2006年12月の映画  戻る


パプリカ
2006年 日本 130分
監督 今敏(こんさとし)
原作 筒井康隆
脚本 水上清資/今敏
アニメーション マッドハウス
出演 パプリカ・千葉敦子(林原めぐみ)/時田浩作(古谷徹)/島寅太朗(堀勝之祐)/粉川利美刑事(大塚明夫)/小山内守雄(山寺宏一)/乾精次郎(江守徹)/氷室啓(坂口大助)
メモ 2006.12.29(金)晴れ テアトル梅田
あらすじ
「パーフェクトブルー」「千年女優」「東京ゴッドファーザーズ」「妄想代理人(少年パット)」の今敏(こんさとし)監督が筒井康隆原作の「パプリカ」をパワー全開の映像化。
精神医療研究所では治療と称して「人の夢の中」に入り込む研究をしていた(共有とも言う)。本人も知覚していない「必」のエリアへの侵入である。頭部に装着するユニットを発明したのは巨漢おおぐらいの天才科学者・時田だ。だがそのDCミニが盗まれてしまうのよ。
昼はクールビューティな研究員、夜は「クライム・オブ・パッション」「ミスター・グットバーを探して」のごとく「男を救う天使」パプリカに変身する千葉敦子は、時田と島所長のお尻をたたいて追跡を開始する。
感想
ビジュアル・・・・すごかった。
夢の中と現実が混沌としてきてせめぎあう話の展開ははちゃめちゃで、あれよあれよとついて行くだけがいっぱいいっぱい。訳わからへん。が、映像がつかみから引き込まれるの。日の丸アニメ、ばんざい!
映画へのオマージュなのかな、筒井康隆御大へのオマージュなのかな。映画館で見れてよかった。
さぼてんは筒井康隆のファンではないのでよーわからへんねんけど、筒井康隆がノーベル文学賞とったら(ないと思うけど)、海外でもっと評価される映像作品になるんとちゃうかな。結構難しいからな。
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unknownアンノウン
2006年 米 85分
監督 サイモン・ブランド
脚本 マシュー・ウェイニー
キャスト ジム・カビーゼル(デニム・ジャケットの男)/グレッグ・キニア(鼻が折れた男)/ジョー・パントリアーノ(縛られた男)/バリー・ペッパー(作業着の男)/ジェレミー・シスト(手錠の男)/ピーター・ストーメア(ヘビ皮ブーツの男)/ブリジット・モイナハン(エリザ)/クレイン・クローフォード(アンダーソン刑事)
メモ 2006.12.21(木) シネ・リーヴル梅田
あらすじ
廃屋で目覚めた男。俺は誰? ここはどこ? 記憶がない。周りには手錠に繋がれた男がいる。椅子に縛られた男がいる。倒れている男がいる。そこに電話が鳴る。「お前はワズか? ブロックマンか?」 「周囲は警官だらけだ」 「後数時間で戻る」と告げて電話は切れた。きなくさい。
男達は次々と意識を取り戻すが誰も何も覚えていない。みんな傷だらけで激しく争った後がある。俺達に何が起こったのか? 外に出ようとしても、ハイテクで閉じ込められている。
どうやら俺達5人は、誘拐犯3人とらわれの身が2人らしい。そして・・・・・俺はどっちなんだ?
