2004年4月の映画  戻る


恋愛適齢期 Something’s Gotta Give

2003年 米 128分
監督・脚本・製作 ナンシー・マイヤーズ(「プライベート・ベンジャミン」「赤ちゃんはトップ・レディがお好き」「花嫁のパパ」「アイ・ラブ・トラブル」)
撮影 マイケル・ボールハウス ASC
美術 ジョン・ハットマン
音楽 ハンス・ジマー
衣装 スザーン・マッケイブ
出演 ジャック・ニコルソン(ハリー・サンボーン)/ダイアン・キートン(エリカ・バリー)/キアヌ・リーブス(ドクター・ジュリアン・マーサー)/フランシス・マクドーマンド(ゾーイ)/アマンダ・ピート(マリン)/ジョン・ファブロー(レオ)/ポール・マイケル・グラーザー(デイビッド・クライン)
メモ 2004.4.21 梅田ブルク7
あらすじ
音楽業界をみずからの力でのし上がった男、ハリー・サンボーン63歳。男盛りだと思っている。多少例のあのバで始まるお薬のお世話にもなってはいるが。独身で若い美女ばかりを渡り歩き「熟女は俺みたいな男は相手にしてくれないのさ」とのたまい若い女の精気を吸いたいバンバイアもどき(いやいや)。そら若い方がいいよなー。誰しも(キアヌったら眼福眼福)。今日は新しい恋人マリンの別荘でロマンチックにベッドインしようと思っていたところ、別荘にはマリンの母親と伯母がいた。母親は娘の恋人を見て絶句・・・・・(ジャック・ニコルソンだよ。)
感想
ひと目で反発しあい、ひょんな事からラブ、そしてすれ違い、ラストは大甘というロマンティックラブコメの王道と言っていいかな。ただ、主演ふたりの年を足したら100歳をはるかに越えるという一点を除けば。
どこが面白いって言葉にしにくいんやけど、もうひーひー笑いました(^^)。ハリー(ジャック・ニコルソン)が心臓発作を起こして倒れ意識朦朧としている所に、マウスツーマウスをせんとせまりくるエリカ(ダイアン・キートン)。エリカを見た時のハリーの「引きつった顔、カッと見開いたおびえた目」。。。。。一瞬ホラー映画かと。
 
「50を過ぎても恋愛もまだまだいけいけよ、捨てたもんじゃないのよ」という新しい出会いへの応援歌というよりも、結婚の倦怠期にずーっとはまり込んでいるカップルに「覚醒せよ。」と言っているように思えるなあ。しかし「タイムリミット」といい、「恋愛適齢期」といい特定のパートナーがいないと周りも映画も許しちゃくれない世界なのねアメリカって国は。相手をみつけようまとめようまとめようとする。ひとりで生きていくのは変人あつかいかいとも感じるなー。大変だな。ニック・カサベテス監督の「ミルドレッド」は少数派なんだな。
おすすめ度★★★★1/2
戻る

穴−HOLES

2003年 米 117分
監督 アンドリュー・デイビス(「逃亡者」)
出演 シガニー・ウィーバー(ウォーデン所長)/ジョン・ヴォイト(ミスター・サー)/シア・ラビオフ(スタンリー・イェルナッツ四世)/クレオ・トーマス.(ゼロ/ゼローニ)/パトリシア・アークエット/ティム・ブレイク・ネルソン(ドクター・ペンダンスキー)
メモ 2004.4.19 レンタルDVD
あらすじ
運に見放されたぼくんちイェルナッツ家はまずパパの仕事がうまくいかない。発明家のパパは靴のにおいを消す薬の開発に取り組んで幾年月。悪臭のせいでアパートも追い出されかけている。二世のおじいちゃんが言う事にゃ、あれもこれもそれも豚泥棒になっちゃったひいひいじいちゃんがジブシーの呪いを受けたからだそうだ。僕スタンリー四世も空から降ってきたスニーカーを拾ったら、、、、窃盗でキャンプ・グリーン・レイクで18ヶ月も更生しなきゃなんなくなった。レイクとは名ばかりの砂漠。一滴の雨も降らない。そこで来る日も来る日も炎天下に穴を掘っている。直径1.5m、深さ1.5mの穴を。それが矯正になるんだと。
感想
レンタルビデオ屋で新しいビデオを漁って探していたら目と穴があった作品。手にとったらシガニー・ウィーバーとジョン・ボイドが出ている。そして「穴」というストレートな題名。ゲテモノの香りがしない? 
 
という訳でレンタルした所、ディズニー映画であり、原作は超有名な児童書らしい。おみそれしやした。
何ゆえキャンプ・グリーン・レイクには雨が降らないのか。何ゆえ穴を掘っているのかの謎が時空を越えて結びつく。いや、これはこれは。なかなかの映画だぞ。スタンリー・イェルナッツ四世と穴掘り名人ゼロのまごうことなき友情のファンタジー作品。
 
ジョン・ボイド演じるミスター・サーがケッサク。国連親善大使をしている娘のアンジェリーナ・ジョリーに「お前が3度も結婚したり、親子ほど年の違うビリー・ボブ・ソーントンに惹かれたりしたのはみんなパパが悪いんだ。お前を助けたいんだ。」と涙ながらに訴えて娘から「私のハジをそこまで世間様に広めたいのっ」と逆鱗に触れまたもや勘当される。そんなに娘に嫌われたい? あほ〜。こんなにアホゥなのに何故こんなにうまいんだ。この役を嬉々として演じるジョン・ボイドに乾杯!
おすすめ度★★★★
戻る

