2010年4月のミステリ 戻る

悪夢のギャンブルマンション
2009年 木下半太著 幻冬舎文庫 305頁 
あらすじ
大阪難波のハズレにあるオカマ・バー《スラッガー》のママ・マッキーは、大国町のギャンブルマンションにいた。超男前のヒロに涙を浮かべて懇願され、一千万円を二千万円にするために付き添って来た。他にも付き添いはふたりいて、全身美容整形サイボーグのジェニファーと、ジェニファーの元彼・梅咲(うめざき)輝男。輝男はギャンブル漬けの毎日のテキトーな男だ。そして恐怖の時間が始まった。
感想
「悪夢のエレベーター」の作者のオカマママ・マッキー物。
「悪夢のエレベーター」に比べ、マッキーの脳内毒舌が少なく、そこんとこはちょっとものたらない。今回は仲良し三人組だからな。
閉じ込められて勝つまでマンションから出れない。勝てるはずもなく倍々と借金が膨らむ設定は怖いんだよ。前半は”手に汗せ”握りそうな握らさそうなギャンブルが、結構面白い。後半は仲間割れヤクザも入り乱れての乱闘。最後は、 「あんなに人が死んだのにその爽やかさはなんなの」という軽いのりで終わった。キャバ嬢の潜入捜査官がもっと生かされていたらなぁ。ちょっと勿体無い。
お薦め度★★★1/2戻る