2005年10月の映画  戻る


ビー・クール Be Cool
2005年 アメリカ 120分 FOX
監督 F・ゲイリー・グレイ(「ミニミニ大作戦」「交渉人」
原作 エルモア・レナード
脚本 ピーター・スタインフェルド
撮影 ジェフリー・L・キンボール
音楽: ジョン・パウエル
出演  ジョン・トラヴォルタ(チリ・パーマー)/ユマ・サーマン(トミーの未亡人イーディ)/ジェームズ・ウッズ(トミー・インディーズレーベルの経営者)
ハーヴェイ・カイテル(ニック・カー)/ヴィンス・ヴォーン(ニックの手下ラジ)/ザ・ロック(ラジのボディガード・エリオット「ハムナプトラ2」
セドリック・ジ・エンターテイナー(極悪プロデューサー・シン・ラサール)/アンドレ・ベンジャミン(元ギャングのラッパー・ダブ)/ロバート・パストレッリ(ジョー)/ポール・アデルスタイン/デビ・メイザー//ダニー・デヴィート(マーティン・ウィアー)/スティーヴン・タイラー/ワイクリフ・ジョン/フレッド・ダースト/セルジオ・メンデス/ジーン・シモンズ/RZA/ジョー・ペリー/アナ・ニコール・スミス/クリスティナ・ミリアン(リンダ)
メモ 2005.10 ホクテンザ2
あらすじ
取立て屋から映画プロデューサーに変身して映画「ゲット・ショーティ」を成功させたチリ・パーマー。続編も成功したがいささか映画産業にもこの街にも飽きてきた。旧友のトミー(ジェームズ・ウッズ)が持ちかけてきた掘り出し物のミュージシャンの話も「どうかなあ」とイマイチ気がのらない。ところが目が覚めるような事が起こったのよ。
感想
「帰ってきたチリ・パーマー」
このキャッチが全てか。。。も。「ゲット・ショーティ」の続編。相変わらず面白いのか面白くないのかようわからへん出来。ロシアンマフィア、リンダを離さない悪徳マネージャー、借金を返せという極悪プロデューサ、リンダを売り出してレーベルを立て直したいチリ&イーディ。四つ巴の狂騒曲の中、危機また危機をチリ・パーマーは敵に呪縛をかけ悠々と泳ぎきる。
 
結構敷居の高い作品。楽屋落ちのサービスが多いからなんかな。 
まずエルモア・レナードののったりくったりした展開が好きでないとそえない。ついていけない。アクション物とかコメディ物とかの範疇に納まらないというか、納めようとしないというか。話はスライムかブロブのようにべったり伸びていくの。それでもすったもんだのあげくちゃんと収まるんだ。
ふたつ目は俳優自身と役、それぞれの濃いキャラを愛さなきゃいけない。たとえ演技がすべっていても浮いて見えていてもそれは「わざと」と思うこと。 ゲイで俳優を目指しているザ・ロックがよかったねえ。踊れるんだ。
三つ目は洋楽に詳しい方がいいみたい。  音楽に疎いさぼてんはリンダとふたりで歌っているよりもスティーヴン・タイラー(エアロスミス)の力強い歌声だけをずっと聴いていたかったぞ。(これって、なんかこの映画を全否定しているみたいやけど、、、そうやないんやけど(;´Д`)。 エルモア・レナードを偏愛している人、洋楽好きの人、そして映画好きならそれなりにきっと楽しめると思う。
お薦め度★★★戻る

シン・シティ Sin City
2005年 アメリカ 124分
監督・製作・脚本・撮影・音楽・編集 ロバート・ロドリゲス
監督・原作・製作・脚本 フランク・ミラー
スペシャルゲスト監督 クエンティン・タランティーノ
出演 ミッキー・ローク(マーヴ)/クライブ・オーウェン(ドワイト「ゴスフォードパーク」「ボーン・アイデンティティー」 「グリーン・フィンガーズ」)/ブルース・ウィリス(刑事ハーティガン)/ジェシカ・アルバ(ナンシー)/ベネチオ ・デル・トロ(ジャッキー・ボーイ)/イライジャ・ウッド(ケビン)/ジョシュ・ハートネット(ザ・マン)/ブリタニー ・マーフィ(ウェイトレス・シェリー)/デヴォン青木(ミホ)/ルドガー・ハウアー(ロアーク枢機卿)/パワーズ・ブー ス(ロアーク上院議員)/マイケル・マドセン(刑事ボブ)/アレクシス・ブレデル(ベッキー)
メモ 2005.10.22(土)くもりたまに雨 梅田ブルク7
あらすじ
酒場で交差する3つのラブ・ストーリー。全編、暴力と殺戮と血潮とダンディズムで満ち満ちている。いかに筋を通す かの男の美学。
感想
いきなりのハードボイルドで・・・・濃い。  「ま、見ろ」としか言えない。 ハマる感覚をもてるかどうかで評価は分かれると思う。
ストーリーよりも映像とキャラが見ものだったな。映像は車で田舎道をくねくね走るシーンがすっごくいい。  キャ ラは特に脇役3人。まずイライジャ・ウッド(ケビン)。「アイス・ストーム」の時に思ったんやけど、この人は独特の静謐 な雰囲気がある。一歩間違えればただのネクラだ。役柄によって内面の塊が熱くなったり冷たくなったりする。次にベネチオ ・デル・トロ(ジャッキー・ボーイ)。ぬめっとした目つきにゾクゾク。今回はかなりのいじられキャラ。最後に剣士のデヴ ォン青木(ミホ)。誰よりもかっこいいんだ強いんだ(男の助けが必要なんだろうか。)  ジョシュ・ハートネットの軽さ も映画に変化をつけていてよかったな。
強く熱い魂をもっていてバッチリ決めそう、、、なのに時々なぜかドジな正調ハードボイルド。
お気に入り度★★★★戻る

