2021年2月の映画  戻る


ノンストップ 
2020年 100分 韓国
監督 イ・チョルハ
キャスト オム・ジョンファ(妻・ミヨン)/パク・ソンウン(夫・ソクファン)
メモ 2021.2.27(土)シネマート心斎橋
あらすじ
市場で揚げパン屋を営むミヨンは元気いっぱい。娘も元気いっぱい。家族の夢はハワイ旅行だ。
そんな平和な日、パソコンの修理屋をしている夫がオロナミンCみたいな炭酸飲料の蓋の裏側を見ると
景品のハワイ旅行が当たった! 浮かれ舞い上がった家族三人は飛行機に乗る。一路ハワイへ〜
感想
「エクストリーム・ジョブ 」と同じ、仮面を脱ぎ捨てた痛快アクションコメディ。
ご都合主義テンコ盛りでしっちゃかめっちゃかな「ダイハード」ってなところもあるけど笑った。
世界が知っている韓国の恥「ナッツリターン」を出してくるのもすごいわ。
日本も「(女は)わきまえる」を映画ネタにして世界に発信したらえーのに。と思う。
まあ日本は「恥の文化」の国らしいし、隣国を真似することはないか。
 
面白かったのは北朝鮮軍のリーダが「中国人と騙るために、今からは中国語で会話する」と命令したら、
「あのーぼくー、中国語話せません」というヤカラがいたこと。こやつがIT担当で、しょっぱから情報戦に負けてんねん。
 
飛行機に乗務員が寝る部屋があったのは興味深かった。へーそうなんや。飛行機には色々秘密がありそう。
ANAの飛行機の機長が体調不良でシベリアに緊急着陸したらしい。無事でよかった。
従姉の話によると、キャプテンが意識不明とかなって副操縦士(コーパイ)がひとりしかいてへん時は、キャプテンを椅子から
引きずり降ろして、代わりにCAさんが座るらしい。副操縦士のお手伝いするねんて。
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死者との結婚 
1960年 96分 松竹
監督 高橋治(『秘伝』直木賞作家)
原作 ウィリアム・アイリッシュ
出演 小山明子(妙子/光子)/渡辺文雄
メモ 2021.2.25(木)シネ・ヌーヴォ
あらすじ
元競輪選手の男に捨てられ、お腹の子と一緒に汽船から身を投げようとした若い女は新婚夫婦に止められる。
新婚夫婦の身重の妻は、アメリカで夫と知り合い結婚しこれから夫の家族に会うのと話す。
「顔を洗うから無くさないように持っててちょうだい」と言われ、若い女が新婚妻の結婚指輪を預かり指にはめた瞬間、船が大きく揺らぎ海水が客室を襲う。
気がつくと病室だった。新婚の夫婦は亡くなり身投げしようとしていた女は新妻と間違われていた。
感想
小山明子さんってこんなにきれいな人やったん。渡辺文雄さんが好青年! 驚いた。
 
ウィリアム・アイリッシュの原作を読んだのは遥か昔なので「結末どうやったっけ?」と見始めたけど、すぐに思い出す。
後はずっと、原作通りの結末なのかどきどきして観る。
中頃から推測した結末やったけど、原作通りなんか違うんか微妙な終わり方やった。
まあハッピーエンドにはできんわな。
 
東山千栄子さんは、深窓のお嬢様育ちで、35歳で役者になってからは大根と言われ苦労されたそうですが、
こういう方こそ「余人をもって替えがたし」と言うんではなかろか。某元総理やなく。
戸板康二さんの「ちょっといい話」にエピソードが載っていました。
 
