2005年9月の映画  戻る


運命じゃない人   −この日、ボクの家のドアは3回開いた……(7回では・・・)

2004年 日本 98分 第14回PFFスカラシップ作品
監督・脚本 内田けんじ(「WEEKEND BLUES」)
撮影 井上恵一郎
音楽 石橋光晴
出演 中村靖日(宮田武)/霧島れいか(桑田真紀)/山中聡(神田勇介)/板谷由夏(倉田あゆみ)/山下規介(浅井志信)
メモ 2005.9.18(日)晴れ 梅田ガーデンシネマ
あらすじ
サラリーマンの宮田君は、今日も会社でため息をついている。パソコンに貼り付けた”あゆみちゃん”の画像を見ているのだ。結婚するために分不相応のマンションを買ったというのに、彼女は「好きな人がいるの」と去っていってしまった。いまだ諦められない。未練たっぷり。そんな宮田君に同僚の高木が「おしゃれなマンションに住んでいるらしいね。明日の土曜日デートがあるんで部屋をちょっと貸してくれない?」と「アパートの鍵貸します」の様な事を言う。きっぱり断れないお人よしの宮田君であった。一人寂しく帰ってくれば友の神田から電話。「話があるからすぐ出て来い」と何故かひそひそ声で神田は話すのである。
感想
「いい人いい人どうでもいい人」の宮田(中村靖日)のお顔がなかなかなじめなくてちょっと苦労する。つげ義春の漫画のようだ。最後までなじめなかったかもしれん。それでも彼ひとりの効果でこの映画は個性的になっている。それは美男美女オンリーではないから。
 
新人監督ながら海外の賞を4つもとったとか(最優秀ドイツ批評家賞とか)。「サマータイムマシン・ブルース」と同じく舞台劇のにおいがする。さぼてんは映像よりも脚本寄りなのでこういう話は好み。もともと本好きだからな。伊坂幸太郎のお話みたい。金曜日の夜から土曜日の朝までが5人の視点で語られる。真実を知るのは観客だけなのだ。
 
日本映画はもう大作を撮るのはやめたらと強く思う映画であった。大作はアメリカ合衆国にまかせてチマチマ工夫した映画でえーやん。さぼてんは好きだぞ。
お気に入り度★★★★戻る

ハリウッド的殺人事件 HOLLYWOOD HOMICIDE

2003年 アメリカ 115分
監督 ロン・シェルトン(「さよならゲーム」「ハードプレイ」)
脚本 ロバート・ソウザ/ロン・シェルトン
撮影 バリー・ピーターソン
音楽 アレックス・ワーマン
出演 ハリソン・フォード(ジョー)/ジョシュ・ハートネット(コールデン)/レナ・オリン(ルビー)/ブルース・グリーンウッド(ベニー・マッコ)/マーティン・ランドー/ロバート・ワグナー
メモ 2005.9.17(土)晴れ WOWOW録画
あらすじ
映画の街ハリウッドの刑事2人。ふたりとも副業をもっていていそがしい。警官は非番があるのでバイトしているのが多いとか。おやじの方の刑事ジョー(ハリソン・フォード)は不動産屋。でっかいお荷物の不動産をかかえてしまい破産寸前。青二才(ジョシュ・ハートネット)の方は天与の職業は俳優なんだと。。。
感想
まあ、お気楽〜に楽しめる刑事物かな。最後の二手に分かれての追走劇はなかなか面白かったな。ただ「パラサイト」 の時に「トミー・リー・ジョーンズの再来か!」と騒がれたジョシュ・ハートネットが普通っぽかったかも。「デビル」のブラピみたいにハリソン・フォードを喰っちゃうわけに、、、いかないもんねえ。へたにへたに演技していると思われの「欲望という名の電車」の舞台があまりにおさむくて。おさむ過ぎてほんまに大根ちゃうんと見えてしまう。ワタクシこの映画の前に「Who Am I This Time?(1982) 今度はどんな役?」というめっちゃええTV映画を見ていたんやけど(監督がジョナサン・デミ)、名優クリストファー・ウォーケンが同じスタンリー役(映画ではマーロン・ブランド)していてねえ。そのあまりのギャップに・・・(**)~~~ 言葉がない。
 
