが入りやすく、連続再生モードにしておくと電池が尽きるまで鞄の中で鳴っていたりするという失敗を何度となくやっているので、使わない時はスイッチホールドを忘れないようにしている。

携帯電話(DoCoMo P205)

 以前持っていたP201は、交換する直前は充電池の寿命が来ていたのか、連続待ち受け時間が徐々に短くなってきていた。現在のものは、専用の充電池で待ち受け170時間と言うが、受けたりかけたりしていれば、もって4日というところである。市販の一次電池で代用不能であるため、電池が切れると手も足も出なくなる。週末くらいなら大丈夫だが、それ以上の屋外使用にはちょっと心許ないため、その場合はアダプタも携帯する。アダプタ自体は以前に比べ随分小さくなった。

 以上まとめてみると「週末くらいなら充電器なしでもなんとか大丈夫だが、それ以上になるとちょっと心許ない」という具合である。従って、少し長期に渡って出かける時は、これら各種機器の充電器も共に携帯することになるのだが、これらの重量や体積も結構ばかにならない。例えばNi-Cd充電器については、通常のものよりも高速充電型の方が便利なことは間違いないが、逆に重いというデメリットもあるので、通常のものを使用している。その分充電には時間がかかることになるので充電は寝ている間に行うことになる。従って、前夜のうちに充電をし忘れたり時など、結構悔しい思いをする。

 またこれらの充電器は、LXのものを除き100V以外の電圧に対応していない。そのためデジカメ用の充電器は、ロシアへ行った際に誤って一度壊してしまったし、MDプレーヤーについては初めから充電器を持って行かず、単3電池ですませた。携帯電話はどのみち海外では使えないので、出国中は電源を切っておけばいい。

 携帯型のパソコンでは、スマートで長持ちする電池は永遠の課題であるが、最近はリチウムイオン電池などが採用されたりして、以前にくらべてずっと事情は良くなった。はずなのだが、一方CPUなどのハードウェアの高性能大消費電力化がそれを上回り、結局バッテリ持続時間は昔と比べてもあまり伸びていないと言う状況である。いくら小さく軽くなってどこでも使えると謳っていても、新幹線で東京から大阪まで行く間電池がもたないと言うのではお話にならないと思う。別にPentiumなど使わなくてもいいから、充電なしで長時間使え持ち運びが苦にならないパソコンが欲しいものだが、やはりトータルバランスを考えると、未だにHP200LXを越える携帯マシンは存在しないような気がする。


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