CRT & レココレ
Presents:

Vol. 24
「緊急! ブライアン・ウィルソン来日直前集中ゼミナール」

今世紀最後(かも)の来日公演を2日後に控え、“ペット・サウンズ・ツアー”の傾向と対策を徹底予習!! VANDA佐野編集長&萩原健太が秘蔵音源、最新映像大放出! 特ネタ激白! これでライブが 256倍楽しくなること間違いなし。ライヴに行く人も、まだ迷ってる人も全員集合! ヒックスヴィルの生歌&生演奏でブライアン・サウンドの秘密解明か? いいことあるよ!
2001年9月18日(火) at 東京・新宿LOFTプラスワン
OPEN 18:30 START 19:30
ゲスト: ヒックスヴィル、佐野邦彦(VANDA編集長)
出演: 萩原健太(音楽評論家)、寺田正典(レコード・コレクターズ編集長)
料金: 1500円(ワンドリンク付き)当日券のみ
問い合わせ: LOFTプラスワン 03(3205)6864
Daddy & The Surfbeats
萩原健太がメンバーの一員であるサーフ・インスト・バンド、ダディ&ザ・サーフビーツの最新ライヴ情報です。

9月19日(水)
高田馬場フィドラー
21:00-Midnight
(No Charge)
10月10日(水)
高田馬場フィドラー
21:00-Midnight
(No Charge)
10月20日(土)
水道橋・東京倶楽部
19:30-
with 東京バニーズ

Washington Square Memoirs Washington
Square
Memoirs:
The Great Urban Folk Boom
1950-1970

Various Artists
(Rhino)
2001.8.26

 今年の6月に出た箱で。そのときは取り上げ損ねていたのだけれど。最近、Pヴァインから日本語抄訳ブックレットを付けて国内配給されたので、ここで改めてピックアップさせてもらいます。

 1947年録音のウッディ・ガスリーの音源から70年のラウドン・ウェインライトV世の音源まで、ワシントン広場〜グリニッチ・ヴィレッジ周辺で人気を博したフォーク・サウンドを年代順に詰め込んだブックレット型CD3枚組。ロックに比して一見保守的と思われがちなフォークが、実はとてもロックしロールしている音楽であったことを再確認させてくれるうれしい仕上がりだ。

 確かにこうしたフォーク・リヴァイヴァル〜フォーク・ソング・ブームは当時のカレッジ・シーンとの密接なつながりの中で発展を続けたわけで。それは50年代、ハイスクールのティーンエイジャーたちのもとで爆発し成長を続けていたロックンロールとは対照的ともいえる動きだ。実際、キングストン・トリオとか、ピン・ストライプのアイヴィ・リーグふうのシャツをきちんと着て、髪も短く整えて。けっして一般のロックンローラーのように、服装だけで大人の機嫌をそこねるようなものではなかった。音楽を伝えるメディアにしても、あくまでシングルを中心に作り手も受け手も動いていたロックンロールとは違って、大方のフォーク・アーティストはアルバムで自分たちを主張していた。

 まあ、フォークの父と呼ばれるピート・シーガーが、50年代、マッカーシーらのアジテーションのもと高まっていた反共運動の魔手にかかるなど、実はフォーク・ソングも保守派から不当な弾圧を受けていた。そういう弾圧を受ける中で、もともとは史実に基づいた素朴な民謡などをベースに、それを現代ふうにアレンジするという手法がメインだったフォーク・シンガーたちが徐々により時事的/社会的/政治的な問題や出来事を取り上げるようになっていった。そんなふうに弾圧を受けたり、“何かに対する反抗”というイメージを持っていた点は、ロックンロールとフォーク・ソング、両者に共通するものだけれど。こと音楽に限った場合、乱暴に言ってしまえば、子供のロックンロール、大人のフォーク・ソング、とそんな感じだった。ロックンロールの反抗が感覚的な、生理的なものだったのに対し、フォーク・ソングにとっての反抗はより理性的、観念的なものだったと言うことができるかもしれない。

 が、かつてハイスクール時代にロックンロールの衝撃を受けて、その後60年代、大学生に成長してからフォーク・ソングの世界へ飛び込み、両者を有機的に結び付ける大きな役割を果たした男が現われた。ボブ・ディランだ。そんなディランの曲(「ブーツ・オヴ・スパニッシュ・レザー」)をディスク2の11曲目という、ボックス・セット全体のど真ん中に置いて構成されているのも、このボックス・セットの興味深いところ。ビッグ・ビル・ブルーンジー、シスコ・ヒューストン、ウィーヴァーズ、サニー・テリー&ブラウニー・マギーといったルーツ系の人たちの音源から始まり、キングストン・トリオ、オデッタ、ランブリン・ジャック・エリオット、デイヴ・ヴァン・ロンクなどを経てPPM、ディラン、ジョーン・バエズ、さらに60年代後半に登場してきたエリック・アンダースン、ティム・ハーディン、フレッド・ニール、ティム・バックリー、ポール・シーベルら新感覚派まで。重要どころは総まくりだ。それぞれの選曲も的確。ニュー・シティ・ロスト・ランブラーズやホーリー・モーダル・ラウンダーズ、ジム・クウェスキンら、グッド・オールド・ミュージックをそれぞれのやり方で発掘していた連中の音源もしっかり盛り込まれていて楽しい。

 グリニッチ・ヴィレッジ系フォーク・シーンの歴史をコンパクトにおさらいした英文ライナーもかなり面白い。1アーティスト1曲ごとに、関係者のコメントを交えながら綴った曲目解説もためになる。アーティスト名鑑として、名曲集として、手軽に楽しめる。


 で、いよいよ開催までひと月を切ったブライアンの来日メンバーおよび公演スケジュールです。

Brian Wilson: Vocals, Keyboards
Jeff Foskett: Vocals, Guitar
Bob Lizik: Bass
Paul Mertens: Sax, Horns
Jim Hinds: Drums
Andy Paley: Percussion, Vocals, Guitar
Darian Sahanaja: Keyboards, Vibe, Vocals
Probyn Gregory: Vocals, Guitar
Nick Walusko: Vocals, Guitar
Taylor Mills: Vocals
Scott Bennet: Vocals, Keyboards, Vibes, Percussion


東京:2001年9月20日(木)
東京国際フォーラムホールA
問い合わせ: プライムディレクション 03-3408-9595
2001年9月21日(金)
東京国際フォーラムホールA
問い合わせ: プライムディレクション 03-3408-9595
名古屋:2001年9月22日(土)
愛知県芸術劇場大ホール
問い合わせ: サンデーフォーク 052-320-9100
福岡:2001年9月24日(月)
福岡サンパレス
問い合わせ: ブレインズ 092-771-8121
大阪:2001年9月25日(火)
大阪厚生年金会館
問い合わせ: キョードー大阪 06-6233-8888


Brian Wilson
Buffalo Sprinfield
Whiskeytown
Lucinda Williams
Brian Setzer
The Beach Boys
Ron Sexsmith
Jason Falkner
Leon Redbone
The Band
R.E.M.
Vic Chesnutt
John Hammond

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