2020年1月の映画  戻る


マザーレス・ブルックリン MOTHERLESS BROOKLYN
2019年 144分 米国
監督・脚本 エドワード・ノートン
原作 ジョナサン・レセム
キャスト エドワード・ノートン(探偵ライオネル)/ブルース・ウィリス(探偵フランク)/ググ・ンバータ=ロー(ローラ)/アレック・ボールドウィン(実業家モーゼス)/ウィレム・デフォー(モーゼスの兄ポール)
メモ 2020.1.25(土)大阪ステーションシティシネマ
あらすじ
意に反して思わぬ動作をしたり言葉を発したりするチック症の探偵ライオネルは孤児院で育った。
そこから救いだし育て一人前にしてくれたのはフランクだ。そのフランクが撃たれる。
フランクはライオネルの事を「ブルックリン」と呼んでいた。俺はマザーレス・ブルックリンなんだ。
感想
1950年代のニューヨーク。大戦後アメリカにもっとも勢いのあった時代の光と影をエドワード・ノートンが思い入れたっぷり描く。
まあ、街並み、車、服装、ジャズ、フィルム・ノワールの探偵と凝ってましたね。その探偵がまた弱い。殴られ足蹴にされ踏まれる。ぼろぼろ。
凝っている中でも青色というか水色が、ライオネルの車、ローラのコート、実業家モーゼスのプールのゆらぎ、最後の家の壁とに情感をこめて使われていた。
144分退屈せずに楽しんで観れたんやけど、「チャイナタウン」ほどの衝撃はなかったなあ。
なんでかな。ローラが自立した常識的で優等生な大人でファム・ファタールでもはかない美少女でもなかった・・・からかな。
(男を癒すけど狂わすようにはみえんということなんかな)
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ジョジョ・ラビット JOJO RABBIT
2019年 144分 米国
監督・脚本 タイカ・ワイティティ
原作 クリスティーン・ルーネンズ
音楽 「抱きしめたい」ビートルズ
キャスト ローマン・グリフィン・デイヴィス(ジョジョ)/タイカ・ワイティティ(アドルフ・ヒトラー)/サム・ロックウェル(クレンツェンドルフ大尉)/スカーレット・ヨハンソン(ジョジョの母)/トーマシン・マッケンジー(エルサ)
メモ 2020.1.21(火)TOHOシネマズなんば
あらすじ
第二次世界大戦末期のドイツ、ベルリン。
10歳の少年ジョジョに父はいないが、母ロージーと友アドルフがいた。アドルフはジョジョを助け慰め叱咤激励しヒトラーユーゲントへの入団を後押しする。ジョジョはナチス信奉者だ。しかしジョジョはウサギを殺せず、「ウサギのジョジョ」とからかわれる。
感想
ジョジョのお母さん(スカーレット・ヨハンソン)の戦時中とは思えない「おしゃれな靴」がなんで何度も映るんかなあ、お母さんの反戦の象徴なんかなと思っていたら...。
 
ドイツはえーよな。第二次世界大戦はナチスのせいにできるし某隣国みたいにいつまでもネチネチいう国もないみたいやし。ポーランドとかは言わないのか?とちょっと思っていた。
でもこの映画を見て、戦争って元は覇権争い。勝てば官軍。誰かとか何かとか単純なもんやないねんね。
日本は、直接の敵ではないはずの(アメリカやオランダやフランスの植民地から解放する建前の)「東南アジア」にたいへんな被害を出すことをやらかした。
それでもう二度と軍隊はもちません。戦争もしませんってなったけど、ドイツは敗戦後も長い間徴兵制が残る。湾岸戦争やらアフガニスタンにも派兵してはる。
 
「新型コロナ禍」でイタリアはやっぱりヘタリアやったんかと思うけど、独逸って被害を食い止めている国みたい。全体主義ぽく、合理的な国民性なんかな。
そやのに2回も世界大戦で負けたんか。「飛べ!フェニックス」でも「そんなに、ドイツ人が優秀ならなんで戦争に負けたんや」って言われてはる。
ソ連を敵に回して、戦線を東部と西部とふたつ持ってしまったからかな。それともトップの力量の違いか。
この間、イギリスフランス軍がドイツに奪われるのを恐れてコーカサス油田を爆撃してたら、スターリンはドイツに味方しただろうってのを読んで、ソ連はキーであり一寸先は闇の時代やったんと思う。
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パラサイト 半地下の家族 PARASITE
カンヌ国際映画祭パルムドール賞
2018年 132分 韓国
監督 ポン・ジュノ(「殺人の追憶」「グエムル−漢江(ハンガン)の怪物」)
キャスト ソン・ガンホ(キム家のアボジ・ギテク)/チャン・ヘジン(キム家のオモニ・チュンスク)/チェ・ウシク(キム家の息子ギウ)/パク・ソダム(キム家の娘ギジョン)/イ・ソンギュン(パク家のアボジ・ドンイク)/チョ・ヨジョン(パク家のオモニ・ヨンギョ)/イ・ジョンウン(家政婦ムングァン)/パク・ソジュン
メモ 2020.1.14(火)TOHOシネマズ梅田
感想
今一番注目の作品を見てまいりました。
 
