CRT & レココレ
Presents:

Vol. 22
「木崎義二のポプシクル・ナイト番外編〜夏だ! 歌舞伎町だ! ビーチ・ボーイズだ!」

お待たせしました、プラスワン夏の風物詩!? ビーチ・ボーイズまつり。ブライアン再来日を祝って、史上最強のビーチ・ボーイズ・マニアたちが熱いトーク・バトルを展開。伝説のポップ・マガジン『ポプシクル』編集長の木崎義二師匠、現役ポップ・マガジン『VANDA』編集長の佐野邦彦さん、そしてわれらが『レココレ』編集長のテラさんが勢揃い。飲んで語って燃えあがろう。今年もっとも熱い“海の日”を歌舞伎町で!
2001年7月20日(祝) at 東京・新宿LOFTプラスワン
OPEN 18:30 START 19:30
ゲスト: 木崎義二(音楽評論家)、佐野邦彦(VANDA編集長)ほか
出演: 寺田正典(レコード・コレクターズ編集長)、萩原健太(音楽評論家)
料金: 1500円(ワンドリンク付き)当日券のみ
問い合わせ: LOFTプラスワン 03(3205)6864
Daddy & The Surfbeats
萩原健太がメンバーの一員であるサーフ・インスト・バンド、ダディ&ザ・サーフビーツの最新ライヴ情報です。

7月7日(土)
水道橋・東京倶楽部
19:30-
with 東京バニーズ
7月25日(水)
高田馬場フィドラー
21:00-Midnight
(No Charge)
TRIBUTE TO
ELVIS 2001

東京

2001年8月5日(日) at 東京・銀座ヤマハホール
OPEN 13:00 START 13:30
トーク&レコードコンサート: 萩原健太・木崎義二
ライヴ: 中野泰成/尾形直人/加藤阿沙美/鈴木幸治/ペリックリー(From香港)
ビデオ: 『エルヴィス・オン・ステージ スペシャルエディション』より2曲上映!
料金: 6000円(自由席)
詳細はこちら

Essence
Lucinda Williams
(Lost Highway/Universal)
2001.7.5

 10日以上前の話になるけど。先月のCRT&レココレ・イベント。盛り上がりました。ポール・マッカートニー&ウィングス・ナイト。とてもたくさんのお客さんがロフト・プラスワンに詰めかけてくださって。うれしかったです。和久井光司さんとセロファンの西池崇さん、2人のゲストの話も面白かったし。イベントを見に来てくれて、ついでに飛び入りゲスト出演もしてくれた本秀康さん、倉本美津留さんも場を盛り上げてくれたし。特に、飛び入りしてくれたうえに、必殺の「マイ・ラヴ」をナマ歌で披露してくれた黒沢健一くん。ごきげんでした。やー、健一、歌うめーなぁ…。

 しかし、さ。ポールといえばね。リバプール・ジョン・レノン空港。あれ、どうよ? リバプール・ビートルズ空港とかじゃダメだったのかね。まあ、どうでもいいんだけどさ。ポールとかジョージとか、どう思ってるんだろう。ジョンってば、銅像まで作られちゃって。ヨーコさんもけっこうご満悦っぽかったりして。うーん、なにやら早く死んだ者勝ちみたいな感触すらあるぞ。

 いや、別に空港の名前になったから偉いとか、そういうこともないわけで。ほんと、どうでもいいんだけど(笑)。ただ、ひとつだけ気になるのは、なんだか他界から時が経てば経つほど、ロックンローラーとしてのジョン・レノンの姿が薄められて、愛と平和のジョン・レノンみたいなイメージばかりが強調されていくような…。そこんとこがね。気になるのだ。今回の空港のロゴにも、結局「イマジン」の歌詞の一節が引用されていたりして。なんか、ヨーコさん、あえてそっちのほうに世論を誘導してないか?

