幻想のトルコ〜イスタンブール(スルタナメット地区)
 
Istanbul(Sultanahmet)
 
 
イスタンブール(スルタナメット地区)
 

 
トプカプ宮殿
 


  ボスフォラス海峡、金角湾、マルマラ海が出会うスルタナメットの丘。かつてコンスタンティノープル、ビザンチウムと呼ばれた街の心臓部に建つトプカプ宮殿は、15〜19世紀にかけてオスマントルコの最高権力者であるスルタンの居城でした。  

   
イスラムの首都
永きにわたりイスラム世界の中心として君臨してきただけあって、抜群の眺望を誇る立地もさることながら、壮麗な庭園、毎日4,000人分の食事を用意したという巨大な厨房、妻や愛人の住居だったハレム、洋の東西から集められた財宝の数々など、豪華を絵に描いたような造りをしています。
   

     
ハーレム・ツアー
ハレムを見るには30分毎に行われる別料金のツアーに参加します。使用言語は英・仏・独・トルコの4種類。日本語は当然ありません。仕方がないので英語ツアーに参加しました。欧米の観光客に混じってぞろぞろと歩きます。ポイントポイントでガイドが列を止めて説明を始めるのですが、いかんせん言葉がわからずちんぷんかんぷん。こんなことなら空いているトルコ語ツアーにすればよかった。でも、いいんです。見ればだいたいわかります。ステンドグラスや装飾タイルは確かに凄いです。
     

   
装飾タイル
一口にハレムといっても、中はいくつかの建物や部屋に分かれています。最も広く、また豪華な装飾が施されているのは、当然ながらスルタンの間。高価な磁器のような装飾タイルが、天井に至るまで室内を色彩どっています。金や赤など、他のイスラム諸国ではあまり見かけない色が多いですね。
   

   
ステンドグラス
こちらは皇子の間。言葉の響きは良いものの、実態はスルタンの兄弟や息子が幽閉されていたようです。せめてもの慰みにと美しいステンドグラスがしつらえられました。明かりが足りないため長時間露出をしようと三脚を立てていたら、係のおじさんが手伝ってくれました。トルコ人親切。
   

   
コンヤル・レストラン
昼食は宮殿内のレストランで。外国人観光客ばかりなのでドネルサンドが390円と異常なボッタクリ価格。街角のスタンドなら125円ですよ! でも許す。眺めがいいから。眼下にはオリエント急行のヨーロッパ側終着であるシルケジ駅に向けて走る列車。マルマラ海沿岸の各駅を結ぶ通勤線が主体です。
   

       
 
陶磁器
かつての城も今や巨大な博物館。スルタンが集めた財宝の数々は、質もさることながら、その圧倒的な量に驚かされます。中国や日本の陶磁器も豊富です。
 
スプーン職人のダイヤ
世界で7番目に大きいという86カラット(!)のダイヤ。漁師が拾った原石をスプーン職人がスプーン3本で交換したという伝説があり、この名で呼ばれています。
 
トプカプの短剣
宝物館で最も有名なのがこれ。世界最大級のエメラルドを、贅沢に3個もちりばめた短剣です。これらの品をスルタンはいつも身に付けていたんでしょうか。
 

 
アヤソフィア
 


   
混交
ビザンティン文化を代表するこの建物は、東ローマ時代にギリシャ正教の総本山として建てられ、後にモスクに改修されました。内部もふたつの宗教がごっちゃに混ざっています。マリアの壁画を取り囲むアラビア文字。これが「神の知恵(アヤソフィアの語源)」なのか。う〜ん、コスモポリタニズム。
   

   
モザイク
長い階段を登って、ドームを囲む2階の回廊に上がってみましょう。イスラム勢力によって漆喰で塗り固められていたビザンティン時代のモザイクが一部修復されています。この色が現代まで残っていたなんて、驚くだけでなく無条件の感謝も感じてしまいました。でも、ちょっと歩き疲れた。
   

 
スルタナメット・ジャミイ(ブルー・モスク)
 


  17世紀、スルタンの命により建てられた、優雅で輝かしい6本のミナレットを持つモスク。世界広しといえども、6本もミナレットがあるモスクはこことメッカのカーバ神殿だけです。朝夕のアザーンの響きには、異教徒である私たちも心洗われる思いでした。  

   
市井の人々のために
観光ポイントとして有名ですが、それ以上に地元の人にとっての日常の祈りの場としての意義が大きいように感じます。色鮮やかなステンドグラス越しに射し込む光と、朗々と響くコーランの調べ。礼拝の様子をずっと見ていましたが、長く居ても全然飽きることがありませんでした。
   

 
イエレバタン・サライ(地下宮殿)
 


   
幻想空間
なにげない雑居ビルの階段を降りていくと、突然、広大な暗闇に何本もの柱が林立する幻想的な空間が現れます。パッケージツアーのプログラムに組み込まれていない人も、自由時間を利用してぜひ行くべし。期待以上の神秘さはまさにイリュージョン。イスタンブールで一番好き。
   

 
ホテル・コレクション
 


   
オスマン調
観光ポイントが集まるスルタナメット地区にはホテルも集中しています。その多くはオスマン調と呼ばれる、張り出した独特の出窓を持つカラフルな建物です。ひとつひとつはあまり規模が大きくなく、低層階でペンションのような造り。一泊50$くらいからあり料金的にもそんなに高くありません。探すのも楽しみのひとつです。
     
イェシル・エヴ
そのオスマン調の代表的なホテルがこれ。名前通りの緑の壁が目印です。中庭があり、樹々に囲まれたテラスのカフェでは自家製ケーキや軽食が楽しめます(と本には書いてあった)。今度行く機会があったら、せめてカフェだけでも、とちょっと心残り。ただし、お風呂はありませんので、その点は覚悟の上で。
   

       
 
フォーシーズンズ
ライトアップしたアヤソフィアやブルーモスクがすぐ目の前という抜群の立地。これで一泊5万円は安いのかもしれません。私の夢はここに泊まれる身分になることです。
 
アヤソフィア・ペンション
文字通りアヤソフィアに向かい合うオスマン調ホテル。考えてみれば料金の割には良い立地です。庶民派の旅行者にとってはこの辺が現実的な選択となりましょう。
 
ソクルル・パシャ・ホテル
スルタナメットの観光案内所で紹介してもらった、ピンクの外壁が可愛いオスマン調のプチホテル。マルマラ海に近く、トプカプ宮殿やアヤソフィアも徒歩圏です。
 


   

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