東山千栄子さんは、おちついていて上品にいうセリフが、無類の女優である。ふだんも、物に動じないところがある。
俳優座の田中邦衛さんが、「東海道四谷怪談」に出演している時、臨時にマチネーがあった。どうしたことか、田中さんは、開演時間を一時間おそくはじまると思いこんでいたので、扮装にかかるとしても、まだ大分あると思い、六本木のパチンコ屋で、暇をつぶしていた。
一方、劇団では田中さんが来ないので、大さわぎをして、急に代役を立てることにした。
そろそろ時間が来たと思った田中さんが、劇団に向かって歩いてゆくと東山さんが、ゆっくり近づいてきて、おだやかな微笑を浮かべながら、しずかにいった。
「何だか、みなさんが、おさがしになっていたようですよ」
 
あー東山千栄子さんが演じる「毒薬と老嬢」とか「ハーヴェイ」のお姉さんとか見たかったなあ。
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ウルフウォーカー WolfWalkers
2020年 103分 アイルランド/ルクセンブルク
監督 トム・ムーア(ソング・オブ・ザ・シー 海の歌、ブレンダとケルズの秘密)/ロス・スチュワート
脚本 ウィル・コリンズ
メモ 2021.2.18(木)シネ・ヌーヴォX
感想
アイルランドのアニメスタジオ「カートゥーン・サルーン」(「ブレッドウィナー」)が描く見事なアニメーション。
メーヴとロビンが森を駆け巡るシーンの自然な色合い、やわらかな光、めくるめくスピード。どれもこれも、やーすごい。観れてよかった。
 
時は1650年のアイルランド、キルケニーの町。「クロムウェル率いるイングランド議会軍によるアイルランド再占領」の時代だそうです。
森を切り開き田畑にせよというイングランド軍と森の戦い(そしてアイルランドの抵抗)は、たぶん「もののけ姫」みたいな話もちょっとあると思う。
(「もののけ姫」の記憶がもはや、定かでは、ありませぬ)
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ロックンロール・ストリップ 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
2020年 108分 日本
監督・原作・脚本 木下半太 
メモ 2021.2.5(金)第七芸術劇場
あらすじ
売れず鳴かず飛ばず弱小劇団の座長勇太は。ファンだという踊り子「旭川ローズ」の誘いで場末のストリップ劇場の前座を務めることになった。
劇団員は4名。何ができるの? ストリップの前座って?
感想
ジャルジャルの後藤淳平が悪戦苦闘の主人公「勇太」26歳を演じる。
地元大阪が舞台で嬉しい(一座は一旗揚げるために東京進出を狙っているんやけどね)
 
木下半太さんの自伝的内容とか。
「悪夢のエレベーター」 「悪夢のギャンブルマンション」の木下半太さんは、今の今まで作家と思っていました。(**)
劇作家やったんですね。
 
上映後、舞台挨拶がありました。
サメの絵柄のTシャツを着ておられる左端の方が木下半太さんです。
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聖なる犯罪者 BOZE CIALO
2019年 115分 ポーランド/フランス
監督 ヤン・コマサ
脚本 マテウシュ・パツェヴィチュ
キャスト バルトシュ・ビィエレニア(ダニエル)/ルカース・シムラット(神父トマシュ)
メモ 2021.2.1(月)テアトル梅田
あらすじ
少年院で信仰に目覚めたダニエルは神父になりたい。しかし前科者は聖職者になれない掟が行く手を阻む。
仮釈放となったダニエルは仕事先の製材所に向かうが聖職に着き人々を導く我が定めを諦めきれず、彷徨ううちに飲んだくれの神父に拾われ
神学校を出て修行中の身と偽りが口から出てしまう。
感想
「神はキリストは人間の罪を許すんちゃうん。ひとは許されるんちゃうん。」「懺悔とか死の前の秘蹟は何のため?」とダニエルの叫びが聞こえる。
なにゆえ前科者は神父になれんの?
それは宗教の偽善なのか人智の及ばぬ深い理由があるのか。
 
スマホで儀式の手順を検索して神父に化けるダニエルは、その真摯な姿で少しずつ村の人々を魅了していく。
その細い体がキリストにかぶるねん。
バルトシュ・ビィエレニアというしなやかな若き俳優さんの魅力に尽きる映画と思う。
「テオレマ」のテレンス・スタンプより暴力的で美しい。
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