感想
「ソウ」、「ユージュアル・サスペクツ」、「レザボアドッグス」を意識した作品だと思う。意欲的なんやけど、これだけのバイプレーヤーをそろえていながら5人のキャラがイマイチたっていない。自分は黒と決めつけているジョー・パントリアーノ(まあ、もっともかな)、最初から白と決めつけているバリー・ペッパー、悪役を演じるのか善人を演じるのか戸惑いが見えるグレッグ・キニア(という事はキニアは名優なのかな。アクションは似合わんけど)。のお三人はともかく後のふたり。印象が薄い。加えて警察は間抜け過ぎやし、悪漢ピーター・ストーメアの使い方も半端。もっと凄みを。「後一息がんばりましょう」だな。おおばけしたかもしれないのになぁ。
とはいえ、85分という短い尺でどんでんがえしもあってミステリファンにはお薦め。 記憶がよみがえってきてダークサイドと気づきながらも心を探って「俺はワルなのか? 俺はいい人間だ。そんなはずはない。」と戸惑う姿がよい。
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暗いところで待ち合わせ
2006年 日本 129分
監督・脚本 天願大介
原作 乙一(おついち)
撮影 古谷巧
出演 田中麗奈(本間ミチル)/陳柏霖チェン・ボーリン(大石アキヒロ)/宮地真緒(二葉カズエ)/井川遥(三島ハルミ)/岸部一徳(ミチルの父)/佐藤浩市(松永トシオ)/佐野史郎/波岡一喜
メモ 2006.12.17(日)晴れのち雨 梅田シネ・リーブル
あらすじ
本間ミチル(田中麗奈)は3年前の交通事故で視力を失った。それでも小さい頃からの父との穏やかな二人暮しが続く。朝窓を開け光を浴びる事から一日が始まる。その平和な日に突然の父の死。なれない手つきでつたない点字のお手紙を書いてくれた優しい父がいなくなる。深い喪失感の中懸命に毎日を過ごすミチル。ある日家の側の駅で急ブレーキの音がした。そして家のチャイムが鳴る。扉を開けても誰もいない様子。しかし男が息を止めてミチルの側を通り抜け家の中に入ったのだ。追われている男アキヒロは窓辺に身を潜める。
感想
さぼてんが乙一(おついち)の映画を見に行くなんて。そして絵になる美男美女の、セリフのない静かな演技が気に入るなんて。
なんてこったい!
これは小説を読まなくてはならんな。
最後の方の「そんなシチュエーションでそんな危険な事言うか?」というのも原作ありきなのか知りたい。
 
光を失った事から家に引きこもるミチル、職場で周りにとけこめず孤立するアキヒロ。ふたりが世の中に一歩踏み出すお話やねんけどね、さぼてんは引きこもり系なもんでふたりが「白夜行」みたいに”ふたりだけの世界”に生きるのもなんかいいんちゃうかな、と思う。どきどきするな。観てみたいな。言葉のない奇妙な共同生活に惹かれた。アキヒロがミチルの危なっかしい生活をハラハラしながら見ているのが優しい。
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40歳の童貞男 The 40 Year Old Virgin
2005年 米国 115分 R−15
監督・脚本 ジャド・アパトー
脚本 ジャド・アパトー/スティーブ・カレル
キャスト スティーブ・カレル(アンディ)/ポール・ラッド(デビッド)/ロマニー・マルコ(ジェイ)/セス・ローゲン(キャル)/ダーモット・マローニーと離婚したキャサリン・キーナー(トリッシュ「スムーチーをぶっ飛ばせ!!」)/エリザベス・バンクス(ベス)/レスリー・マン(ニッキー・監督の妻)
メモ 2006.12.2(土)晴れ レンタルDVD
あらすじ
アンディのアパートはフィギアがいっぱい、ゲームもいっぱい。いわゆるヲタクなのだ。これで「ずっと前から童貞」なのが知れた日にゃ「キモオタ」になってしまう。ところがメンツが足らないので誘われたポーカー・ゲームでいっぱしに♀の話をしπを「砂袋の感触」などと口走ったものだから「(なーに言ってんだ、こいつ?)」の同僚達に”未体験”なのがばれてしまう・・・・。同僚のキャルは「アンディは真面目なヤツだが大量殺人鬼」と思い込んでいたが「謎は解けた」のである。デビッド、ジェイ、キャルの3人はさっそく「アンディに初体験をさせる隊」を結成。そしてえじきとなった40男アンディの苦悩の日々が始まった。
感想
まあ、やっぱり、ちょっと恥ずかしかったな。レンタルするのは(笑)。原題そのままとはいえ、この邦題を付けた人はえらいと思う(^^)v。
シャイなアンディは女の人が嫌いな訳ではなく若い頃の2、3回のチャレンジが散々で、殻に閉じこもっていた。その天岩戸(あまのいわと)を無理やりこじ開けるおせっかいな3人の悪がきが、それなりにいいヤツラなのだ。そしてアンディが好きになるトリッシュが、ロリータでもなけりゃギャルでもなく、3人の子供(どうやら3人とも父親が違う様子)とひとりの孫(彼女は娘の子供と言う)がいる若作り若々しいキャサリン・キーナーだったという作りが小奇麗で女の人にも受けると思う。 ラストシーンを見てこの映画は”人生賛歌”のお話なのだ、とわかった。 元気なうちになんでも楽しまなあかんね。
映画の話がいっぱい出てきて楽しい。「ジェイド」のデヴィッド・カルーソー(CSI:マイアミのチーフ)の話が出てきたよ。
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