#024 プラグも色々・電圧も色々

1998/10/20

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 ロシア国に3週間ほど出張に行って来た。いろいろあったがどうにか無事に戻って来たので、向こうで起きたことなどをネタに、また雑文をつらつら書き始める

 海外に行く際には常識であるが、日本の商用電源を使う電気製品は、海外ではそのまま使えない場合が多い。一つはプラグの形状の違いである。よくご存じの通り、日本のプラグは2枚の穴の開いた板状の電極が向かい合って並んでいる形状のもので、誰が決めたのかは知らんがこれをA型プラグというらしい。

 かたや海外のそれらを見ると、大きく分類して7種類ほどのプラグがあるらしい。柱状の電極が2つ並んだもの、板状のそれがハの字型についているもの、電極も2つとは限らない。そしてそれらの配置や間隔の違いなどにより、いくつかの種類が存在するのである。ちなみに今回行ったロシア国の場合はC型と分類されるもので、2本の棒状の電極が平行についているという極めてシンプルなものである。

 自分が行こうとする国でどのようなプラグがつかわれているのか知らなければ、旅行用品店のプラグアダプタ売り場に、どの国でどのタイプのプラグが使われているかの一覧表があるはずなので、それを参考にして必要なアダプタを購入すればいい。ただどういうわけか、どの国の場合でも、地方によってか時代によってか、実際には複数の種類のプラグが存在するらしく、はっきりいってその資料だけでは結局どれを選択すればいいのかわからない。で結局、ひととおりの種類の物をそろえて買った方が安心だと言うことになる。昔はそれらひととおり7種類くらいのプラグをセットにしたものが売られていたが、最近では、いろいろに変形出来てどんな種類のコンセントにも対応するプラグアダプタもある。私も今回はそれを購入した。

 さてプラグアダプタを使ってコンセントに差しこむことができればそれでいいかというと、そうはいかない。第二に、電圧の違いと言うものがある。

 日本ではご存じの通り通常は100Vの電圧がコンセントにかけられている。だが100〜110Vの電圧のコンセントのみが使われている国は、日本やアメリカなど、むしろ少数派で、全世界的には220V以上の電圧がかけられていることが多い。ロシア国も後者の方である。

 高電圧対応の製品を低電圧のところに入れても、動作しないだけで壊れることはあまりないが、逆の場合、つまり例えば日本の100Vのみ対応の製品を高電圧のコンセントに入れると、ほぼ間違いなく壊れる。場合によっては火を噴く・爆発するなどの危険性もある。プラグの形状が違うのなら物理的にコンセントに挿さらないから間違いようもないのだが、電圧の違いは見た目で分からないので、たとえ取り扱いの注意書きに挿すなと書いてあってもついうっかり間違える可能性が高い。実際、昨年同じ所用でロシア国に出張に行った同僚の一人は、見事にこのミスをやって職場のパソコン1台をお釈迦にした(帰国後修理して回復したが)。

 低電圧対応の電気製品を高電圧のコンセントで利用可能にするには、先のプラグアダプタとは別に、変圧器とかレギュレータというものを用意する必要がある。これらは消費電力に応じいくつか種類があるのだが、どれも結構重量がある上に値段が高い。高いけれども必要な場合には購入し持参せねばなるまい。

 さて今回私が出張でロシア国に持っていった電気製品は、仕事で使う職場のノート型PC、そして私物として例の愛用携帯端末HP200LXデジタルカメラポータブルMDプレーヤー、電気カミソリ、小型懐中電灯などである。このうちノート型PCはIBM製で、アダプタレベルで220Vに対応しており、残りはすべて単3乾電池で動く。ただデジタルカメラについては使用頻度が高く、乾電池もすぐなくなることが予想されるので、単3のNi-Cd充電池とその充電器を持って来た。この充電器だけがそのままでは220Vに対応していなかった。そしてミスをやらかした

 ロシアに着いた初日、とりあえず無事に着いたぞ乾杯ということで、同僚とハバロフスクのホテルのバーで飲んでいた。同じく酔っぱらいのロシア人のグループと仲良くなり、デジタルカメラで写真を撮って見せたらこれが受けて、調子に乗って写真を撮りまくっていた。フラッシュを多用していたので、すぐに充電池を使いきり、私は部屋に戻って単3充電池4つを予備のアルカリ乾電池と交換し、使いきった充電池を充電器で充電しようとした。それが間違いだった

 酔っぱらってて気が回らなかったのだ。間にはさむべき変圧器を忘れ、100Vのみ対応の充電器に直接220Vを食わせてしまった。かくしてその充電器は、その任務を全うすることもなく、冷たくなっていた。爆発こそしなかったが、壊れてしまったのだ。充電も当然なされていない。

 幸いなことに、HP200LXには220V対応のアダプタがあり、それと本体とを使って、2つづつではあるが単3充電池を充電することができた。使いきった充電池はこれを使ってかわるがわる充電して使用した。ちなみに予備のためハバロフスクのデパートで単3アルカリ乾電池を買ったのだが、4つで60ルーブル(約600円)もした。決して安くはない

 教訓。100Vでしか動かない電気製品はなるべく海外に持って行かないこと。たとえ気をつけていても、ある時うっかり高電圧を食わせて壊す危険性が高いです。


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