△ 「背中のイジン」シーン4


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ラボ。コントロール室と実験室に別れている。
周人、おじい、森島、入ってくる。

周人 「じいちゃん、本当に一回五万くれるんだよね?」舞台写真
おじい 「周人、ワシは嘘などつかん!…たまにしか。」
周人 「つくんじゃん。」
森島 「心配するな。」

森島、ふところから五万円を出し、すぐしまう。

周人 「おおっ!」
おじい 「さ、こっちこっち。森島君、スタンバイ。」
森島 「了解。」

森島はコントロール室、周人はおじいに連れられ、実験室へ。

おじい 「さ、この椅子に座って。」
周人 「ねえ、これどれくらいで終わる?」
おじい 「うまくいけば、小一時間で終わる。森島君、メインスイッチ。」
森島 「はい。」
周人 「うまくいかなかったら?」
おじい 「さあ?」
周人 「さあって…なんか不安。」

周人、椅子から立つ。

おじい 「大丈夫、大丈夫。じゃこうしよう。あれだ、あそこ連れて行ってやる。ディズニーシー。」

周人、一度座りかけるが、また立ち上がる。

おじい 「分かった分かった。じゃ、あれだ。二時間越したら三十分毎に千円追加。」舞台写真

周人、今度はしゃがみこみ、おじいの足のあたりをじっと見て、

周人 「千円?」
おじい 「足元を見ているね。」
周人 「千円?」
おじい 「…五千円。」
周人 「(素早く椅子に戻り)もう、どんどん延長しちゃって!何だったら、二、三年やろうか?」

おじい、椅子の後ろから妙な機械を出す。

おじい 「はい、これかぶって。」
周人 「なにこれ?」
おじい 「ヘッドギア。森島君、スイッチ2から5。」
森島 「2から5。オーケーです。」
周人 「なんかこれ、ダサくない?」
おじい 「イケてる。森島君。」
森島 「イケてます。」
周人 「ホントかなぁ。」
おじい 「ヒュ〜ッ!森島君。」
森島 「ヒュ〜ッ!」
周人 「ま、いっか。」

おじい、実験室からコントロール室へ。

(作:松本仁也/写真:広安正敬)

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