失われた花       



 仮に20年前にエコツアー一番のお薦めは?と問われれば、オオカナダモの花が咲く時期と答えたでしょう。
 オオカナダモは水草の一種ですが、水中にたくさんの群落をつくって成長します。いつもは水中から顔を出すことはありませんが、5月〜6月頃に白い小さな花を無数に水面上に咲かせます。

 オオカナダモの花(ネットから転載)


 中原橋周辺の旭川には、オオカナダモの群落がたくさん点在し、花咲く時期の群落巡りは最高でした。思えば、二人乗りカヌーを購入したのもこの時期。下心いっぱいでよく友人を誘ったものでした。
 当HPの目玉にと、当時を思い出して群落を捜しましたが、全く見つかりません。中原橋周辺どころかサンクチュアリ、クラレ堰辺りまで捜索しましたが、唯一見つかったのは「湧き水の淵」に少しばかり。その淵もH28年の工事で姿を変えてしまいました。

 オオカナダモの代わりに水中の水草界を席巻していたのは、ラガロシフォン・マヨー

 岡山自然体験リーダーズクラブblogによると、2007年秋以降、ラガロシフォン・マヨールという南アフリカ原産の水草の繁茂が市内用水路で見つかり、旭川大原橋辺りでも繁茂しているとのこと。この水草、流れの穏やかなところでは最優先種となるようで、エココース付近は繁茂に最適です。
 10年を経てオオカナダモは生存競争に敗れたことを理解しました。

 エココースにはラガロシフォンばかり目立ちます


自然界の昆虫や植物では、強力な外来種が突如やってきて在来の日本固有種を駆逐してしまうことをよく聞きますが、よくよく調べるとオオカナダモも戦前に入ってきた外来種のようで、日本固有のクロモに悪影響を与えたようです。なかなか複雑な心境になります。

 落合町の旭川で見つけたオオカナダモの群落(2016年7月)
 思わず駆け下りて撮った写真





 (2017年5月20日 記す)