感想を書きたかったのは、ルー・ダイアモンド・フィリップスが出ていたのだ(ぜったい見逃さない)。びっくりしたよ。娼婦ワンダに扮しているおとり警官。女装してても素敵なんだな、これが。なんであんなに網タイツの足がきれいなん。
お薦め度★★1/2戻る

スムーチーをぶっ飛ばせ!! DEATH TO SMOOCHY

2002年 アメリカ 109分
監督 ダニー・デヴィート(「ローズ家の戦争」)
脚本 アダム・レズニック
出演 ロビン・ウィリアムズ(レインボー・ランドルフ)/エドワード・ノートン(スムーチー)/キャサリン・キーナー(ノラ)/ダニー・デヴィート
メモ 2005.9.17(土)晴れ WOWOW録画
あらすじ
おとり捜査にひっかかって降板させられたレインボー・ランドルフ(ロビン・ウィリアムズ)。怒りの矛先は「俺の座を奪った男」スムーチー(エドワード・ノートン)に向かう。スムーチーはピンクの犀だ(酔っぱらったら見えるっていうヤツ。あ、あれはピンクの象だったか・・・)。あの手この手でスムーチーを貶めようとする頭にすの入ったレインボー。彼が奪還したいのは子供向けTV番組の人気者であった
感想
「オペラハット」みたいな映画かな。無垢で一途な若者が、ドロドロした世界でもその純真さが汚されないというあったらいいなの夢物語。結構アクが強い。 ロビン・ウィリアムズよりもエドワード・ノートンよりも首ちょっきんのマフィアのママがキョーレツな印象よ、あたしゃ。
とはいえ最後のおまけの3人が空を飛んでいるシーンがとってもよかった。おまけが一番よかった。芸達者とはこういう人を言うのだろう>ロビン・ウィリアムズ
お薦め度★★★戻る

サマータイムマシン・ブルース SUMMER TIMEMACHINE BLUES

2005年 日本 107分 東芝エンタテインメント
監督 本広克行(「踊る大捜査線THE MOVIE」「サトラレ」「スペーストラベラーズ」)
原作・脚本 上田誠「サマータイムマシン・ブルース2003」
撮影 川越一成
音楽 HALFBY(ハーフビー)/STRAUSS(シュトラウス)/Tommy Hevenly6
出演 瑛太(甲本拓馬「ウォーター・ボーイズ」)/上野樹里(柴田春華)/与座嘉秋(新美優)/川岡大次郎(小泉俊介)/ムロツヨシ(石松大悟)/永野宗典(曽我淳)/本多力(田村明)/真木よう子(伊藤唯)/佐々木蔵之介(穂積光太郎・ホセ)/升毅/三上市郎(映画館主)/蓮見薫(銭湯)/川下大洋(大学の管理人さん)
メモ 2005.9.12(月)晴れ 動物園前シネフェスタ
あらすじ
某大学の夏休み。うだるような暑さの中SF研究会の5人は、きっちりユニホームを着てかったるい野球をやっている。部室に帰って来て年代物のクーラーに憩う連中。ところがクーラーのリモコンにコーラがかかっておしゃかになるというアクシデント発生!。次の日からは扇風機もない部室でゆだっている。みんなでオセロをしているが「黒でも白でもどーでもいいんだよっ!」の発狂寸前。そんな中突如面妖な乗り物が現れた。ダイアルがついてあるよ、コレ。タイムマシンでないの? ひとまず昨日にいって無事なリモコンを取ってくるかとSF研は旅に出る。
感想
「おまいらは小学生か」というギャグにはいささかすべるけど、途中はしゃかりきになってもリモコンが行ったり来たりで黒になったり白になったりしていたオセロが、ラストにパタパタとひっくり返って収まって行く。よくできていた。「タイムマシン物」の秀作。 「暑いから無事なリモコンを手に入れたい」というシンプルな目の前の切望が、天下国家と無関係な志の低さが楽しい。過去を変えると「タイムパラドックス」が生じて未来が変わるのか、それともタイムマシンでうろちょろするのも全て予定調和なのか・・・という疑問には答えているような、いないような。甲本が田村になったら「予定調和」と答えているのかもしれぬ。未来が過去を変えるんか。なるほど。 ひとり行ってひとり帰って来て、リモコンが行って帰って来てプラスマイナス0になるのが新しいと思う。ビニールが分解されないのは怖いと思う。物体はひとつやけど時間軸はぐじゃぐじゃ。
ヨーロッパ企画という京都の劇団の「サマータイムマシン・ブルース2003」の映画化だそう。
 
