2018年6月の映画  戻る


ピーターラビット PETER RABBIT
2018年 95分 米国
監督 ウィル・グラック
原作 ベアトリス・ポッター
キャスト ローズ・バーン(ビア)/ドーナル・グリーソン(トーマス・マグレガー)/サム・ニール(マグレガーおじさん)/
メモ 2018.6.30(土)TOHOシネマズ梅田 吹き替え
あらすじ
イギリスの湖水地方に住むうさぎ、ピーター達は楽しい毎日だ。マグレガーのじじいをからかうのも命がけだがスリル満点。
ある日マグレガーじいさんがぽっくり行くと、都会から甥がやってくる。そいつは神経質な野郎でさっそくピーターたちとの争いが始まる。
感想
生き生きしていて面白いんやけどね。大きな疑問が。
これは「うさぎ」である必要はあるのか。 知恵の回る柿泥棒の悪ガキと頑固おやじの攻防と変わらんのと違う?
原作のほのぼのおっとりした雰囲気は皆無。
 
 
前に美容院の店長さんと「捨て猫もみんなで飼うと思えばいい」とエサをやるのを是とする人がいるとか話をしたら、
「別に森の動物たちも『みんな仲良くしましょう』って暮らしてるわけやないし」
(この店長さんはとってもクールなのだ。離婚した時に小学生だった一人息子さんが飼っていたカメさんを今も飼ってはる。
 そやけど、朝「おはよう」って声かけることもないねんて。あんなちっぽけな脳みそで食べる以外の事を考えているはずがないってのが理由)
たしかに・・・・。何もかもが作りものやねん。幻想。 人間が増え過ぎ強すぎるって話やねんね。
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(シネマ歌舞伎)東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖 こびきちょうなぞときばなし 
2018年 110分 日本
原作 十返舎一九
出演 市川染五郎(弥次郎兵衛)/市川猿之助(喜多八)/市川中車(座元釜桐座衛門)/松本金太郎(伊月梵太郎)/市川團子(五代政之助)
メモ 2018.6.16(土)なんばパークスシネマ
あらすじ
お伊勢参りから江戸へ飛んだ弥次喜多。文無しのふたりは歌舞伎座で裏方仕事を始める。
感想
シネマ歌舞伎を初めて見る。歌舞伎を初めて見る。お話はミステリ仕立てで面白かった!
派手な歌舞伎とくすくす笑える台本が面白い。歌舞伎とその裏事情を知っていたらもっと面白いと思う。
 
市川中車(ちゅうしゃ香川照之)「澤瀉屋(おもだかや)」の息子の市川團子(だんこ14才)と松本幸四郎(高麗屋)の孫の松本金太郎(13才)がでてはってね。舞台に若い青い空気が流れていた。歌舞伎界は安泰かも。
 
特に注目は松本金太郎。わたくしTVを見なくて世事にとても疎いんですけど、このクールな雰囲気の若者は有名なんですね。
映画好きにとっては七代目尾上菊五郎(音羽屋おとわや)と富司純子(藤純子)の娘寺島しのぶと結婚しなかった男、市川染五郎の息子さん。
松たか子と松本紀保(相棒の伊丹役川原和久の妻)の甥。(ちびさぼに「お母さん好きやな」と言われるのでこのくらいに)
 
にわか知識によりますと「高麗屋」は2月に襲名しはってそれぞれ八代目市川染五郎、十代目松本幸四郎、ニ代目松本白鸚(はくおう)になりはったそうです。
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犬ヶ島 ISLE OF DOGS
ベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞)
2018年 101分 米国
監督 ウェス・アンダーソン
アニメーション監督 マーク・ウェアリング
キャスト チーフ/レックス(多数決!)/ボス(野球)/デューク(情報通)/キング(元アイドル)/スポッツ/ナツメグ/小林アタリ/小林市長/トレイシー・ウォーカー/渡辺教授
メモ 2018.6.9(土)TOHOシネマズ梅田
あらすじ
2038年の日本メガ崎市。市はドッグ病が蔓延し、元々犬と因縁のあった小林家の小林市長はすべての犬を「犬ヵ島」に隔離する法案を通す。「犬ヵ島」はゴミの埋め立て地、ツナミに襲われ壊滅した島。隔離とは名ばかりの棄犬だった。
3年前両親を事故で亡くし親戚の小林市長に引き取られていた少年、小林アタリは自分の護衛犬スポッツを救うため単身「犬ヵ島」に小型機で降り立つ。
感想
「グランド・ブタペスト・ホテル」のウェス・アンダーソン監督作品。
 
舞台は近未来の日本国なんやけど、洋犬だからか犬の名前がチーフ、レックス、スポッツとみなさん英語。英語圏の犬なの。
これは隔離されるの話なのか? そうなのか?
 
犬がロボット犬に置き換わるとこなんか、300年の鎖国の歴史の国日本の深層心理(少子化で働く人口が減って困るんやったら、解決策は移民よりロボットの方がいいんちゃう?。グローバル化はそんなにいいものなん?)を見透かされ世界に発信されているような気がする。
昭和の初めの様な日本と凛々しい少年が描かれ監督さんの日本への造詣の深さと興味に感じいるとともに、
自らは排斥されていると感じてはるんかもしれん。
(動物全てがダメなわけではなく日本国で猫はいいらしいというのは面白い。まねき猫やら化け猫やらの文化があるからか。犬神様というのもあるが。はて)
おすすめ度★★★★1/2戻る

心と体と TESTROL ES LELEKROL
ベルリン国際映画祭金熊賞
ヨーロッパ映画賞主演女優賞
2018年 116分 ハンガリー
監督 イルディコー・エニェディ
キャスト アレクサンドラ・ボルベーイ(マーリア)/ゲーザ・モルチャーニ(エンドレ)
メモ 2018.6.1(金)シネ・リーブル梅田
あらすじ
食肉加工工場の財務部長のエンドレは毎夜夢を見ていた。雪の積もった森の中に鹿がいる。りっぱな角を持った牡鹿だ。
品質管理の女性が代理職員として新しく職場に入る。誰とも交ろうとしない。そこへ持ち上がった薬の盗難事件。
警察は捜査のため社員ひとりひとりに精神分析医の面接を受けろという。その分析医の質問はとてもとても私的で秘めたることだった。
感想
雰囲気がアキ・カウリスマキにちょっと似ているファンタジー。
 
もう年だから色恋ざたは打ち止めと思っていた男と、そんなことが自分の身に起こるとは青天の霹靂の女のゆっくり近づいたり離れたりの恋。
そこはかとないユーモアがあり、特にマーリアが調味料入れやレゴで「あーゆうたらよかったのかな」と
お芝居をするシーンが楽しい。男はドン・キホーテみたいなおいぼれなんか。
 
ハンガリーの映画は初めてかも。だいたいハンガリーについては東欧の国としか知らない。
有名な豚さんいてたな。
舞台が食肉工場なのは食欲という動物のサガと性欲というもうひとつのサガを現し
それから逃れられず、またそれが幸せと不幸の種ということなのかもしれない。
 
中年の恋の話かと思っていたら、女の人は若く色白で金髪のきれいな人やった。。。
おすすめ度★★★1/2戻る