2006年5月の映画  戻る


ジャケット THE JACKET
2005年 米・独 103分 マンダレイ・ピクチャーズ
監督 ジョン・メイブリー
製作 ジョージ・クルーニー/スティーブン・ソダーバーグ(セクション・エイト)他他
脚本 マッシー・タジェディン
撮影 ピーター・デミング.ASC
音楽 ブライアン・イーノ
キャスト エイドリアン・ブロディ(ジャック)/キーラ・ナイトレイ(ジャッキー)/クリス・クリストファーソン(ドクター・ベッカー)/ジェニファー・ジェイソン・リー(ドクター・ローレンソン)/ケリー・リンチ(ジーン・ジャッキーの母)/ブラッド・レンフロ(ストレンジャー)/ダニエル・グレイグ(ルーディ)
メモ 2006.5.27(土)晴れ 梅田ブルク7
あらすじ
1992年もアメリカ合衆国はイラクで戦っていた。湾岸戦争だ。ジャックは「砂漠の嵐」作戦の最中少年に頭部を撃たれ死亡した。。。。かに思われたが奇跡的に一命を取り留める。しかし「逆行性健忘症(記憶障害の起こる前の事も記憶があやふやになる。)」という後遺症をもらう。退役してヒッチハイクしながら故郷に戻る途中のジャックは、警官殺しに巻き込まれた。犯人として裁判にかけられるが、戦争の後遺症のためと無罪になる代わりに精神病院送りとなった。そこではドクター・ベッカー(クリス・クリストファーソン)が治療と称した人体実験を行っていた。「胎内に戻る治療」といって、拘束衣(ジャケット)を着せられ死体安置所のロッカーに閉じ込められるのである。どこの世界にステンレスの子宮があるわけ?である。しかし彼はそこで不思議な体験をする。トリップするのだ。2007年の15年後の世界へ(ジェニファー・ジェイソン・リーが15年たっても全然変わっていないのに驚きましたわ)。
感想
結構甘い目、、、、いやすこぶるつきに甘かった。
奇跡というか、魂の再生という話なんだと思う。イエス・キリスト(ジーザスJesus)になぞらえてある。キリスト教徒ではない身にはよーわからんというのがよくわかる映画だった。
しかしもはや一万光年ほど前の事(のように思える)ので覚えちゃいないんやけど、「恋に落ちる」ってあんな感じだっけ? あまりに唐突でついていけん。 先日までいたいけな幼女だった違和感を乗り越えるのに、もうちょい時間がかかるんじゃ・・・・。そこんとこエイドリアン・ブロディのキャラでまあきれいに見せてたけど(でなきゃロリだよロリ)。キーラ・ナイトレイがお風呂に入っているサービスがあるんやけどお、あんなアル中生活で肌がすべすべだなんて・・・ありえん。ふたりはもはや死語となったかもしれん「プラトニックな関係」の方が純愛度が高くてよろしかったんじゃと思う(古い人間かしら)。
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大統領の理髪師 −孝子洞理髪師−
2004年 韓国 116分
監督・脚本 イム・チャンサン
撮影 チョ・ヨンギュ
音楽 パク・キホン
キャスト ソン・ガンホ(ソン・ハンモ「殺人の追憶」)/ムン・ソリ(キム・ミンジャ「オアシス」)/ リュ・スンス(チンギ)/ イ・ジェウン(ソン・ナガン)/ソン・ビョンホ(チャン・ヒョクス「美しき野獣」)/パク・ヨンス( パク・ジョンマン)/チョ・ヨンジン(大統領)
メモ 2006.5.14(日)晴れ WOWOW録画
あらすじ
お話は李承晩(イ・スンマン)政権の終末期から始まり、朴正煕(パク・チョンヒ)大統領の在位(1963年-1979年)が舞台で、全斗煥(チョン ドゥファン)の就任で終わる。主人公のソン・ハンモ(ソン・ガンホ)は床屋。大統領官邸・青瓦台(せいがだい−チョンワデ)のある孝子洞(ヒョジャドン)の町の床屋だ。町の人々と同じでわからないながら俺らの町の大統領に親近感を持っている。言われるがままにライバル票を埋めたりして不正選挙に加担したりしている。しかし根が正直者で小心者、その事を気に病んでいる。そんな市井の床屋が大統領の理髪師になってしまう。週一回青瓦台に通わなくてはならない。粗相があっては家族にまで災いが及ぶ。耳にふた、口にふたの「王様の耳はロバの耳」の心労の日々が始まった。