タイムリミット TIME of OUT

2003年 米 105分
監督 カール・フランクリン
脚本 デイヴ・コラード
撮影 テオ・ヴァン・デ・サンデ,ASC
音楽 グレーム・レヴェル
出演 デンゼル・ワシントン(マット・リー・ウィトロック)/エヴァ・メンデス(アレックス・ディアス・ウィトロック)/サナ・レイサン(アン・マレー・ハリソン)/ディーン・ケイン(クリス・ハリソン)/ジョン・ビリングスレイ(チェイ)/テリー・ローリン(スターク捜査官)/ロバート・ベイカー(トニー・ダルトン)/アレックス・カーター(キャボット)
メモ 2004.4.17 梅田ブルク7
あらすじ
フロリダの小さな島バニアン・キーの警察署は署員4人の小さな世帯。署長のマット(デンゼル・ワシントン)はソフトタッチだが結構やり手。ただ最近は少々めげている。妻のアレックスがキャリア志向の強い刑事でマイアミに行ったきり8ヶ月の別居状態。俺が妻の出世をねたんでいる男なんですと。ふんだ。でもってハイスクール時代の恋人アンと同情からなんとなく火がついちゃったって訳。人妻だ。しかも夫のクリスは元フットボールのスターでこうなんというか不満と怒りで体がはちきれそうな危険な野郎。ややこしい事になるってわかっちゃいたんだよな。でもまあそこは男と女って事で。しかし予想を上回る災難が襲いかかった。アンとクリスの家が丸焼けになった上にふたりの黒焦げの死体も。放火らしい。しかも第一容疑者は、俺。それからは恐怖の時間の始まりだ。捜査担当が妻のアレックスなんですと。俺の事を知り尽くしたヤツだなんて、もう。
感想
「青いドレスの女」と同じく監督カール・フランクリン、主演デンゼル・ワシントンのサスペンス映画。こういう映画は見逃しません、ワタクシ。「青いドレスの女」に比べると腰まわりが太く貫禄がつきましたなデンゼル・ワシントン。主役が何ゆえこの人かというと、かっこいいし善人そうでしょ。この映画主人公がお人よし善人でハンサムでないとコメディになってしまうというあやうさがある。結構笑えるの。
そりゃピンチにつぐピンチで心臓パクパク。花屋に電話するふりをしたり、FAXを半壊したり、ホテルではガストン・ルルーの「黄色い部屋の謎」をしたりとひとりであたふたあたふた。アカデミー賞男優デンゼル・ワシントンの小芝居が味わえる。そう、サスペンスファンならケビン・コスナーの「追いつめられて」と同じやンけと思うはず。同じくらいサスペンスフル。ただ最後にもうひとひねりあればなあ。
女優ふたりは美人でナイスバディ。熱気と汗で体にはりついたシャツがセクシーだと思う。たぶん。
おすすめ度★★★1/2
戻る

殺人の追憶  memories of murder

 第40回大鐘賞 作品賞、監督賞、主演男優賞、照明賞
2003年 韓国
監督 ポン・ジュノ
脚本 ポン・ジュノ/シム・ソンボ
撮影 キム・ヒョング
音楽 岩代太郎
出演 ソン・ガンホ(パク)/キム・サンギョン(ソ・テユン「気まぐれな唇」)/キム・レハ(チョ・ヨング)/ソン・ジェホ(課長)/ピョン・ヒボン/コ・ソヒ(ギオク)/パク・ノシク(容疑者クァンホ)/パク・ヘイル(容疑者パク・ヒョンギュ)/チョン・ミソン(ソリョン(パクの恋人)
メモ 2004.4.11 心斎橋パラダイススクエア
あらすじ
韓国では1986年から1991年までに10件の殺人事件が発生していた。女性を狙った身の毛もよだつ猟奇殺人だ。軍人で光州事件の全斗煥(チョン・ドファン)大統領が生きて青瓦台を出て盧泰愚(ノ・テウ)大統領に移った激動の時代。韓国は1988年にソウル五輪を開催し1991年には国連に加盟している。現場はソウル近郊の農村。近代化の波が押し寄せている地域だ。担当刑事のパクは「アレをするな、コレをするな、あーせいこーせい、お前は何をしてるねんっ」の昔かたぎの刑事だった。それでもアメリカFBIの現代的なプロファイリングたらを参考にしようとはしている。なにせ俺は刑事だ。猟犬なんだ。殺された女たちの無念をはらしたい。
感想
追う刑事と許せない犯罪を犯してしまう犯人、両者の業の深さ。見ごたえがあった。刑事の業も深く、拷問や冤罪を繰り返す。「ロード・オブ・ザ・リング −二つの塔−」の善人のほうのゴラムのようなクァンホも追い詰めてしまう。犯罪のみならず被害者を拡大させてしまう。ここにも善意の善人の行動の結果がとはならないこの世の道理か不条理がある。
 
重苦しいだけではなく、サスペンスとユーモアと生活観のあるエンターティメントに仕上がっているのに完敗。
おすすめ度★★★★1/2
戻る