△ 「背中のイジン」シーン3


トップページ > ページシアター > 背中のイジン > シーン3 【公演データ

<前一覧次>

また先ほどの男、辺りをうろうろしながらため息をつき、ハケる。
仁志家。仁志満(にしみつる)が電話をしている。

「何度も言ってるだろ、僕はやらないって。お前こそもうやめたらどうだ…」

奥から花音の声がする。

花音 「こんにちは。」
「じゃ、忙しいから切るよ。」

満、電話を切り、ドアを開ける。

「いらっしゃい。」
花音 「あの、電話…」
「あぁ、全然大丈夫。どうぞ。」舞台写真
花音 「すみません、無理言っちゃって。」
「いやいや…で、例のモノは?」
花音 「はい。」

花音、ポケットから古いロケットを取り出す。

「ロケットペンダント。」
花音 「はい。蓋は錆び付いちゃって開かないんですけど。」
「なるほど…やってみましょう。」
花音 「あの。」
「はい?」
花音 「どうしてそんな凄い力があるのに、商売になさらないんですか?」
「あぁ…うん…」
花音 「あ、ごめんなさい。余計な事…」
「いや…気持ち悪いでしょ、霊媒体質なんて…じゃ、どうぞこちらへ。」
花音 「はい。」

二人ハケる。

(作:松本仁也/写真:広安正敬)

<前一覧次>


トップページ > ページシアター > 背中のイジン > シーン3 【公演データ