△ 「背中のイジン」シーン14


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森島、電話をしている。

森島 「はい…で、例の抗癌剤の新薬についての案は?…はい、この間お話した知人の…え、本当ですか?!わかりました、伝えておきます。はい、失礼します!」
おじい 「誰から?」
森島 「あぁ、ウチの大学病院からです。実は周作さんに抗癌剤の研究資料を見せたんですが、あっという間にレポート作っちゃったんです。試しに大学病院へ持っていったのですが、とても興味深いって…」舞台写真

周人達、帰って来る。

周作 「修理、どうです?」
おじい 「それがどうにも…」
森島 「それより、大学病院から例のレポートの件で。」
周作 「どうなりました?」
森島 「かなりの好感触でした。今度会えないかって。」
周作 「それは良かった。私も楽しみです。」
森島 「えぇ。あ、そうだ周人。オレんとこにも着てたよ、これ。(潤からのハガキを出す。)」
周人 「あぁ、潤の手紙ね。」
周作 「何です?」
周人 「ウチらの幼なじみ。しばらく顔見せないと思ったら今度結婚するとかで。」
周作 「あれ?」
周人 「何?」
周作 「どこかで会った気が…」
周人 「え?また潤の先祖とか?」
周作 「いや、ついさっきです…あ、そうだ!銀座でぶつかった二人ですよ!」
周人 「え?」
周作 「でも彼の方はもっとゲッソリしてましたね。」
森島 「ちょっと待って下さい。今、二人って言いました?」
周作 「えぇ。」
花音 「ここに…いるの?人が…」
周作 「えぇ…え?もしかして?」
森島 「あいつ幽霊と?」
花音 「ちょっとそれってヤバくない?」
森島 「ゲッソリしてたっていうし。」
花音 「潤ち行きましょう!」舞台写真
周作 「そうしましょう。もうポーズをしっかり覚えましたし。」
森島 「すまん、俺はこっちの仕事が…」
花音 「大丈夫。周作さんがいれば。」
周作 「周人君。」
周人 「いいよ、オレ。どうせ行っても何にも出来ないし。」
花音 「どうして?潤が心配じゃないの?」
おじい 「分かった。焼きもちやいてんだろ。」
周人 「んなわけねえだろ!!」
おじい 「じゃジェラシーだ。」
周人 「同じだよ!あれだよ、バイトがあんだよ。」
花音 「しょうがないわ。周作さん、行きましょ。」
周作 「えぇ。」
森島 「あの。帰ってきたら大学病院の件…」
周作 「はい。必ず。」

全員ハケる。最後にハケるのは周人。

(作:松本仁也/写真:広安正敬)

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