感想
見終わって・・・なにやら気持ちがざわざわする。日本国が東京オリンピック(1964年)だ日本万博(1970年)だと浮かれていた時代に苦しんでいた韓国。それは庶民が政治に無知やったから(おれらがあほやってん)という暗示がイタイのだ。政治オンチのアタシを、こんなに無関心でいいのかと不安に落とす。 竜と菊というのは中国と日本の事なんかな。挟まれた半島の国やからプレッシャーを感じているのかな。中国と日本を飲んで自分の足で立てといってる。
 
ソン・ハンモ(ソン・ガンホ)の家族を守りたいという一途な姿がとてもいい。背中で息子に語っているんだ。床屋のノスタルジックさもいいな。親戚に床屋があって母の三番目の姉の嫁ぎ先だった。新七と言う7番目の子供だった義理の伯父の店で、床屋の新七で「とこしん」と言う。小学生の頃夏休みには毎年泊まりに行って、店の掃除やらタオルをたたむ手伝いをしていた。店のたたずまいがよく似てるねん。その「とこしん」の伯父はあたしが可愛がってもらった頃は改心していたが、昔は「飲む打つ買う」の3拍子で伯母はえらく苦労したらしい。ドラマやねぇ。
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僕の大事なコレクション everything is illuminated
 2005年ベネチア国際映画祭ラテルナ・マジカ賞
2005年 米国 105分
監督・脚本 リーヴ・シュライバー(「ニューヨークの恋人」「スクリーム」
原作 ジョナサン・サフラン・フォア
キャスト イライジャ・ウッド(ジョナサン)/ユージーン・ハッツ(アレックス)/ボリス・レスキン(祖父)/ラリッサ・ローレット(リスタ)
メモ 2006.5.6(土) 天神橋六丁目ホクテンザ 
あらすじ
ジョナサン(イライジャ・ウッド)は病床の祖母からダビデの星のペンダントと一枚の写真を渡される。その写真は自分とそっくりの若き日の祖父であった。祖父の隣にいる女性は祖母ではない。??? 写真の裏には「アウグスチーネとトラキムブロドにて」と書かれてあった。「この女の人は誰?」と祖母に聞いても答えてくれない。写真の女の人をじっと見ると首のペンダントに見覚えがあった。ジョナサンが小さい頃他界した祖父が残したペンダントだ。バッタが琥珀(こはく)?に入っているペンダントトップだった。ジョナサンはコレクターであった。無害な変人でもあると思われる。集めているのは家族に関わるもの。彼はその女の人を探し出すため、祖父の生まれ故郷ウクライナに旅立つ。
感想
変わった映画だったな。最初は軽くだんだん重くなってくる。でも老女が何ゆえ生き残ったかの説明がなくこの世の人ではないと思わす寓話の様。「黒猫・白猫」のエミール・クストリッツァ監督の映画とちょっと似ている。
この世には色々なしがらみから逃れて漂流していたい気質の人がいるらしい。ただ口では「親兄弟関係ない、家族もいらない、ひとりで生きていく」と言う人はいるが、実際姿を消した人はひとりしか知らない。DNAの引っぱりは強いんだ。姿を消したのはいとこの結婚相手だった人。その人もいつか故郷に帰るんかな。子供や孫に会いに帰って来るんかな。
ユダヤ人の迫害の歴史という以上に、アメリカ人のルーツのお話だと思う。アメリカ合衆国は生まれ故郷で迫害にあったり飢饉で食詰めたり戦渦から逃れるため新天地アメリカを目指した人々が作った国なのだな。故郷を離れ勇気ある人達なんかな。自由な国が好きでアメリカ国民たろうと努力の日々だ。しかし豊かなこの国の人々は案外根無し草の気持ちが抜けないのかもしれん。。また石油の利権とかもあるだろうが、普通のアメリカ人の血には「迫害にあっている人たちを助けたい」という熱い思いがあるんだろうな。その一方理解されないゆえの被害者意識も強くアメリカ大統領に「911は第三次世界大戦の始まり」などと言わせてしまう。そんな空恐ろしい言葉簡単に言っていいの? 言霊(ことだま)ってのは独り歩きするんやし。