「万引き家族」とちょっと似てるかなーとか思ってたんやけど・・・いやいやいや。
 
「家族の肖像」みたいなんかなと思ったら・・・いやいやいや展開が想像を超えました。
 
家政婦さん役の俳優さんってどっかで見たなと思っていたら「焼肉ドラゴン」のオモニの人やってんね。
世界中の人が知っているあの北朝鮮のアナウンサー(李春姫リ・チュニという人らしい)のまねをするところに絶句。
この人とキム家のオモニがすんごい迫力。パク家のべっぴんの奥さんの天然もいい。
世界の映画の中でおばさんが一番活躍するのは韓国映画かもしれん。
対極に哀愁を漂わせ、物語に余韻すら残すソン・ガンホ・・・うまい。
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おとなの恋は、まわり道 DESTINATION WEDDING
2018年 87分 米国
監督 ヴィクター・レヴィン
キャスト ウィノナ・ライダー(リンジー)/キアヌ・リーヴス(フランク)
メモ 2020.1.12(日)TOHOシネマズなんば
あらすじ
初対面ながら空港から口喧嘩していたリンジーとフランクは同じリゾート婚に出席するために飛行機に乗っているのが判明。
どちらも新郎の縁者でフランクは父親違いの兄、リンジーは元カノだった。
口喧嘩は収まらず、会ったことはないけど「性格の悪さは聞いてた」ふたりだった。
感想
旬を過ぎた(恋愛映画の)ふたりが、傷に塩をスリスリしあい、愚痴をいい延々皮肉をチクチク言いあう舞台劇のような作品。
リンジーは破局から6年もたっているのにいまだ引きずっていて「元カレの結婚式に出席」する愚行に走る自虐的な性格、フランクは潔癖症の上、ホテルの備品を持って帰る癖があったり(連れて帰ってって言うんだ)、美形ふたりのへんさが楽しめる。
はずやってんけど、面白いような面白くないような。。。。。ずっと見てしまった。結構傑作になってたかもしれへんのにな。
ピューマを追い払うためとはいえ、キアヌが奇声をあげるところがすべっている ように思う。
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フォードvsフェラーリ FORD V FERRARI LE MANS '66
2019年 111分 米国
監督 ジェームズ・マンゴールド
キャスト マット・デイモン(キャロル・シェルビー)/クリスチャン・ベイル(ケン・マイルズ)/ジョン・バーンサル(リー・アイアコッカ)/カトリーナ・バルフ(モリー・マイルズ)/レイ・マッキノン(メカニック・フィル・レミントン)/ジョシュ・ルーカス(茶坊主レオ・ビーブ)
メモ 2020.1.11(土)TOHOシネマズなんば
あらすじ
ヘンリー・フォードによって設立されたフォード社は孫のフォード2世の時代になり焦っていた。新車で失敗したのだ。アイアコッカのプレゼンでベビーブーマーをターゲットにスポーツカーの開発に乗り出す。
感想
ギアチェンジって何?(昔サイクリング自転車についてた変速みたいの?) クラッチって何? ニュートラルって?
という人間には、24時間耐久レース ル・マンの事はなんもわからへんねんけど、カーレースのドライバーって野球のピッチャーみたいやねんな
と思いながら見ていた。ピットやメカニックとチームを組んでても、孤独の中でひとり戦う。
後方支援で参謀のシェルビー(マット・デイモン)は主将でキャッチャーかな。
 
なんか車を愛するフェラーリの社長さんの方に感情移入しちゃう。フォードvsフェラーリというより
現場vsスーツ組の戦い。後にフォード社の社長になるアイアコッカさんは好意的というか中立的に描かれてたけどね。
フォードの茶坊主(副社長)もなかなかよかった。そやけどケン・マイルズ役のクリスチャン・ベイルの頑固な英国人がうまい。職人さんやね。メカニックってかっこいい。
 
