#041 携帯・PHS・11桁〜

1998/12/15

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 などとTVCFでウサギが歌っている今日この頃であるが、すでにこれらの広告でご存知の通り、携帯電話・PHSの番号の11桁化がもうすぐ施行される。今やPHSや自動車電話を含めた移動電話の数は今年の3月の時点ですでに4000万台に達しており、6000万台ほどの通常の加入電話の数を追い越しそうな勢いで普及している。それらの移動電話について、1ブロック(0X0-以降の番号)が7桁1000万種しかない番号数種でやりくりしていては、早晩番号が枯渇してしまうのは明らかなので、平成11年1月1日午前2時に一斉にトータル11桁に切り替わることになったのである。

 電話会社の方で実際に必要な作業がどんなものなのか、関係者ではないからよくは知らないが、利用者である我々の方にしても結構面倒な作業が必要である。小は携帯電話・PHSの中のメモリダイヤルや個人の住所録から、大は企業の顧客データベースに至るまで、いろんなものを新しく書き直さなくてはならない。何しろ全国に4000万台からある電話番号がすべてつけ変わるのであるから、その影響はかなり大きい。

 その切り換え時刻が平成11年1月1日午前2時というのは、もちろん憶えやすいからその日にしたのだろうが、それだけが理由だとしたらちょっとどうかと思う時刻である。確かに普段の日の午前2時なら、多くの人は就寝中で移動電話の利用数も少ないものと思われる。しかし大晦日から元旦にかけてのこの夜は、一年中で最も夜明かしする人が多い日ではないだろうか。若い人たちに限らず、年越しで神社仏閣に出かけて初詣でに行く人も大勢いるであろうし、そのために例年、JRや私鉄各線もこの日は終夜臨時列車を走らせている。普段よりも多くの人が外で出歩いているわけで、当然移動電話の利用も少なくはないものと予想される。そんなさ中にいきなり4000万台以上の移動電話の番号が切り替わるのである。これはかなりな混乱の元になるのではないだろうかと今から心配である

 更にNTT DoCoMoなどは、携帯電話内のメモリダイヤルの11桁化移行サービスを、年内休まず店舗を開いて行う予定であると言っている。よりにもよって正月に移行を行うがために暮が押し詰まってからもサービスをしなければならないわけで、借り出される販売店の店員たちにとってはいい迷惑であろう。

 これら携帯電話内のメモリダイヤルをパソコンに吸い出し編集するソフトがすでに売出され、私もこれを購入したことはすでに話した。当時はまだ3種類くらいの製品しか確認していなかったのだが、この番号切り換えのおかげで需要が急に伸びたために、今や確認しただけで10種類近くの製品が販売されており、その一部は解説本まで書店に並ぶまでになった。市場価格も私が買った頃よりは若干安くなっており、ちょっと悔しい。携帯電話と送受信を行いパソコンで編集できればいいのだからどれも中身にそう違いはないのだが、よくまあこれだけいろいろ出てくるもんだと感心してしまう。もっとも私が購入した種類のものは、パッケージや機能が地味だったせいか、店頭では見かけなくなってしまった。コネクタが何種類か付属してるし、データ形式もシンプルだったので使いやすいと思っていたのだけどな。

 しかしこの類いのソフトを持っていたとしても、いつ、どのタイミングで古い番号から新しい番号に入れ替えようか、今はちょっと悩んでいる。私も正月は実家で過ごす予定でいるのだが、そこにはWindowsパソコンがないので。これらのソフトも使えない。あらかじめ修正してから帰省してしまうのも年末に使う時に不便だし、修正しておかないと今度は年が明けてから不便である。まあ大して長い期間じゃないのだからあんまり問題にもならないだろうけど。

 ちなみに劇団のメンバーも半数近くが携帯電話を持っているのだが、何人かから、そのソフトを使って番号の書き換えをやってくれというお願いもされている。仕方がない。正月期間中は職場からWindowsの使えるノートパソコンを一時拝借して、それを使って皆の分も入れ替え作業をやってやるか。

 ちなみに、番号がどう変わるかはすでにご承知だろうか。今まで0に挟まれていた部分(現在、携帯電話では1,2,3,4,8,9、PHSでは5,6が使われている)の番号が、新たに加わる4桁目に移動し、携帯電話は先頭が090-、PHSは先頭が070-になるのである。個人的には、TVCFでやっていたビリヤードを使った解説がわかりやすかったのだが、「あれを見ても分からない」という声もあったので、人それぞれなのであろう。ちなみにsedというコマンドでテキストのデータベースを変更する場合は、置換コマンドは以下のようになる。

     s/0\([1-489]\)0-/090-\1/ # 携帯電話
     s/0\([56]\)0-/070-\1/ # PHS

 こういう時には正規表現を使った置換コマンドが威力を発揮するという一つの例のつもりだったのだが、分かる人にしか分からない話で申し訳ない。こんなこと知らなくても、みんなソフトに付属の機能を使うか、販売店で入れ替えてもらうんだろうね。でもテキストで作られたデータベースというものは、こういうコマンドを駆使すると非常に柔軟なデータ処理が可能になるのである。まあこの話は別の機会に。(前もそんなこと言ってたような気がする。)


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