#043 HDを買おうかな

1998/12/25

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 と思った次第である。

 私が現在このページを作るために使用しているのは、前にも話した、友人から安く譲ってもらったNECのPC-9821Xa12という機種である。Pentium120Hzと、今となっては非力だが、メモリは最初から64Mbyteつけてくれたし、グラフィックメモリも4Mbyteあるので1152×864という大画面でも32bitTrueColorで表示できるし、何よりインターネットに専用線でつながっているので快適にネットサーフィンができる。

 一式5万円で購入した後に、このパソコンのために買ってやったものと言えば、ネットワークボード及びケーブル計3900円、SCSIボード8500円、64Mbyte分のメモリ8600円、デジカメのスマートメディア読取り用の中古のフラッシュパス(フロッピー状のアダプタで読み書きできるもの)8200円、携帯電話メモリ編集ソフト8400円、ウイルス監視・駆除ソフト6200円といったところである。要するに大したものは買っていない。とか言いながら合計すれば新たに5万円くらいの投資はしているではないか。私のようなケチな人間でもこうなのだから、やはりパソコンとは金食い虫である。

 まあそれでも結構やりたいことはできてるし、どうせもともと98だし、お下がりのお下がりであるから、現在の標準的なパソコンスペックから比べると色々劣っているのは最初から承知なのだが、目に見えて減って行くのがわかって何とかならないかなあと考えるのが、ハードディスクドライブ(以下HDD)の空き容量である。

 確かに色々なデータを作ったりダウンロードしたりソフトを入れたりはしているけれども、ちゃんと空き容量を計算しながら計画的に使っていたつもりだった。ところがWindowsというのは良くわからんもので、使っている本人の窺い知れないところでどんどんHDDの空き容量が減少していくようなのである。少なくとも私にはそう見える。なるほど、良く見ると、w95undo.dat(16Mbyte)とか、一体何に使うのかもよくわからんのにでかいサイズを持つファイルが勝手にできている。そうかと言ってこれらのファイルを削除してしまうとシステムそのものが動かなくなるかも知れない。だが元々のHDDの容量が810Mbyteしかない私のシステムでは、これらのよくわからんファイルが全体に占める割合も割合も大きく、確実に空き容量を圧迫してきているのである。

 そこでこの際、どどーんと気前よく4Gbyteとかの大容量HDDを購入して、心にも空き容量にもゆとりを持とう、なんて考えはじめたのである。

 確かにHDDは、ここ数年大容量化が進み、今や3Gbyteや4Gbyteが当たり前、下手すると8Gbyteや10Gbyteなんてのも出てきている。そして困ったことに、例えば2GbyteのHDDが2万円だとすると、それにあと1万ほど足せば4GbyteのHDDが買えてしまったりして、つまり「まとめて買うとお得です」という、あたかも八百屋で、ニラ1束78円が2本で100円と言われて、必要もないのについ2本買ってしまおうかと悩んでしまう主婦の心境になってしまうのである。

 そうは言っても1万円を越える買物だから、買ってみて使えないでは馬鹿みたいである。それに上の話は、PC/AT互換機用の内蔵IDE型HDDの話で、それがそのまま私の9821Xaに使えるものかどうかわからない。この機械を安く譲ってくれた友人にお伺をたててみたり、本屋で情報を調べたりして色々確認した。

 それによると、NEC PC-9801/9821シリーズの場合、バスの規格が古いため、データ転送速度がAT互換機のそれより圧倒的に遅くなってしまうとか、取付けるスロットの規格が違うため、そのままでは取付けられず、専用のアジャスターのような金具を用意した方がいいとか、まあ繋げられないことはないがいろいろ問題がありそうだということがわかる。

 まあそれでも買えば使えないこともないだろうなどと思いながら、ある日秋葉原を徘徊していると、ガード下の小さなパーツ屋で、6.4Gbyte18800円というHDDが売っているのが目についた。1Mbyteあたり3円という値段である。すごい、ついにここまで安くなったか。幸いお金もないわけではない。思わず買ってしまおうかと思った。

 が、待て、と別の私がそれを止める。
 一体6.4GbyteものHDDを買って何を入れておくのだ。

 冷静に考えるとそうだ。もう自分に必要そうなソフトはすでに入っているし、ネットワークのデータやデジカメの写真も、順次リムーバブルメディアに入れて保存していけばすむことだ。もちろん、でかければでかいで使い道はあとから出来るものかも知れないが、、そうやってちょっと気を許すとあれもこれもと欲張りになって歯止めが効かなくなってしまうのがパソコンの世界である。ここはやはり分相応なところでぐっと我慢することも大事である。

 というわけで、結局HDDは買わずに、脇に箱詰めになっていたホイールマウス(2つのボタンの間にホイールがついていて、回すとアプリケーション画面のスクロールができるもの)を2000円で買うにとどめた。我ながら理性的であるが、単にケチだとも言う。それはともかく、このホイールマウス、使ってみると結構便利。ホイールを回してスクロールするという感覚が実に自然で手に馴染みやすく、もはやこの感覚に慣れると普通のマウスには戻れないくらい便利である。取付けたのは職場のVAIOだけど、自宅の9821Xa用にも売ってないかなあ。98用だからないかも知れないなあ…いかん、また物欲が。


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