本作はおそらく三重の入れ子になっていて、舞台劇「アステロイド・シティ」はカラー、その劇の作家、演出家、役者のドキュメンタリーは白黒、そのドキュメンタリーを放送するTVも白黒(設定は1950年代だから)。そしてそれらをひっくるめて映画として私が見ている。
・・・考えてみると舞台劇と制作の舞台裏ドキュメンタリーは同時進行やから並列なのか。大事なひとが亡くなり主人公(ジェイソン・シュワルツマン)がショックを受けているのがシンクロしている。カラー劇がドラマで白黒ドキュメンタリーが舞台劇に見える様に作られているみたい。
ゾロゾロ登場する役者さんもそらまあ凄くて「この人わかる?」ってクイズみたい。TV番組の司会者は米国ドラマ『ブレイキング・バッド』のひと・・よね、としょっぱなからたいへん。苦戦する。
劇中のアステロイド・シティは、ダイナーひとつ、給油所兼整備工場ひとつ、10個のコテージがある人口87人の砂漠の町。観光名所は巨大なクレーターだけ。
近くで核実験が行われていて、コテージは舞台の書き割り風というか、映画インディ・ジョーンズの何作目かで(『クリスタルスカルの王国』やった)インディが核実験に遭遇し冷蔵庫に身を隠した実験用のペコペコの家に見える。宇宙人はサイレント映画
「チャーリー・バワーズ」の栗人形みたい。ここ楽しい
マクベスの3人の魔女 ではなくちっこい三人娘たちに近寄って来る鳥が『ジュラシックパーク』のしょっぱなに登場する恐竜みたいでハラハラした。
映画についていけず頭がこんがらがっている中で、主人公の超秀才の息子が「北条時行」っ言う。誰? (検索したら南朝側で戦った鎌倉幕府北条氏の生き残りみたいです)