2000.2.16

Nilsson Sings
Newman

30th Anniversary
Deluxe Edition

Harry Nilsson
(Buddha/BMG)


 すっかりBMG傘下の再発レーベルとして定着した感のあるブッダですが。フレイミング・グルーヴィーズとか、キャプテン・ビーフハートとか、ウェイロン・ジェニングスとか、ドリー・パートンとか、かなり気合の入った再発が続いている。


Pussy Cats
 で、そんなところにニルソンも登場。去年、オリジナル盤発売25周年を祝う形で出た『プシー・キャッツ』のあとを受け、こちらは発売30周年を祝う『ランディ・ニューマンを歌う』。完全未発表の「スノウ」を含むボーナス5曲追加でのリリースだ。うれしい。最高。『プシー・キャッツ』のほうは取り上げ損ねましたが、あれもすごかった。ボーナス・トラックとして入っていた「ラストダンスは私に」の弾き語りヴァージョンとか、しびれた。その後のアルバムに収録されることになる数曲の未公開ヴァージョンも入っていたし。音もぐっと良くなっていたし。なぜぼくはピック・オヴ・ザ・ウィークにしなかったのでしょう。きっと忙しかったんでしょう。

 今回はやります。ピック・オヴ・ザ・ウィークです。

 とにかくぼくのページ、ニルソンに関しては以前から何度も何度も取り上げていて。まだホームページ開設間もないころのこことか、こことか、こことか、こことか、こことか、ずいぶんと書いた。このアルバムについても、ここで大きく取り上げたことがある。

 というわけで、今さらこのアルバムについて新たに書くこともない。もう内容はごきげんに素晴らしいのだ。ただ、オリジナルLPを買って以来、唯一の不満は両面合わせても30分にも満たない収録時間の短さと、カッティング・レベルの低さ。以前CD化されたときも、なんかレベルが低くて。その辺の不満は解消せずじまい。それが、やったね、今回の30周年記念盤でついに解決した。レベルもたっぷり。音も見違えるほど太く、クリアによみがえった。ボーナス曲のおかげで収録時間も増えたし(笑)。

 シンガーとしてのニルソン、ソングライターとしてのニューマン、両者にとっての最高傑作アルバムがこれ…と断言してもいいんじゃないかな。未発表の「スノウ」も含めて、全曲が胸にしみます。「ラヴ・ストーリー」「アイル・ビー・ホーム」「デイトン・オハイオ1903」など、もう何度泣かされたことか。

 オリジナルのRCAから出たり、DCCから出たり、ブッダから出たり…と、ニルソンのリマスター盤はたらい回し状態だけど、ブッダでうまいこと落ち着いてくれそうだね。他の盤もぜひお願いします。なんでも、11月ごろにやはり30周年記念盤ってことで『Aerial Pandemonium Ballet』のリマスター盤がボーナス6曲追加で出るんだとか。このアルバムは67年に出た『パンディモニアム・シャドウ・ショー』と68年に出た『空中バレー』の収録曲から十数曲をセレクトして再作業をほどこしつつ、71年にリリースされた1枚。これの30周年ってのもずいぶん無理矢理な話だけど、でも、やっぱりうれしいです。ボーナスは、もしかしてコンパイル時に省かれたオリジナル・アルバム収録曲かな。早く聞きたいっ。


[ Home | Pick Of The Week | Kenta's Review ]
[ Features | What's Up Archives ]
[ Kenta's Chart | Fav Links | e-mail]


Kenta's
Nothing But Pop!

To report problems with this site or
to comment on the content of this site:
e-mail kenta@st.rim.or.jp


Copyright ©2000 Kenta Hagiwara