目撃者 Eyewitness

1981年 アメリカ 103分
監督 ピーター・イエーツ(「大列車強盗段」「ブリット」「ジョンとメリー」「マーフィの戦い」)
脚本 スティーヴ・テシック
撮影 マシュー・F・レオネッティ
音楽 スタンリー・シルヴァーマン
出演 ウィリアム・ハート(ダリル)/シガーニー・ウィーヴァー(トニー)/クリストファー・プラマー(ジョセフ)/ジェームズ・ウッズ(アルド)/パメラ・リード(リンダ・アルドの妹)/ケネス・マクミラン(ダリルの父)/アリス・ドラモンド(ダリルの母)/アイリーン・ワース(トニーの母)/アルバート・ポールセン(トニーの父)/モーガン・フリーマン(刑事)/スティーヴン・ヒル
メモ 2005.10.1(土)WOWOW
あらすじ
ベトナム帰りのダリル(ウィリアム・ハート)はビルの清掃が仕事。仕事に満足している。満足していなかったのは元同僚のアルド(ジェームズ・ウッズ)。ベトナムの戦友でもある。ビルのテナントにベトナムの貿易会社が入っていて、そこの社長は悪名高いノトリアスなロンであった。ベトナム時代も今もうまく立ち回って金をためている。ベトナム解放のために命をはった俺たちがゴミ掃除をしていて、何ゆえベトナム人のロンは社長なわけ?金持ちなわけ? ロンとトラブったアルド(ジェームズ・ウッズ)は会社を首になってしまう。そしてロンが絞殺死体で見つかった。
感想
大人の男と女のラブロマンス・サスペンス。
ブラウン管の向こう側のリポーター・トニー(シガーニー・ウィーヴァー)に3年越しの片思いしていたダリル(ウィリアム・ハート)は「事件の秘密を知っている」などと思わせぶりな事を言って、トニーの関心を買おうとする。そして命を狙われる。「アルタードステーツ (1980)」直後のウィリアム・ハートは好青年だったかもしれんが、今見ると一癖もふた癖もありそう。あやしい(**)。面妖。 時の流れというものでしょうか。
 
  監督はうまくて脇役の事情も満遍なく語られていてね。それが伏線にもなんにもなっていないんやけど、人間を描いているというか、人の縁とか絆とかがわからんと見ててもどもならんからな、この映画。語り口がうまいな。刑事のひとりは長男をベトナム戦争で亡くし、もうひとりの刑事モーガン・フリーマンはとうとう子供をあきらめて養子をもらう事にしたと言う。ダリルの父は足が不自由でお前の母さんは冷たいと息子に愚痴る。「思ったようにいかないのが人生やねんね」というのが、しみじみわかる趣向となっている。
その中でも実に印象深かったのがアルド(ジェームズ・ウッズ)。彼は妹のリンダ(パメラ・リード)とダリル(ウィリアム・ハート)を結婚させるというプランを持っている。その理由というか夢というのが
「クリスマスに(ダリルの)家を訪れたら『アルドが来た!』ってみんなが喜ぶんだ」・・・・・・・・・(肩ががくんと落ちた)
ちびさぼの同級生に臨終の際に家族みんなに「おばーちゃん」って言ってもらうのが夢ってな子がいるが、相通じるものがある。いや違うな、人をあてにしてはあかんやろー。自分の足で立てー。せつな過ぎるー。
という訳でなめらかな名優のウィリアム・ハートよりもごっつんごっつんしたジェームズ・ウッズが記憶に残りそうな映画であった。しかし「目的が手段を正当化するわけではない」というのが言いたかった事なのだろうか? ベトナム戦争とか?
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