《お知らせ》クーラーのリモコンをこっそり持っていって恐る恐るチケット売り場で見せたら、本当に千円で見れたよ(^^)v
お気に入り度★★★★1/2戻る

チャーリーとチョコレート工場 Charlie and the Chocolate Factory

2005年 アメリカ/イギリス 115分
監督 ティム・バートン
原作 ロアルド・ダール(「チョコレート工場の秘密」)
脚本 ジョン・オーガスト
撮影 フィリップ・ルースロ
音楽 ダニー・エルフマン
出演  ジョニー・デップ(ウィリー・ウォンカ)/フレディ・ハイモア(チャーリー・バケット「ネバーランド」)/デヴィッド・ケリー(ジョー爺「ウェイクアップ!ネッド」「グリーン・フィンガーズ」)/ノア・テイラー(ミスター.バケット)/ヘレナ・ボナム=カーター(ミセス.バケット)/ディープ・ロイ(ウンパ・ルンパ)/クリストファー・リー(ドクター・ウォンカ)
メモ 2005.9.3(土)晴れ 肥後橋リサイタルホール試写会
あらすじ
チャーリーにはジジババが4人いる。ジジのひとり、ジョー爺は昔ウィリー・ウォンカのチョコレート工場で働いていた。しかし産業スパイにレシピを盗まれ人間不信におちいったウォンカは従業員を全員解雇してしまった。それから15年、チョコレートは作り続けられている。人の出入りはまったく0なのに。誰が作っているのだ? その秘密が5人の子供たちに解き明かされる事になった。チョコに入ったゴールデンチケットを手に入れたキッズ5人は保護者とともに工場見学にでかける。
感想
原作同様決してお子ちゃま向けではない。「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」と「シザーハンズ」を足してそして、はじけたような味わいかな(人の悪さ高しやけど。まあ原作がそうやから)。両作品が監督のベストと言えよう。  とはいえさぼてんの満足度は★★★★★ いやあ堪能しました。マニアックに完成されつくしている。ここだけの話、原作はかなり難しい。イメージするのに四苦八苦、、、、苦しんだ。それをみごとにおちゃらけの映像化。 古典文学を現代語訳したというか、漫画化したみたいというか。 原作より好きかも。なにしろウィリー・ウォンカがジョニデやねんよ。 ちゃめ。かわいいティム・バートンといいジョニー・デップといいなんてすばらしい人なんだ。
せんだみつお似のウンパ・ルンパの「水着の女王」(だと思う)のパロディ・ミュージカルに笑った。バイエルンの狂王ルードウィヒ二世が作ったリンダーホフ城の人工池みたいな水流くだりがとってもよかったな (それともアレはガレー船だったのかな)。
ティム・バートンとロアルド・ダールは「ジャイアント・ピーチ(「おばけ桃の冒険」)」に続いて2作目。
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