昔、コンマ以下の減速、ハンドル操作の判断が命にかかわるって新聞で読んだけど、映像化されていた。時速288キロって秒速80メートルやもんね(計算によると)
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家族を想うとき SORRY WE MISSED YOU(宅配の不在連絡票の文)
2019年 100分 英国/仏/ベルギー
監督 ケン・ローチ
脚本 ポール・ラヴァーティ
キャスト クリス・ヒッチェン(お父さん・リッキー)/デビー・ハニーウッド(お母さん・アビー)/リス・ストーン(息子・セブ)/ケイティ・プロクター(娘・ライザ・ジェーン)
メモ 2020.1.9(木)シネ・リーブル梅田
あらすじ
イギリスのニューカッスルで暮らす4人家族。お母さんのアビーは介護福祉士でお年寄りの家を訪問して世話をしている。16歳の息子セブは絵を描くのが好き。ただいま思春期のど真ん中。12歳の娘のライザ・ジェーンは誰に似たのか頭はいいがまだ幼い。
お父さんのリッキーはもう一度家を手に入れるために、一念発起する。使われているだけではうだつは上がらない。(うだつって日本家屋の屋根をちょっと持ち上げたところやねんて)
感想
ちびさぼが10年くらい前の夏休みの1か月、英国のリーズ大学っていうところに短期留学(サマースクール)したことがあんねんけど、
日本に帰ってきて言うことにゃ、
「おかあさん。イギリスの平民には9時から5時の仕事はないねん。」
ホームスティ先の独り暮らしのホームマザーは午前中病院の清掃の仕事をして、午後からは友達とお茶したり家を磨きあげたりしてはったらしい。
スペインの妹さんの家にバカンスに行く資金のために家を提供してはったとか。
通訳や町を案内してくれた若い人たちも、通訳したり語学学校で教えたり留学生の世話したりと仕事のかけもち。ホームマザーの独立した娘さんたちもそんな感じやったみたい。
この映画では、「9時から5時」で仕事が終わらない。生活保護を受ける事を是とせず誇り高い働き者の両親とその子供たちは、負のスパイラルに取り込まれ傷つけられていく。
身を粉にして働いても暮らしは楽にならず「家を手に入れる」ためなのに家族と過ごす時間が削られるというパラドックス。
ちびさぼが小学2年生の時に、学期末の個人懇談で人望のあった担任の先生から
「子供の話を聞いてあげてくださいね。今聞いていないと、大きくなっていくら話かけても振り向いてくれませんから。」
と言われたのを思い出す。私の何が先生にそう言わしめたのであろうか。。。。
 
一度引退を決意した英国のケン・ローチ監督が「真面目に働く人達がなぜむくわれないのか」とやむにやまれず再度メガホンを取った作品。
映画の中で、お母さんがお年寄りに家族の写真を見せながらこの家族がおちいった状況をさらっと説明するのに感心した。熟練の技。
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エクストリーム・ジョブ EXTREME JOB
2019年 111分 韓国
監督 イ・ビョンホン
メモ 2020.1.6(月)シネ・リーブル梅田
 
 
 
 
 
あらすじ
コ班長の麻薬捜査班は班長を含めて5人。全員どんくさく容疑者を検挙できないばかりか、窓を壊しドアを壊し
それでも足らないとばかりに玉突き衝突まで起こして警察の予算を喰うばかり。
家に帰ればうだつの上がらないコ班長に妻はイライラ。「はんちょう」という言葉を聞くだけできぃぃぃぃ〜。
感想
コ班は、起死回生のため張り込みするのに好都合なフライドチキン店を自腹で買い取るが、みんな根が真面目なもんやから、
一生懸命商売にせいを出し「俺たちはチキン屋か、それとも刑事なのか」と本末転倒になっていくところが楽しい♪。
5人それぞれ個性が立っているねんけど、調理も出来ず接客もできず、張り込みしか能のない刑事の疎外感、とまどい
「おかしいのは俺なのか」に笑った。森山未来みたいなこの人いい。
 
論理なし恥もなしで捨て身がこれほどしっくりくる民族も類を見ない かもしれん。
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スター・ウォーズ エピソード\ スカイウォーカーの夜明け STAR WARS: THE RISE OF SKYWALKER
2019年 142分 米国
監督 J・J・エイブラムス
キャスト デイジー・リドリー(レイ)/アダム・ドライヴァー(カイロ・レン/ベン・ソロ)/ジョン・ボイエガ (フィン)/オスカー・アイザック(ポー)/イアン・マクダーミド(パルパティーン)
メモ 2020.1.3(金)なんばパークスシネマ
感想
1977年「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」から42年。とうとう9部作、神話が完結した。
 
なにはともあれ、生きて見れてよかったあぁぁ。 
 
お話以上に美術がすごい。金にあかせて作った作った。総集編でありエピソード4、5、6へのオマージュやね。
レイの母親が「キリング・イヴ」のジョディ・カマーでびっくりしました。レイの出生の秘密になんの伏線もなかったのにもびっくりしました。
 
 
「C3P−Oはピカピカになって出番多かったけど、R2−D2はあんまりでてけーへんかったねぇ。データ伝送が遅いってロートル扱いやし。BB−8(ビービーエイト)とキャラかぶるからかな。R2−D2好きやのに。」(さぼてん)
 
一緒に観たちびさぼが言う。
「うちもR2−D2押し。友達の話では、BB−8はわざとキャラかぶらせてあるねんて。
なんでかゆーたらR2−D2は前の制作会社に権利があるからやねん。
そやからBB−8を造ったらしい。おとなの世界のどろどろした話でBB−8はちっともわるないんやけどね。」
「へえー。アイドルみたいやねぇ」
「そやねん。事務所の都合でセンター変えられた。。。みたいな。」
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