幻想のトルコ〜エフェス
 
Efes
 
 
エフェス
 

 
イズミール
 


   
車窓の風景から
イスタンブールからエフェスの玄関口イズミールまで空路にて移動。マルマラ海やエーゲ海沿岸の穀倉地帯が一望でき、遊覧飛行さながらの良い眺めでした。ところで、トルコではソーラーシステムが盛んで、中でも日照に恵まれるこのあたりでは特に普及しているようです。
   

   
オトガル
空港からいったんイズミールのオトガルまで戻ってバスでセルチュクへと向かいます。オトガルとは長距離バスの専用ターミナル。たいていは街の中心から離れた郊外にあります。100台以上の大型バスがずらりと並んでいるのは壮観。食料品や雑誌、雑貨などを売る店も充実しています。
   

   
高速道路
イズミール〜セルチュクは高速道路を1時間半走り、それでも料金は250円。安い! おまけに車内ではコロンヤ(香水)とミネラルウォーターのサービスもついてくる。そりゃ、みんなバスにするわけだ。同じ路線に複数のバス会社が参入しており、オトガルでの呼び込み競争も激烈です。
   

 
セルチュク
 


  郊外にあるエフェス都市遺跡への観光拠点となる街。めぼしい見どころは歩いて回れる距離にあります。イズミールからのバスが到着するオトガルが街の中心にあり、とても便利です。  

       
 
考古学博物館
セルチュクの中心部にある博物館には、遺跡から出土した数多くの品々が展示されています。大理石の柱や人物像など、どれもみな「いかにもギリシャ」という造形です。
 
アルテミス神殿跡
その比類なき壮麗さゆえに世界七不思議のひとつに数えられたほどの大神殿ですが、今では円柱が一本残っているだけ。鑑賞には多大なる想像力を要します。
 
名もなき花
遺跡へと向かう道端にひっそりと咲いていた名もなき花。白い岩肌が目立つ乾いた土地柄だけに、旅行者にはひときわ鮮やかに訴えるものがありました。
 

   
アルテミス像
博物館の最大の呼びものはふたつのアルテミス像。大きい方(右)も小さい方(左)も胸に豊穣のシンボルである多数の乳房をつけています。装飾のついた服じゃないんですね。人間だったらさぞかし邪魔でしょうけど、神様だからいいのかな。
   
遊園地
博物館はまめに見ていくとけっこう時間がかかるので、好きな人は余裕を持ったスケジュールで行くことをお勧めします。連れの人が飽きた時は、隣にある遊園地で待っててもらうのもいいですね。トルコ名物の粘るアイスクリームも売ってるよ。
   

 
エフェス都市遺跡
 


  現存するギリシャ文明最大の遺跡。自然の斜面を利用して造られた街は、登るに従い次々と予想外の展開を見せ、訪れる者にドラマチックな驚きを与えます。  

       
 
アルカディアン通り
港から大劇場へと続く、幅11m、長さ500mもあるエフェスのメインストリート。上り坂になっているせいか、数字以上に壮大なスケールを感じさせます。
 
大劇場
24,000人収容という大劇場。都市の人口は劇場の収容人員の4倍と考えられているそうなので、当時のエフェスには10万人が生活していたと思われます。紀元前2世紀頃。
 
ケルスス図書館
アレキサンドリア、ベルガマと並んで、ギリシャ世界の三大図書館と称されました。夕陽に映える建物は朽ちてなお往時の面影を留める、まさにため息ものの美しさです。
 

   
古代の港
一直線に伸びる広い道の向こうには古代の港がありました。今では海岸線が後退し草ぼうぼうの原っぱになっています。かのクレオパトラもエジプトから船でこの港にやってきたと伝えられています。当時、道の両側には商店がずらりと建ち並んでいたようです。
   
ギリシャ彫刻
ケルスス図書館の天井に施された彫刻は微に入り細を穿ち、優美にして華麗なギリシャ文明の真髄をあますところなく現代に伝えています。実際、見上げては溜め息、カメラを構えては溜め息、撮り終えて溜め息。それほどまでに美しい質感がわかるかな?
   

       
 
音楽堂
音楽堂は大劇場の1/20のスケール。たいしたことないように思えますが、それでも実際はこんなに大きいのです。大劇場の偉大さがわかりますね。
 
ハドリアヌス神殿
規模ではケルスス図書館に及ばないものの、美しさではひけをとりません。半ば崩壊したアーチ型の門の痛々しさがその魅力を一層引き立て、印象を強めています。
 
天使の翼
道端に転がっている石も、かつて遺跡を成していた建物の一部です。当然、装飾が施され、しかも半端じゃなく美しかったりします。これ、どう見ても天使でしょ。
 

   
大理石通り
港から伸びるアルカディアン通りに続いて街の中心を貫いていたのが、マーブルストリートです。なだらかな坂道を歩いていると、往時の雰囲気に浸れること請け合い。これが何とも言えず「イイ感じ」です。時間を気にすることなくゆっくりと散歩したい道です。
   
世界最古の広告
女性の顔、左足、ハートマーク。マーブルストリートの一角にこんな石が置いてありました。「世界最古の広告」だそうです。で、意味しているのは娼婦宿への案内。「よっ社長、いい娘いるよ」ってことなんでしょうねえ。今も昔も人間の本性は変わらず。
   

       
 
古代のトイレ
古代のトイレは見ての通りのボッチャン便所でした。みんな並んで用を足したわけです。しかし、仕切りもなければ隣の人との間隔も狭い…。落ち着いてできたのかな。
 
ポリオの泉
エフェス市民の水がめとなっていた貯水槽も今では瓦礫が転がる原っぱ。大きなアーチが残照のように栄光の日々の記憶を私たちに伝えてくれます。
 
アゴラ
坂道を登りながらの遺跡見学が終点アゴラにたどり着きました。疲れたのでちょっとひと休み。お誂え向きに椅子代わりの柱もあるじゃないですか。貴重な遺物だけど。
 

 
クシャダス
 


   
エフェソス・リッチモンド
吹き抜けとなっているロビーには天窓の青が充ちていて、いかにもエーゲ海のリゾートといった趣です。セルチュクの街外れにあり、エフェス遺跡まではミニバスやタクシー頼みというところが不便ですが、たまにはこんな雰囲気も素敵。セルチュク〜ホテルのミニバスは一人70円。タクシーは三人1500円。
   

   
エーゲ海制覇!
外国で海沿いの街に行くと、早起きして浜辺を散歩するのが癖になってしまいます。特にここはエーゲ海。なにやら良さげなイメージばかりが妄想のように膨らんできます。あ、実際、風光明媚なことは間違いありません。少なくとも北陸の日本海並みには。というのも、この日は少し曇ってたからね。
   

   
リゾートの朝
夜明け間もないプライベートビーチと朝食前のレストラン。リゾートは人のいない時間帯にこそ趣が現れる、というのが持論なのですが、どうかな? けっこう雰囲気のある写真だと自分では思っているのですが。一見しただけではどこの国かわからないところもいいですね。
   

   
野犬
朝、浜辺を散歩していたら、どこからともなく野犬がやってきては、ひとしきり波と戯れ、私たちに砂をかけると去っていきました。ちょっと凶暴そうだったので、下手に追い払わずおとなしく泣き寝入りしましたが、これ以来、「エーゲ海=犬」というイメージがトラウマのように刻み込まれてしまったのです。
   


   

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