 もちろんジョンは愛と平和の人だったんだろうけど。それだけじゃなくて、本当にすぐれたロックンローラーでもあったわけで。その面をなかったことにされちゃうのは、一ファンとしてちょっとキツイっす。

 まあ、これは偏見だと責められることを承知のうえで書くんだけど。ヨーコさんって、あんまりロックンロール好きじゃないのかも。何の根拠もない推測だけど、ぼくはそう思う。ヨーコさんがファッツ・ドミノとかロイド・プライスとかコースターズとか積極的に聞いてるとも思えないしなぁ。そういえば、ジョン・レノンの『ロックンロール』ってアルバム、あれはヨーコさんと一時的に別れてた時期の作品なんだよね。なーんてことを考えていると、今後ますますジョン・レノンはちんぴらっぽいロックンローラーじゃなくて愛と平和の人だったってことになっていっちゃうような気がして。うーん、他人事とはいえ、それはいやだなぁ…。

 なんてことをうだうだ考えつつ、本日のアルバム・ピック。月末の締め切り攻めと、くそ暑さと、慢性のやる気のなさとがあいまって、このページでの紹介がむちゃくちゃ遅れてしまったのだけれど。ルシンダ・ウィリアムスの6作目です。すっげえいいアルバムです。まいりました。もうあちこちで取り上げられているので、今さらぼくが強調するまでもないよね。でも、強調してしまいましょう。とにかく、これは傑作だ。

 前作も傑作だった。素晴らしかった。リック・ルービン、スティーヴ・アール、ロイ・ビタンらのサポートのもと構築された雄大な、骨太な、パワフルな、しかしどこかやさぐれたような、埃っぽい…そんなリミッターびんびんのアメリカン・ロック・サウンドが、ルシンダならではの乾いた歌声とあいまって、ブルースとカントリーを下敷きにした珠玉のカントリー・ソウルとでもいうべき音楽を作り上げていた。

 が、その後、前作でもサウンドの要を成していたごきげんなギタリスト、ガーフ・モーリックスがバック・バンドから脱退。さらにドラマーのドン・リンドレーが他界。こうした波乱を経て、ルシンダも変化を余儀なくされたのだろうか。

 というわけで、前作からほぼ3年のブランクを経てリリースされた本盤。まあ、寡作であることにかけては右に出る者のいないルシンダだけに、待つわれわれも覚悟はできていたわけだが。とにかく、メンバー一新。チャーリー・セクストン(プロデュース、ギター、その他もろもろ)&トニー・ガーニアー(ベース)というディランさんちのザ・ネヴァー・エンディング・バンド組が、ボ・ラムゼイ(ギター)とジム・ケルトナー(ドラム)とともに全面バックアップするという、なんともうれしいラインアップになっている。その他、ゲストとして迎えられている面々は、ジム・ローダーデイル、ジョー・キング・カラスコ、ゲイリー・ルーリス、ライアン・アダムズ、ジョイ・リン・ホワイトなどなど。さすがはオルタナティヴ・カントリー・シーンの大あねご。姉さん、貫禄です。

 こうした顔ぶれによるシンプルかつ的確な演奏を従えて、姉さん、前作とうって変わって全編、静かに、内省的に、淡々と、その独特の歌声をまるで独り言のように盤面に刻み込んでいる。ルシンダの場合、歌詞に関しては以前から、きわめて私的なテーマを扱いながらそれゆえにグローバルになりうる…という方向性を強く主張していて。それは前作でも大きな魅力となっていたわけだが。この、けっしてセンチメンタルに流されることなく、必要以上にドラマチックに展開することもなく、淡々と綴られていく彼女の歌詞の世界――まるで優れた現代アメリカ文学の作家によるイマジネイティヴな短編を読んでいるかのようだ――に、今回はサウンドのほうも無理なく寄り添ったという感じかも。

 しみます。


 さて、いよいよチケット受付も開始されるブライアン・ウィルソン来日公演のスケジュールです。

東京:2001年9月20日(木)
東京国際フォーラムホールA
2001年9月21日(金)
東京国際フォーラムホールA
名古屋:2001年9月22日(土)
愛知県芸術劇場大ホール
福岡:2001年9月24日(月)
福岡サンパレス
大阪:2001年9月25日(火)
大阪厚生年金会館
チケット発売日:7月初旬予定


 開演時間とか、チケットの発売元とか、そういうのは各自チェックしてください。ちなみに、全米で展開するポール・サイモンとのジョイントではないです。ブライアン単独。もちろん単独のほうがたっぷりとブライアンのライヴを楽しめるわけで。こっちのほうが断然うれしい。あー、待ち遠しい。


Brian Setzer
The Beach Boys
Ron Sexsmith
Jason Falkner
Leon Redbone
The Band
R.E.M.
Vic Chesnutt
John Hammond
Laura Nyro
Geoff & Amos
Dion

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